見出し画像

【東京ニット2023】これからのファッションブランドと産地と服作り”~学生時代にするべきこと・ファッション教育に期待すること~

2023年11月14日、foufouのマールコウサカさんと、東京ニットファッション工業組合青年部の加々村委員長とトークセッションをさせていただきました。

このイベントは会場の60席が先行予約で埋まり、オンライン配信はしないことから、「キャンセルでたら教えてください」と僕に連絡がくるくらい注目を集めていました。当日の様子をnoteに書くと宣言していたので、まとめたいと思います。


この「東京ニット」という勉強会のようなトークイベントですが、さかのぼること2017年にはじまった企画で、主催は両国の国際ファッションセンターさん。そして東京ニットファッション工業組合青年部の皆さんと弊社と3団体で企画して続けてきました。今年で7回目。僕の中で毎年11月頃に開かれる恒例のイベントとなっています。

本番に向けて、8月に開いた企画会議で今年のテーマを探っていると、みんなの意識が向いていた「ファッション教育や若手のブランド運営」を今年のお題にすることになりました。近年、若手ブランドにとってブランド立ち上げのハードルが上がっているし、だからこそ、そこに向けて服飾学校がどうカリキュラムを洗練させていけるか。そこを考えるきっかけとなるようなトークイベントを目指すことに。

次世代へのヒントや、エールを送るような会にしたいことが決まり今回のゲストはどうしようと。マールコウサカさんの名前が出た瞬間に満場一致。すぐさまラブコールを送りました。「僕でよければぜひ」と30分もしないうちに即答OKをいただけました。

本番のライブ感を出すために出演者打ち合わせなしになって、ぶつけ当日。僕がなんとなく準備していたスライドデータも(なんか台本っぽくなるなぁ)と直前でやっぱり放映しないことにして、打ち合わせも台本もなしのドキドキのフリートークがスタート。トークテーマ「これからのファッションブランドと産地と服作り~学生時代にするべきこと・ファッション教育に期待すること~」に沿って掛け合いを重ねてもらって、会場からさまざまな角度の質問が飛び交い、90分あった時間もいっぱいに。


僕なりに登壇のお二人の言葉で印象的だったこと

マールさんからの「純粋な動機に出会えた人は祝福された人」という言葉。自分は何をしようか、何をすべきか。学生時代の僕も将来何をするのか答えの見えない問いにずっと迫られていた気がします。純粋な衝動である、「こんなことをしたい!」に出逢えたことはそれがもうとても幸せなことというお話でした。その瞬間はいつやってくるかわからないので、アンテナを張ってたくさん動いて、いろんな人に会って、感動して悩んで、手探りのような感覚だとしてもそれは1日1日がしっかり前進しているんだろうなぁと思いました。会場の学生さんたちを初め、僕にも深く刺さりました。

加々村さんからは「モチベーション(感情)で仕事をしない」という言葉がありました。なんとなく「モチベーションが高い」と評価されることが多いし、僕も意識しないで使っていたかもしれないけど、モチベーションというのは株価のように毎日各種要因で変動してしまうということ。感情を乗せて仕事をすることはもちろん大切だけど、日替わりの気分に頼らない安定したパフォーマンスを発揮する重要性について、これは社会人のスキルのようなものと思いました。みんな頷くなか僕はドキっとして、行動がモチベーションと衝動でできているので、会場の皆さん以上に僕にも深く刺さりました。

その他にもお二人の掛け合いの中で、採用について、身につけておくと良いスキル(生産管理のお仕事)など、台本なしならではの話が飛び交ってとてもいい時間となりました。

マールさんが書かれた『すこやかな服』という書籍があるのですが、予習を兼ねて読んでいると、P40に文化服装1年目時代の担任の先生とやりとりが書かれています。その先生の一言で「まわりと比較してできない自分に落ち込むんじゃなくて、自分は自分。自分らしさを発揮すればいいんだ」とマールさんの視界が広いたシーンです。

ファッション教育について語るなら、僕はここが全てだと、これが未来だと、熱く思いました。教師という職業は、学生1人1人の人生を預かるとても責任のある仕事であると同時に、1人1人の進路に寄り添って背中を押してあげられる数少ない仕事。めっちゃハードで常に山のような仕事に追われているのも分かります。先生1人1人が愛情と情熱を持つこと、そんな先生が増えることが日本の未来そのもの。ファッション教育に限らずだけど。ちょっと先生たちみんながキャパオーバー気味なのが心配ですが。

僕自身も、学校でできないことは学校外でプログラムをつくって、学校組織とできることは各学校とコツコツやっているので、もっと未来に貢献したいと改めて思いました。「モチベーションで仕事をしない」というのも課題としてコツコツとすこやかな毎日を目指して、そして積み重ねていきたいと思います。

「Fachion Commune」というウェブメディアさんにも取材していただいたので、ライターの苫米地さんの視点のレポートもぜひ読んでみてください!


関係者の皆さんいつもありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?