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タピオカミルクティーを飲むためにいろいろなものを素直に受け入れてみた

基本的に流行っているもの、しゃらくさいものに対して斜にかまえてしまうめんどくさい性格をしてるんですけど、今日は一日、そういうものをありのまま、素直に受け入れてみました。なんか企画力の無いユーチューバーが似たようなことやってそうだな。

なんでいきなりそんなことをしたかっていうと、「三連休初日に13時に起きて予定もなくて虚無が濃かった」っていうのがいちばん大きな理由なんですけど、もうひとつあって。

それは、タピオカミルクティーを飲みたかったから、です。

流行りに流行りまくって、その勢いがいまだに衰えるところを知らないタピオカを、味わいたかったんです。

「飲めばいいじゃん」

そんな声が聞こえてきそうですが、僕くらい自意識過剰をこじらせてしまうと、飲みたいから、なんて理由で流行りものに歩み寄ることへの抵抗が尋常じゃないんです。お、あいつタピオカ並んでんな、迎合してんなっていう「存在しない人の目」を気にしてやめとこ、ってなっちゃうんですよ。

でも、最近僕の住むとこの近くにタピオカのお店が新しく進出してきまして、特にオシャレタウンでもないのに「とうとうここまできたか……」という思いと「いってみたい……!」という思いがふつふつとわき出てきまして。

どんな言い訳を用意すればタピオカミルクティーを飲めるんだろうと頭を悩ませた結果。

「一度素直になって、今まで自分が敬遠していたものすべて、まとめて受け入れてみよう」の日をもうけてしまえばいいのでは……!

と、完全に遠回りにもほどがあるルートを導きだしました。ひと昔前のナビか?

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そうと決まればまずは外出。

最低限の身支度を整え自宅を出ると。

いや、暑すぎる……。

日差しが本気だしてる。セミ、ちょっと静かにしてくれ。

時刻は14時過ぎ。季節は真夏。時は令和。最高の夏、どこ?家?家か。外出時間5秒だけどもう帰ろうかな。

でも、そこで今日の僕は気づいちゃいました。さっそく「受け入れる」チャンスだと。

カバンから取り出したのは、この前、古いものが壊れて新しく買った折り畳み傘。たしか、晴雨兼用のタグが付いていたはず。単純にデザインが気に入って選んだんだけど、まだ雨の日にしか開いたことはなかった。雨の日にしか開くつもりもなかった。晴れてるのに傘を差してる人をみると、「雨、止んでますよ」って言いたくなっちゃうし。

しかし今日は受け入れる。おまえは日傘だ。

太陽に向けて、ばさっと傘を開いた。

え、魔法?

一瞬で涼しくなったんだけど。炎系の広範囲攻撃魔法を氷系の防御魔法展開して防いでるじゃん。いつから魔法の世界になったのここは。異世界転生もの?それともパラレルワールド?いや、冗談抜きで5度くらい気温下がってるって。まじで移動式の日陰だこれ。すごい。

今まで必死に日陰のあるところを探して非効率なコース取りで道を歩いていたのがばかみたいだ。もう晴れた日に傘を差さないで歩くの無理かも。てかなんでみんな晴れてるのに傘、差してないの?

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傘にすっかりご機嫌をとられ、そういえば起きてから何も口にしてないことに気づく。近所のたまにいく美味しいハンバーガー屋さんにでもいこっかな。

そして、ハンバーガー屋さんで本日二度目の「受け入れる」チャンスがきました。

僕の目に入ったのは、アボカドチーズバーガー。

"アボカド"ですよ、皆さん。

ハンバーガーというジャンクで背徳的なものを選んでおいて、この期に及んで"オシャ"の精神を持ち込もうとしてくる輩。それがこいつを注文するような人間。絶対しゃらくさい。おとなしくベーコンチーズバーガーをたのめ。

でも、ちょっとだけ気になっていた。

こいつが、ハンバーガーという舞台でどんな化学反応を起こすのか。もしかして、体験したことのない世界が待っているのではないか。

この前友達ときたときは、友達の目を気にしてたのめなかったアボカドチーズバーガーを、緊張した声色で、注文した。

おそるおそる口にすると。

めっっっっちゃ美味い……!

トマトのさっぱり感とレタスのシャキシャキ感、そしてチーズを武装したパティの暴力的な肉々しさまでも一手に受け入れ包み込むようなアボカドの優しさ。赤子を抱く母の手か?

他の具材の良さを邪魔することなく、ちょうどいいアクセントになってる。これは正解。ハンバーガーの具材としてレギュラー化すべき。やっぱりハンバーガーにはアボカドだな。

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さて。幸福度指数がぶち上がったところで、とうとうタピオカ屋さんにいこう。正直お腹いっぱいなんだけど、今日この勢いのままいかないと、機を逃す気がする。人生において重要なのは勢いとタイミングだって誰かが言ってた。誰だろう。ガッシュかな。人生で大切なことはだいたい中学生の頃読んだ金色のガッシュから学んでるからたぶんそう。

日傘を差しつつ数分歩き、とうとうオープンしたてのタピオカ屋さんまでたどり着いた。

いちばん定番メニューっぽいものを注文すると、甘さや氷の量を選べるらしく、当然のように店員さんに「甘さや氷の量はどうしますか?」といわれてしまい「どう、とは」とたじろぐ僕。何かを察した店員さんに丁寧に説明してもらい、結局全部「普通」で注文した。これが、タピオカ屋さん。家系ラーメンの注文システムとだいたい一緒だな。慣れてしまうと「固め濃いめ油普通で」とか言ってしまいそうだ。

これがそのタピオカミルクティー。

側面のロゴが映るように撮るとふたの絵柄が逆さになってしまうんだけど、これは僕が悪いのか?

ともあれ、満を持して、いざ、タピる……!

ごくごく、ぽっ、ごく、ぽっぽっ、ごくごく(タピ音)

……うっまぁ。いいじゃん、タピオカ。

実は高校生の頃にも、つまり前にタピオカが流行っていた頃にもタピオカを口にしたことあったんだけど(高校生の頃はいまよりこじらせてなかったので……)、そのときのものよりいくぶんか、もちもち感やタピオカそのものの味がパワーアップしてる気がする。美味しい。

遠い記憶の中のタピオカミルクティーって、自販機のコンポタのコーンよろしく、最後にタピオカが残ってしまうイメージがあったんだけど、ちゃんと量が計算されているのか、ちょうどよく飲み干すことができた。外が暑かったからよく冷えたミルクティーも美味しかった。というか、ミルクティーの味もすごくマイルドで、これは飲みやすい。流行りに敏感な若者がこぞってあほみたいに並んでしまうのもわかる。また来よう。

ただ、量としてはMサイズで十分だった。Lサイズのカップみたけどあの量を飲み干せる気がしない。家系大盛完まく決めるみたいなもん。自棄になったときにしかいけない。いくらタピオカ好きでも健康のためにやめといた方がいい。家系大盛完まく決めた後いつも後悔する僕が言うんだから間違いない。

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今日一日、そんな具合に他にもいろんなものを受け入れてみました。

たとえば、

・古着屋の店員に自分から話しかけてみる
・丸いレンズのサングラスを試着してみる
・King Gnuの新曲を聴いてみる

とか。

良し悪しはさておき、普段だったらなかなか気づかない発見がたくさんあって、やっぱりイメージだけで物事を判断するのは良くないなと。流行ってるものには流行ってるだけの魅力があって、しゃらくさいものにもしゃらくさい人たちを惹き付けるだけの魅力がありました。なにも知らずに否定してしまうのはとってももったいない。

皆さんも、「素直にぜんぶ受け入れてみる」、ためしてみてはいかがでしょうか。

"お役立ち記事の締め方"で締めてみたけど、これがいちばんしゃらくさいな。

では。

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