ムクロジで洗濯、それと、ムクロジビーズづくり

自宅の庭で採れたムクロジ (昨年産)

ムクロジの学名 Sapindus mukorossi の Sapindus は『インドの石鹸』(Sap Indus) という意味だそうで、インドでは今でも洗剤として活用されているそう。後ろの mukorossi はそのまま ムクロジ ですね。

漢字では「子が患わない」という意味になる『無患子』と当て字され、子どもの健康を願う、まじないの護符としても使われるようです。

石鹸になるのは、半透明の茶色い外殻。
濡れるとちょっとべたべたします。これが石鹸成分のサポニンだそうです。

中の黒い種子は、羽子板の羽子 (羽根) や数珠に使われるほど堅く丈夫です。


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外殻で、台所の布巾を洗ってみました。
まずは、ニッパーのような工具で外殻に穴をあけて切り、中の黒い種子を取り出します。手を傷つけないように注意してやってください。

洗濯の工程は以下の通り。

(1) 水をボウルの半分くらいまで入れ、洗う布巾を入れて少し漬け置き。(布巾にまんべんなく水を吸わせる為)
(2) 水切りザルにムクロジの外殻を10個くらい入れて、そのままボウルに投入後、若干放置。(ムクロジの外殻をふやかす為)
(3) ザルを水の中で揺する。泡立つまでひたすら揺する。
(4) 泡立ったらザルを出し、ボウルの中で布巾を手洗いし、すすいで干す。
(5) ムクロジの外殻は、泡を流す程度に流水に当て、外気に当てて乾燥。

けっこう泡立ちます。いっぱい泡が出るまで続けます。

外殻からこんなに泡が。不思議ですね。
ニオイはありません。ただ、汚れの落ち具合は ? はてなマークです (笑)

ひたすら揺する時間は1~2数分程度。工程 (2) の外殻をふやかす時間は多めの方が泡立ちが早いかも。

ムクロジの外殻は衝撃で欠けてカケラが出るので、水切りザルに入れてみました。また、水の中で揺すって泡立たせるため、片手ハンドル付きが便利です。

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次は、ムクロジビーズの作り方です。

今年の4月に上野の国立科学博物館で開催された『ビーズ  自然をつなぐ 世界をつなぐ』という企画展にて、ビーズとは何なのか、企画会独自の定義がなされていました。

さまざまな部材をつなげたもの」という従来の定義にプラスして、
身につけるもの、あるいはモノを飾る目的で作られたもの」としていました。

ムクロジは植物ですから、穴をあければ立派な「植物のビーズ」です。また、ムクロジは『無患子』と書き、子どもの健康を願う護符としての役割もあります。さっそくムクロジビーズを作って、身につけられる形にしてみましょう! 

(1) 穴をあける

ピンバイスを使って穴をあけました。使ったのはこんなやつ。

無事貫通。
これ結構難しい..... まっすぐ刺しているつもりでも、中央を貫通しません。
途中で曲がったことに気づいても、修正せずに貫いた方がいいです。中で迷走してしまうと、紐がスムーズに通らなかったり、袋小路で詰まって出てこなくなります。
穴のバランスが多少悪くても、それが手作りの趣になりますので。

細いドリルから初めて、紐が通るサイズの穴になるまで、ドリルを太くしながら、穴を広げました。千枚通し (きり) だと難しいかも。
手を刺さないように、細心の注意を払って作業してください。

(2) 磨く

上手く穴が開いたものを選りすぐって、磨きます。

白い産毛は、紙やすりで取りました。使ったのは180番。
産毛部分だけに当たるように、指の腹を使って紙やすりを曲げたり、折ったりして使います。

こんな産毛を....

このくらいまで、とりました。

次に、磨き粉を使って磨いてみました。

使ったのは「キクモール」という磨き粉。腕時計や貴金属、楽器などに使う磨き粉です。愛用していたので、これを使いましたが、所持している研磨剤で磨いてみてください。

産毛があった部分を重点的に、まんべんなく磨きます。

最後に、ツヤ出しの為、蜜蝋を塗ってひたすら磨きます。

使ったのは、家具のメンテナンスに愛用中の蜜蝋オイルというもの。
別段これがいいというワケではなく、所持していたので使いました。
固形の蜜蝋やツヤ出し用のワックスを駆使して磨いてください。

ツヤっツヤに。こんな工程で完成しました。

出来上がったら、紐に通して、何か作ってみよう!!

外国のお土産みたいなこれ ↑ は、ウッドビーズを間に挟んで作りました。

ウッドビーズは、手芸用品店などで販売してます。
キジ (キナリ) の方が8mm、青い方が6mmのもの。
紐は 1.2mmのコットン製の蝋引き紐。あまり太いと、ムクロジの穿孔がとても大変になるので、この程度の太さまでが無難かも。

紐を30cmくらいに切って、ムクロジとウッドビーズを交互に入れ、最後のウッドビーズの中で紐を交差させるだけの楽ちん工程です。

すべての子供が元気で暮らせますように。

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ちなみに....

霊長類のなかで穴に糸を通せるのは、私たちホモ・サピエンス (新人) のみです。チンパンジーやゴリラ、ネアンデルタール人 (旧人) はできないといわれています。(『ビーズ展』リーフレットより。)

ホモサピエンスなら作れるはず!


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2017年晩秋に出会ったビーズ編みに日々精進しています。

見つけてくれて、ありがとう!
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【弦倉記】ビーズ編みの小さなバッグ "イトノパース" 弦倉

【7月以降、活動やや鈍め】ビーズを編み込んだ編み模様と、それを使ったビーズ編みの小さなバッグ『イトノパース』の制作と提案をやってます。ビーズ編みに興味のある方のフォローをお待ちしています。埼玉県在住。 [ https://www.itonopurse-itogura.com/ ]
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