道具瑣談 - ビーズ編みの基礎道具

ワタクシは以前、縫製をしていました。

と、何度か書いていますが、書いているだけでホントはウソっぱちかもしれませんね。(嘘じゃないです。)

縫製をやっていた時は、必要な道具類が多く、また、相互性の高い工具もあるので、手芸用品店のみならず、東急ハンズやホームセンター、専門店などへも行って、道具探しをして欲を満たしていました。欲というのは、道具好きの人が抱える、より良い道具、最新の道具を使ってみたいという欲求で、趣味を持っている人たち通有の欲でしょう。
特にミシンの部品はとてもこだわっていました。上糸の滑りを良くするためにシリコンを塗布する器具や、縁かがりテープなどを巻き込んで簡単に縫いつけられるバインダーなど、素早く美しく製作出来るならなんでも試すとばかりに (一応は吟味して) 買い集めていました。押え金は10種類ほど所持しています。端っこを縫う "キワステッチ" には、その幅ごとに押え金があり、また、素材ごとに最適な押え金があるので、作りたいものに合った押え金を準備すれば、それだけ美しい作品が出来上がるのです。

上画像はミシン用品が仕舞われている引き出しの現在の様子。縫製をやっていた時とは雲泥の差ほど、すっきりとさせました。

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さて、ミシン縫いでとても重要な "糸調子" をいとも簡単に合わせることが出来る魔法のような糸掛けが売り出されました。「マジックカケ」という名前で数年前に突如現れて縫製界隈をざわつかせ、その極めて端っこにいるワタクシにもこの朗報はやってきました。このマジックカケを使うと、布の厚みごとに糸調子を完璧に合わせずとも、薄い布から厚い布まで正しい糸調子でミシンがけができるもので、縫製をやっている人にはまことにありがたい部品なのです。

当時使っていた生地は、やや薄手から中肉の木綿生地と、岡山・広島産セルヴィッチデニムで、何度直しても合わない糸調子にほとほと困り果て、マジックカケの購入を本気で検討していました。しかし、なんだかんだしている内に、縫製活動を終了することにし、それと同時にマジックカケの購入検討も終了しましたので、使用感は不明のまま終わりました。
少しばかり心残りの話です。

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生地の入手は、ほぼ織元から直接購入していましたが、セルヴィッチデニムを手に入れるために、日暮里の繊維問屋街の岩瀬商店へも何度か足を運びました。岩瀬商店はエドウィン本社前にあって、基本は問屋なので店構えは小さく、そこここに布の巻きが置かれて、2~3人入ればいっぱいになるようなお店ですが、国産デニムの種類が豊富で、店主にデニムの仕組みを教えもらいながら購入していました。
近くに帆布の専門店 (茂木商会) や、扱う生地にこだわりのあるお店もあるので、トマト (激安生地のお店で日暮里の顔) で引き返えさずに、メインストリートをもうちょっと歩いてみるのもおもしろいです。昼食は「ニューマルヤ」がおすすめ。店主が一人で切り盛りしているので、注文までがやや難易度高めですが、懐かしくおいしい洋食が食べられます。日暮里駅の近くだと「談話室 ニュートーキョー」もおすすめ。こちらも懐かし系の洋食で一人でも入れます。
たぶん、もう行くことはない、日暮里の懐かしい記憶。

(2019/2/16 追記) エドウィン本社は2018年秋に目黒に移転していました (涙)

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かぎ針編みは「かぎ針」が唯一の道具 (ハサミもだけど) で、あとは慣れた手が勝負の手工芸です。道具好きの身としてはちょっと退屈なのです。かぎ針編みの補助道具も探せばいくらかありますが、準必須道具は「綴じ針」と「安全ピン (段数マーカー) 」くらい。バリエーションも少なくて、縫製をやっていた時と比べると欲がなかなか満たされないのがやや不満です。

それとは逆に、ビーズの世界は工夫された道具で着実に進化していることに驚きました。その中でも、「三角トレイ」と「ビーズ通し針」は、ワタクシの製作には不可欠の道具で、いろいろ試したいという欲から、数種類購入してみました。

鋭利な角がビーズ収納時に便利な三角トレイは2種所有。左が、TOHOの社名が入ったプラスチック製、右がMIYUKIのアルミ製。
プラスチック製のものは素材の特性か、冬になると静電気が発生しやすく、ビーズが動いたり逃げたりします。着ている衣類の素材も関係しているのかもしれません。(作業中はフリースを着ているのも原因の一つかも。)
静電気回避のために、アルミ製のものを購入しましたので冬の心配はなくなりました。
普段は、トレーの色と使うビーズの色の相性を見て使い分けています。

ただ一つ。このトレーには、ぼんやりした一瞬に大失敗をやらかす構造が備わっているのです。ワタクシは未だに週一程度の頻度で、これに泣かされています。

上の縁 (口縁) と底に差があり、側面が V字の急な傾斜を描いています。この傾斜と三角の形は、ビーズの移し替えを容易にしたり、ちりとりのようにビーズをすくい上げたりと、とても合理的な形状なのですが、作業中にふと訪れる虚無感を狙ったかのように起こるトレーへの誤作動で、トレーが傾きやすいのが欠点です。この誤作動により、トレーに入れたビーズをあたりにぶちまけるという悲劇を招きます。
(トレーへの誤作動とは、(ビーズを入れた状態で) 不用意に手を当てる、テーブルに置く際にバランスを崩す、トレーの存在を忘れる... 等 です。)

"恐怖の谷" とは、三角トレーの傾斜のことです、きっと。 
これを回避できる形状のトレーも販売されているようなので、購入を検討しています。

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ビーズ通し針は、糸にビーズを通すための針で、縫い針とは違い、極細で柔軟性があります。上画像は、スケッチブックに針を置いて撮影しています。(鉛筆で線を描いたものではないよ。)
上から「ビックアイニードル」、チューリップ「ツイストビーズ針」、河口株式会社「ビーズ通し用針」。
何処のお店 (※) でも、この3種しか見かけませんので、日本で一般に流通しているのはこの3社の物だけだと推測します。(※) 貴和製作所、ビーズファクトリー、パーツクラブ、サン・びーどる (すべて浅草橋)

ビッグアイニードルは硬い金属製で、下の2種と比べると太く、糸を通す穴が中央にあります。

針の中央部に穴があるので、糸を通すと『糸の往復+針の端』(画像 ★ の部分) が長距離で重なり、太くなる部分が長い。その点がちょっと使いづらいです。ビッグアイニードルは、細い糸を使ったビーズクロッシェ用と推測。

広島針で有名なチューリップの針は、形状記憶合金製でとても柔軟があります。糸を通して固定する部分が数回捻ってあるので、糸が上手く固定されて、抜け落ちづらくなっています。3種の針の中で、一番抜けづらいです。
欠点は、ビーズの重みに耐えられない程の柔軟性。10個20個とビーズを針に通していくと、重みに耐えきれず、柳の如く垂れさがり、作業がしずらくなります。これは極小ビーズに向いているのかなと想像。
かぎ針はチューリップのものを愛用しているので、ぜひ針も使いたかったのですが、うまく使いこなせず仕舞い込むことに。残念。

河口株式会社のビーズ通し用針は、適度な強度と柔軟性、大きめの穴、糸の固定部分 等々、欠点は見つからず、とても使いやすい針です。ビーズ編みを始めてからずっと愛用しています。この針は、お店でもよく見かけるので、愛用者は多いと推測できます。

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道具を比べる為には、経験が不可欠で、自分に合う道具を選ぶ為には、スキルにゆだねた判断が必要であると思います。そして、道具を使いこなすということは、スキルとその判断の正誤を、常にジャッジし続けることであると実感しています。

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2017年晩秋に出会ったビーズ編みに日々精進しています。

見つけてくれて、ありがとう!
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