技術に関する幾つかの書付 - がま口の基点の見つけ方

がま口の口金の『基点』の見つけ方について、自己流の方法を記してみます。

左の四角い口金には、角 (かど) があります。本などを見ると、この角を基点にして型紙の修正を指示しています。
しかし、右の丸い形の口金には角がありません。これでは基点がわかりません。この丸型の基点の探し方を記します。

まず、なぜ、角を基点にするのかというと、ここから「開くために必要なマチ」が始まるからです。

上画像は、角型紙袋に四角い口金を当てた、イメージ画像です。「開くために必要なマチ」が角を基点にして始まっているのが理解できると思います。
四角い口金の縦の部分に「開くために必要なマチ」があることが分かります。
丸い口金のどこから縦になっているのか分かれば、この角 (基点) も見つけ出すことが出来ます。その方法は、以下の通りです。

口金の丸みに接するように対角線を引き、この対角線に最も接する点が「基点」です。

製図だと上の通り。

それでは、この基点を使った『原型』の描き方を以下に記します。
どのくらいの分量を「開くために必要なマチ」に付ければいいのか、検討するには以下の方法を試してみてください。

まず、袋 (物を入れる部分) の形状を考えると共に、口金がどのくらい開くケースを作るのかを設定します。
化粧ポーチのように物をたくさん入れ、手がケースの中に入り込むくらいのものが理想なら、大きく開いた方が使いやすいですし、小銭入れのように小さいものだったら、あまり開かなくても済みます。入れる物と使う状況を決めておくことが大切です。

この理想の開き具合を、実際に口金で開いてみて、分度器で測り角度を求めます。この角度を開きの目安とします。画像は 70度。

ここで導き出した角度を開いていきます。

センターライン (真ん中の縦線) と口金の先 (蝶番) を結ぶライン (横線) が交わる十字線を引き、口金を写し取り、基点を決め、基点から下に向かって線を引きます。動かすのは赤い部分です。

袋の部分は、上画像のように直角に交わる四角形に引きます。口金部分の操作終了後に袋をデザインしていきますので、この時点では、作りたい形に近い大きさで描いておきます。

型紙は片側しか描かないので、求めた角度を2で割り、半分にして開きます。分度器で 70度と決めたので、ここではその半分の 35度 を開きました。

開くとこんな感じ。
画像では、分かりやすいように実際に切って開いています。
口金部分がカモメのようなラインになるので、口金の形に似たきれいなラインに修正します。長さの修正もここで行います。

次に、袋の原型となるラインを引きます。

袋部分をデザインするための目安のラインです。
フラットケース (平たいケース) の場合は、こんな感じ。
※口金のラインを修正した後に線を引いてください。

厚みのあるケースを作る場合は、こんな感じ。
これらを原型として、袋部分をデザイン通りに製図してください。

あまり好ましくないのが、画像のように横に張り出すライン。

グレーで塗りつぶした三角形の部分が死角になります。物が入り込んだら取り出すのが大変な形状なので、張り出したい場合は、死角があまり出来ないようにしたほうが親切だと思います。

横にふっくら張り出したケースを作る場合は、口金を大きく開くように型紙を開くと、自然と横へ張り出します。
ワイヤーポーチ (ワイヤー口金) や、ビーズ編みのがま口などは、口金を全開の 180度 (製図では半分なので 90度) 開いた形です。

180度 (90度) 開いたものに口金を付けると、横にぷっくり張り出します。

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これらの工程はあくまでも自己流の方法です。
がま口製作を習ったわけではなく、既製品のがま口ポーチを切って分解し、何度か製図しながら自分なりに手早く簡単に型紙を引く方法を模索し出来た工程です。
製作方法は製作者の数だけやり方があり、唯一の正解はありません。ようは、美しく使いやすく出来上がればいいのです。

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2012年から2017年までやっていた縫製活動期にブログとサイトで公開していたものを、再度掲載しました。
写真が暗いので、いつか撮り直して、見やすくしたい。

(追記) 2019年5月17日 - 必要のない文章を削除。一部、分かりやすい言い回しに訂正。

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2017年晩秋に出会ったビーズ編みに日々精進しています。

見つけてくれて、ありがとう!
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