イトノパースを説明する言葉 - 整合と不整合

かぎ針編みでビーズを編み込むと、編み目の裏側にビーズが配置されるのが分かります。奇数段を編んだらひっくり返して偶数段を編む平面編みでは、一段抜かしでビーズが入るだけで、片面一面にビーズを入れることは出来ません。

したがって、ビーズ編みは筒状に編み、常に片面(裏面) が表に出るように編みます。(形やビーズの入れ方により例外もあります。)

また、上段への移動の際に入れる「立ち上がりの鎖編み」は、ビーズ編みでは入れません。

全面にビーズを入れ込む場合などは、この立ち上がりの鎖編みの部分だけビーズの無い余白が出来てしまいます。これにより、ビーズ編みは、立ち上がりの鎖編みを作らずに、ぐるぐると編み進めていきます。(形やビーズの入れ方により例外もあります。)

この立ち上がりの鎖編みを作らず、ぐるぐると編む方法だと、段が変わる部分 (最終面から最初面への境) で、ビーズ並びにズレが生じます。
「面」の解説はこちら。

上画像、共に「2粒の斜線」という同じ編み図のものです。個体差はありますが、ビーズが同じ並びで入っているのが分かります。しかし、これら2つの8面と1面の境を見てみると以下のようなビーズ配置になります。

左のものは、ビーズが規則正しく2粒並んでいますが、右のものは、ビーズの配置がやや歪んでいます。ビーズが1粒しかない部分もありますし、2粒のビーズが接していて4粒並んで見える部分もあります。これは、8面と1面の境の編み図のズレが引き起こしたビーズの歪みです。
弦倉が作るイトノパースの解説では、このズレを「不整合」(ふせいごう) と表現し、ズレが生じないビーズ配置を「整合」(せいごう) と記します。
したがって、左は「整合」、右は「不整合」となります。左のように、整合させるためには、編み目に少しばかりの操作をする必要があります。右のものにはそれをしなかっただけです。

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上画像は下田直子さんの『ビーズ編み 復刻版』の作品番号1の編み図の一部をお借りしました。とても分かりやすい整合のさせ方です。
側面でビーズを交互に配置するため、底の最終目に減らし目を一回だけ入れて、それ以降の目数を奇数にしてビーズの配置を整えています。
これを言葉で表すと『8面での減らし目による整合』という文章になります。
※『8面』とは、最初に糸で作った "わ" の中に編む細編みから広がる面を指します。"わ" に細編みを8つ編むと、八角形をした円が編み上がります。6つだと六角形の円が編み上がるように、一番最初の "わ" に編む細編みの数は、面の数として捉えることが出来ます。 →「面」の解説はこちら。

この「2粒の斜線」では、1面に増し目を加えてビーズ並びを整えているので、『1面での増し目による整合』となり、増し目を加えないと右のような歪んだビーズ配置になります。

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この「整合」「不整合」という言葉は、地層の様子を指す時にも使われる言葉のようです。

上画像は、秩父札所参りで行った、札所四番金昌寺の奥の院をそのまま進むと見られる地層です。ここで「不整合」という言葉を認識しました。
ミルフィーユやパイ生地で比喩される地層は、水中での沈殿作用によって作られます。地面が水面より上になると沈殿はなくなるので堆積は終わり、雨風の浸食により地面の表面が削られます。そして、地殻変動で再び水中に戻ると、また沈殿が始まり堆積されていきます。
上下の地層の境となる空白の年代は、地面が水面より上にあった時代という事だそうです。 逆に、上下の地層の年代の時期は、この土地は水中にあった (海だった)、ということが分かります。このような上下の地層が合致しないことを「不整合」と言うそうです。
画像の中央に描かれた長く白い線が合致しない地層の境です。(この線は私が入れたので学術的に正しい線ではありません。)

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話はだいぶ変わりますが、地層の不整合が見られる秩父札所四番金昌寺には、マリア観音と呼ばれている母親と子を表した慈母観音があります。隠れキリシタンのための仏像でしょうか?

お堂に安置されてるので、すぐ見つかります。
この慈母観音がマリアである所以は、大天使ミカエルも一緒に彫られてるからなのです!
どうぞ、大天使ミカエルをご覧ください! 

大天使ミ "カエル" です!!
砂漠に棲むフクラガエルっぽいですね。ぴーって鳴きそうです。かなりふくよかなこのカエルが大天使ミカエルを表現していると言われています。まあるい体には、満足に食べられるようにという、食への願いが込められているのでしょう。
このカエル (大天使ミカエル) は、慈母観音が座ってる蓮華座の下の方にいます。

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