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このヘアカラーは【ブリーチあり】【ブリーチ無し】違いがわかりますか?

操作イトウです。今回は、ヘアカラーと写真についてのお話。

Instagramやネット上の写真を選び取って、「このくらいのヘアカラーなら、会社でも浮かないだろう」みたいな写真を美容師さんに見せたものの、
「これはブリーチしないとできない」とか、
「これは画像修正してるから」とか、
言われたことはないですか? 

ヘアカラーは特に、お客様との「印象のすれ違い」が起きやすいところです。
お客様の「こうなりたい」は、写真の方が圧倒的に伝わりやすいのですが、それでも一般の方には、美容師が判断している「写真の見え方」の違いが分からない部分だと思います。

「アッシュ」系の違い、分かりますか?

写真で見た時の差が大きいのが、「アッシュ」系です。そこで、写真を見比べられるように、ネット上から用意してみました。

下の8枚の写真は、全て「アッシュ」系のヘアカラーが施されています。
ですが、この中には【ブリーチしているヘアカラー】と【ブリーチしていないヘアカラー】があります。
この違い、見分けられますか?

これは、[現役美容師]である僕の見解です。本当にブリーチしていないかどうかは、その人のみぞ知るところですが。

灰色っぽく見えるのが、「アッシュ」系

※これらは全て拾い画です。ご容赦ください。
※拾い画をそのまま使用しているため、画像修正されている事もあります。そのため、実際の見え方とは違う可能性もあります。


正解は、
【ブリーチしているヘアカラー】 ① ② ⑤ ⑥
【ブリーチしていないヘアカラー】 ③ ④ ⑦ ⑧
です。

つまり画像の左半分がブリーチしていて、右半分はノンブリーチです。
全然分からないですよね。特に②や⑦は分かりにくい。

お客様と美容師とでは、見えている色が違う?

髪の色は、スマホ越しで「写真」として見るのと「肉眼」で、色が少し違って見えます。肉眼で見る髪色は、実物の方が派手に見えたり、逆にスマホの方が発色が良く見えたりします。

これは、もちろん画像修正による違いもあります。ほとんどのスマホのカメラは、自動でキレイに見えるように色補正されています。そして今や写真は、エフェクトをかければ「昼の写真」を「夜の写真」に見せることだってできます。

とりわけ美容師は、肉眼でもスマホ越しでも沢山の「髪の毛の色」を見てきているので、細かく識別できるように目が訓練されています。
それはスマホ越しでも、「肉眼とは違って見えやすい」ポイントを覚えているので、経験ある美容師さんであれば、得意不得意の差はあっても、ほぼ識別できるはずです。

光が違うと、違う色になる

「ドレスの写真の色が、人によって違う」とメディアでも話題になりましたが、人によって「今見えている色」が、人と違うこともあります。

有名になった、「この写真のドレスは何色?」のやつ↓

これらは「光の当たり方」の影響が強く出ています。
髪の毛の色の見え方にも大きな影響のある「光」。それは「私が今いる場所」によって、色が違うこともあります。

例えば「洗面所で鏡越しに見る」のと、「薄暗いお洒落なカフェで見る」髪色は、かなり違って見えます。
理由は「照明」の違いです。多くの洗面所は「蛍光灯」が使われ、お洒落なカフェでは「電球色」が用いられます。

【蛍光灯】洗面所で鏡越しに見ると。

蛍光灯は「日中の太陽の光」に近い効果があります。色がパキッとして、ハッキリ見えやすく、色が「正しく見えている状態」です。
「昼白色」や「昼光色」などの種類があるそうですが、僕は専門家ではないので、割愛。

蛍光灯は、清潔感がある

【電球色】薄暗いお洒落なカフェで見ると。

対して電球色は、「夕焼けの光」といったところ。柔らかく黄色味がかって見えるようになるため、見えているもの全てが黄色とオレンジベースに見えるようになります。

電球色は、リラックスを誘発する

詳しくはコチラを↓

髪の毛の「茶色」と「黄色」にまつわる3要素

髪の毛の色は、ざっくり言うと「茶色」と「黄色」に分かれます。
一口に「茶色」といっても、赤っぽい茶色、黄色っぽい茶色、緑っぽい茶色、青っぽい茶色、と、かなり幅広くあります。
アッシュ系が分かりづらい理由についてを、この髪の毛の「茶色」と「黄色」にまつわる3つの要素で解説します。

茶色の幅はめちゃめちゃ広い↓

①「アッシュ」「マット」って何色?

美容界では「アッシュ」は青、「マット」は緑だと認識しています。

『茶色い青』『茶色い緑』は、髪の毛で言うと西洋人風に見える、くすんだ印象の茶色です。印象として「灰色」っぽく見えるようになり、髪の毛が軽やかで、柔らかそうに見える特徴があります。

くすんだ印象の茶色。赤が少なく、青が多い

ですが『茶色い赤』や『茶色いオレンジ』『茶色いピンク』は見た目に分かりやすいのに対して、『茶色い青』『茶色い緑』は、パッと見て色味を認識しづらい。
「灰色」っぽく見えているため、比較してよ〜く見ないと、青や緑に見えてこない。色彩を勉強してない人にとっては、ただの茶色にしか見えません。

そして『茶色い青』『茶色い緑』は、馴染みのある言葉が無く、表現しにくい。そのため、いつからか美容界では「アッシュ」は青、「マット」は緑と呼び分けるようになりました。

詳しくはコチラを↓

②どこまでが「茶髪」でどこから「金髪」なのか

髪は染めると、「茶髪」「金髪」になります。ちなみに「黒髪」は、正確には「かなり暗い焦茶色」なので「茶髪」のうちに入ります。
髪の毛の明るさを示す「レベルスケール」では、13トーンまでは「茶髪」、14トーンからは「金髪」です。

ここが境目↑

③「茶色」か「黄色」かで、透明感に差が出る

美容師がヘアカラーを施す際、この髪色は下地になります。つまり、絵を描くときの「キャンパス」です。

例えば同じ色に染めても、「茶色」いキャンパスでは濁って見えやすく、「黄色」いキャンパスの方が透き通って見えるようになります。
特にアッシュは、キャンパスによって透明感が違ってしまいやすい。

そのため、
③④⑦⑧は、「茶髪」のキャンパスは濁った印象の発色をして、「茶色」の範疇。
①②⑤⑥は、「金髪」のキャンパスは透明感が出て「青、灰色、緑」に見えるようになります。つまりハイトーンで「ブリーチをしている髪」なのです。

写真を見て識別するのは、プロでも難しい

結論:美容師さんと要相談しましょう

この手のヘアカラーは、もちろんセルフカラーでは実現できないし、美容師の実力や経験値が問われる技術でもあります。
色持ちが良くなかったり、ダメージを負いやすかったりと、デメリットも多くあります。そのため、美容師さんとの相談は必須です。

この記事が「相談に時間を割いて聞いてくれる」美容師さんや、「質問しやすい」美容師さん、そして「たくさん質問に答えてくれる」美容師さんに出会えることの手助けになれば、幸いです。


ではまた。

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