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「ヘナカラーは賛否両論」美容師が全否定!そのデメリットとは?【白髪と共に生きる④】

操作イトウです。
今回は【白髪と共に生きる④】、ヘナカラーについてのお話です。

前もってお伝えすると、僕は否定派です。僕の知見から、「ヘナカラーをどうして使いたくないのか」についてお話します。
僕自身は全くヘナカラーを使わないので、めちゃめちゃ詳しい訳ではありませんので、偏見が強い表現になるかもしれません。

とはいえ、僕だけの意見はフェアではないので、詳しく掲載されていたページを載せておきます↓

【白髪と共に生きる】シリーズはコチラ↓


◾️ヘナカラーのメリットは、髪が傷まないこと

「ヘナカラー」は、植物由来の天然成分を使ったカラー剤のことを指します。とりわけ白髪染めに用いられることが多く、化学成分を含まないため、自然派思考の方に好まれます。

ヘナカラーの最大の特徴は、「髪がダメージを受けない」ことです。
ケミカルによって髪にダメージが加わる「一般的な白髪染め」とは違って、天然成分で着色するヘナカラーは、ダメージどころかトリートメント効果も見込めます。

そのため頭皮への刺激も少ないとされ、ヘアカラーのアレルギー成分に反応してしまう人(ジアミンアレルギー)への解決策にもなります。

ヘナカラーは粉末状で、水に溶かして利用する↑

◾️ヘナで髪の毛が染まる仕組みについて

まず、ヘナカラーの仕組みについて解説しましょう。「ヘナ」と聞いて、まずイメージしやすいのは「ヘナタトゥー」です。
ヘナタトゥーはオレンジ色に染まるのが特徴です。この見た目通り、ヘナはオレンジの色素の天然成分です。

ヘナタトゥーは着色後1〜2週間はキレイな状態で、徐々に薄くなり、次第に無くなっていきます。人体に害がないので、子供にもできるそうです。

▼「オレンジ + 青」で白髪染めになる

ヘナだけで髪を染めると、発色の強いオレンジ色に染まります。そのため、これでは白髪染めにはなりません。

一般的なヘナカラーの白髪染めには、これに「インディゴ」という天然の色素を混ぜています。ジーパンや藍染めをイメージするとわかると思いますが、「」の色素です。

ヘナの「オレンジ」にインディゴの「青」を混ぜると、色彩を失って「黒ずんだ色」になります。
これは、色彩学の「補色」という法則を利用しています。「赤 + 青 = 紫」など「色の組み合わせ」には法則がありますが、補色の組み合わせは、混ぜるとお互いの特徴を打ち消し合う関係性があります。

つまり、ヘナカラーはこの「黒ずんだ色」の効果を利用して白髪染めをしているのです。

◾️【美容師が全否定】ヘナカラー5つのデメリットとは?

さて、ここからは否定派の見解として、ヘナカラーのデメリットを5つに分けて説明していきます。

①染まるまでに時間がかかる

まず、一般的な白髪染めは放置時間(染まるまでの時間)は20分ほどとされています。薬剤の進化も相まって、早く染まる商材や、低刺激な商材などもあります。

対してヘナカラーは、美容室での施術で40分〜60分が目安です。時間をかけた方が染まることもあり、セルフカラーでは必要に応じて3時間以上放置することもあるそうです。

②染まりムラになりやすい

ヘナは粉末を水に溶かして利用するのですが、よくかき混ぜないとムラが生じやすく、染まり具合にブレが生じやすくなります。また天然成分のためか、商材自体の染まり具合も安定感を欠いてしまいやすいです。

ヘナカラーは安全性が高いことから、セルフカラー向けに販売されることも多く、利用する方も非常に多いです。
ですがセルフカラーで行うと、特にムラになりやすい。巷には、セルフでヘナカラーをして「根元がオレンジ、毛先が黒い」方をよく見ます。

根元はセルフで薬を塗布することが難しく、上手く染まらないとオレンジになります。
そして毛先が黒々するのは、セルフで何度も繰り返しているうちに、毛先が濃く染まるからです。根元に上手く塗布できなかった薬は毛先に伸びているので、2回目以降の「すでに黒く染まった毛先」を繰り返し染めてしまっているのです。

③染められる色が制限される

ヘナカラーで染める色は、バリエーションが非常に少ないです。

それ故、美容師が様々なヘアスタイルを提案したくても、「ヘナを使う」となると、できることは限定的になります。
理由については後述しますが、染まった色が限定的であるほど選択肢は狭まり、ファッショナブルな印象にすることも難しくなります。

ヘナカラーのオレンジと、ヘナを塗布している図↑

④天然成分だからといって、「絶対安全」とは言い切れない

「オーガニック的な思想」が世間にも広まって久しい現代。化粧品や食品をはじめとして、自然派のものは礼賛され、ケミカルなものは懸念されがちです。

そんな「安心、安全」なイメージが強いヘナですが、その天然成分に対して過敏な反応が起きる方もいます。
花粉症など、特定の植物に対するアレルギー反応が起きるように、「天然成分だから絶対安全」というのは神話に過ぎません。

⑤「やってみたけど、もうやめよう」が難しい

美容師がヘナカラーに対して一番懸念している点は、「ヘナで染めたオレンジを抜くことが困難」なことです。
この理由も後述しますが、ヘナで染めた色素は髪に強力に残留し続けるため、それを無くすことは困難を極めます。

そのため、例えば軽い気持ちでヘナを試した後、気に入らずに辞めようとしても、その「ヘナの履歴」が色濃く残ることから、その後も「ヘナで染めた髪」と付き合わなければならないのです。

つまり、簡単に「やっぱ、やーめっぴ!」ができないのです。
ここについて、深く解説します。

◾️【美容師最大の悩み】ヘナはブリーチでも取れない

「やっぱ、やーめっぴ!」ができない理由は、オレンジの色素が非常に強く、色が抜けないからです。仮に、ヘナで白髪染めをした髪にブリーチをしても、発色のいい「ヘナで染めたオレンジの髪」になってしまいます。

「ブリーチ」は美容室に常備される薬剤の中でも、最も強い脱色力を誇ります。もちろん、ブリーチを数回重ねれば徐々にオレンジは抜けますが、先に髪の毛がダメージ過多でダメになってしまうので、解決策とは言えません。

更にオレンジが強いことで、他のヘアカラーにすることもできなくなります。「オレンジの下地」に他の絵の具を乗せても、思い通りの色にできないのです。
そのため先述した「③できる色が制限される」は、ヘナをやる前も、やった後も強く影響するのです。

▼ヘナタトゥーは無くなるのに、なんで髪のオレンジは消えない?

これについて、「ヘナタトゥーみたいに無くなるんじゃないの?」と考える方もいるかと思います。
ヘナタトゥーは先述した通り、徐々に薄くなり無くなっていきます。

これは、「髪の毛」と「肌」とで、ターンオーバーの仕方が違うからです。
ヘナタトゥーの場合、染めた「表層の肌」はターンオーバーすることで、徐々に色が抜けていきます。これは「色素が抜けた」と言うより、「時間が経って、表層が剥がれて無くなった」と言う方が正しいです。

対して髪の毛は、新しい髪が生えてくるのは根元です。ヘナで染めた毛先は、切り落とすまで残るのです。それ故、ボウズにすれば解決!と言えるほど簡単ではありません。

◾️ヘナでお客様が気に入っていればオッケー、しかし…

とはいえ、僕は美容師として「お客様が気に入れば、どちらでもオッケー」だと思っています。それぞれのライフスタイルや思想に合ったものを利用することは、豊かな生活につながります。

ですが、実際にヘナをされている髪のお客様が「知らなかった」という場面に接する機会も、少なからずあります。
ヘナを扱う美容師さんは、先述した「ヘナにまつわる前置き」を必ず説明しているかと思いますが、お客様に正しく伝わっていないようにも感じます。また、ヘナはセルフカラーのシェアも多いため、このことをよく理解しないまま利用している方も多く見られます。

美容師からすると、染まった髪に対してできることは限られるため、ほとんど「切り落とすまでの応急処置」しかできません。

お客様が「より良いもの」を求めるのも当たり前の原理ですが、あらゆる薬剤にはメリットとデメリットが混在しています。この記事が、少しでも判断材料になればと思います。

ではまた。

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