いとバイ通信 2-24

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食料自給率を考える

世界規模の感染症や災害などの異変に対応するには食料自給率の向上が必要であることをコロナのことを考えた前回に言いました。食料自給率を上げなければならないそのほかの理由について私の考えを書きます。

食料貿易のビジネスが世界の人々の環境破壊と格差拡大を生み出しています。日本はGDP総額世界3位の国ですからお金で世界から食料を買っている国です。日本は工業製品などを輸出して食料を購入しています。食料とは金で気軽に世界から買っていていいものなのでしょうか。

農畜産物は生産するために自国の水を使っていますから貿易品の食べ物はその国の水を使って生産されています。国によっては水が不足している国も多くあります。多分日本のように恵まれた水環境の国は珍しい国なのです。

ちょっと前のNHKの番組で紹介されていたのは南アフリカのワインを取材していました。ワイン生産者はブドウ生産に必要な水を池の単位で確保していました。一方貧しい家庭では1日バケツ2杯の飲み水しかない不自由な生活をしていました。貿易が国民みんなの幸せにつながっていない様子が垣間見えました。

畜産物は特に水を必要としています。餌となる穀物を作るために水が必要なのです。またこれら商品作物は大量生産をしますから農薬、薬品や化学肥料を使っています。穀物では遺伝子組み換え作物も多く作られるようになりました。自国民が食べない輸出作物ですからついつい安全性が軽視されてしまいます。使われている農薬や化学肥料によって国土の砂漠化を招いたりすることも悪い要素としてあります。

食料自給率が低い場合、自国通貨の為替レートが暴落するとスーパーに食料はあっても輸入価格が高騰し商品が高くなることがあるそうです。現実にレバノンがそのような状況に陥っています。

周囲の国に囲まれたスイスでは品質のレベルが同じものであれば価格が高くても国産農作物を選ぶ消費者が多いそうです。農業は自然を保全する仕事でもあります。地元の米を食べることはカエルやトンボなどの身の回りにいる虫たちを守る活動の一環と考えることもできます。

こんな意味で日本は食料自給率をもっと上げていかなければならないと思いますが皆さんはどう思われますか。

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