いとバイ通信

あなたはどちら派  

熊本の菊池市に来て10年ちょっとです。これまで目撃した野生の珍しい動物を紹介します。狸の家族(藪に入っていきました)、キツネ(トウモロコシ畑に入っていきました)、アライグマ(我が家の前の竹林から出てきました)、イタチ(我が家の庭に時々出没)、市のスピーカー放送では野生のサルが出没しているとのことです。

「有機肥料」と「化学肥料」を使う農業を比較してみます。

「有機肥料」を使う農業は農産物を成長させる役割を土の中の微生物にゆだねます。農民の役目は土の中の微生物の活動をアシストすることです。有機肥料を与えると土には微生物が増え地上にはいろんな虫が生存できるようになります。土の微生物の活躍で栄養が根や野菜の葉っぱにいきわたります。

野菜のビタミンやミネラルは有機栽培の方が化学肥料栽培より多く含んでいます。産直クラブの会員のみなさんは有機栽培の野菜の味が良いことはもちろんご存じでしょう。

土は生物たちの働きでホコホコに柔らかくなります。虫には益虫と害虫がいますが益虫が害虫を食うことでバランスが調整されますから「農薬」を使わないといけない場面が少なくなります。

有機栽培の生産者は自然の働きをサポートする仕事ですから自然に対して畏敬の念を抱いている方が多いと言えます。この野菜が消費者の健康にもつながるという確信から農作業の仕事に対して誇りを感じている人が多いのです。

「化学肥料」を使う農業が大多数の農家で行われています。人間の食べ物に例えると有機肥料は食事から栄養を摂るようなもので化学肥料はサプリをたくさん飲んで栄養を摂るようなものでしょう。

化学肥料は農家にとっては魔法の粉のようなものでもあります。野菜が早く大きく育ち見栄えもよくなります。トラクターなどによる栽培が行いやすく見かけが均一の野菜になりやすいのです。

人工的に作った土は微生物が生存しにくくなり微生物が減っていきます。それに伴って土も固くなっていきます。自然のバランスが崩れていきますから害虫も多くなることになり「農薬」を使うハメになることが多いのです。ですから化学肥料と農薬はおおむねコンビで使われています。

私たちは農業のプロではないので野菜を見ただけではどちらの肥料で栽培されたものなのかを見分けるのは難しいです。産直クラブの野菜は生産過程の情報もありますからどのように栽培されているかを知ることができます。有機栽培の葉物の野菜の場合は水につけておくとしおれた葉っぱもシャキーと生きがえることが多いようです。

日本人は農産物も工業製品と同じように見かけの美しさと均一性を重視して買っていることが多いのではないでしょうか。有機栽培の野菜は虫食いで見かけが悪いことが多いのですがビタミンやミネラルは多いし、安全でしかも美味しいのです。私たちの選び方をもう一度考え直す必要があると思います。

さて、あなたは「有機肥料」と「化学肥料」のどちらの野菜を選びますか。

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