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1.請求料金はプライドとの闘い

井徳事務所は「困っている人を助けるコンサルタント」です。一人で悩まないで相談してください。二人で考えれば必ず道は開けます。事業戦略立案、マーケティング・プランニング、企業方針の策定、それに基づくホームページや企業パンフレットの策定、商品開発、マーケティング・リサーチの企画から報告書作成、大学入試の論文添削、就活の手伝い、アメリカ理系大学院留学相談、などなど。無料で話し相手にもなります。
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 私は大学教員を定年退職後、個人事業主としてマーケティングのコンサルタントをしている。退職後のことなので、個人のポケットマネーで払える程度の少額の料金設定である。これまで長い間、仕事をさせていただいてきたので、退職後はお金目的ではなく、少しでも困っている人の助けになれば私自身の人生が楽しくなる!という気持ちからである。
 ところが困ったことができた。それはフィー(料金)をいくらに設定したらいいかで悩むことになったのだ。当初は「無料でもいい」と考えた。しかし、それはいけないというアドバイスを戴いた。無料にすると、冷やかし客がドドッと押しかけて来る可能性があるらしい。混乱を招くという。真剣に困っている人をターゲットにするには「ある程度の有料にしなさい」という税理士からのアドバイス。
 しかし、この有料というのがまた厄介である!会社勤めのころと同じ有料料金にするわけにはいかない。「ポケットマネーで対応」という私の新しいビジネスのキャッチコピーに反するし、悩む一個人が企業取引と同じ額を払えるはずがない。企業対企業だと、企画1本、数十万円とか数百万円になる。実際、私もその昔、外部の協力会社にそれくらいの金額を支払っていた。数万円なんて企業相手に存在する金額ではない。数万円なんて、アルバイト相手に支払う金額であり、企業間の取引額ではない。
 
では、いったい私はいくらに作業料金を設定したらいいのか?
 
 私の仕事には、多くの場合、原価がかからない。マーケティング・リサーチを実施したり、リサーチに取材を組み込み、謝礼を支払うことがない限り、原価は無料。ブレイン・ワークがすべてだからだ。だから安くしようと思えばいくらでも安くできる。自分の人件費を考えなければ。だから無料はないとして、数万円はありえる額である。しかし・・・、しかし・・・、しかし・・・。
 
 私のこれまでの仕事を振り返ると、企業の未来を見据え、どのような方向に進むべきかを考察し、どのような事業展開・商品展開を図るべきかを考えなければならないものが多い。これらは本来、社長が考えるべきものだ。しかし、なかなか考えがまとまらない場合も多いし、考える余裕もない場合も多い。そんなとき、傍から見ていた私のほうが冷静でいい考えを提示できる場合も多い。だから企業理念は別として、そんな企業方針や活動方針を私が代わって作成する場合もある。これらの考えがまとまっていなければ、例えば企業パンフレットもホームページも制作できない。またブランドロゴも企業スローガンも作れない。ブランドロゴや企業スローガンがないと見栄えの整った企業パンフレットもホームページも制作できない。
 
 私のところにはパンフレットやホームページの制作の依頼も多い。そのため、この企業理念から始まって商品説明まで一気通貫で原稿作成するのも私のところの仕事である。このあたりに費やす時間は膨大で、ここの料金設定が難しいと私はよく悩む。
 多くの場合、依頼者はデザイナーに支払う金額を私に提示してくる。「これじゃデザイナーに支払って終わりだな・・・」そう思うことも多い。依頼者には、私の“考える料金”を見込んでくれる依頼者は皆無。それでも私はその仕事を引き受ける。その結果、3~4ヶ月間作業をして、全く手元に何も残らないことも多い。「なんのために働いているのか・・」。そんな自問を繰り返すことも多い。そのたびに「引退した身。充実した時間が送れたからそれでいいではないか!」となる。
 
 プロは技量が高いほど値段も高い。プロ野球だって職人の世界だって、実力が高いほど売値も高くなる。価格はプロの能力の物差し。安いのはそれなりで、高額は高い専門性の表れである。プロは料金が自分の価値の全て。
 
 私は自分の作業に対する料金設定で、自分のプライドと闘っている。安い値付けは自分を安く売ることになり、「私の能力って、こんな安いの?」と落ち込むことになるし、かと言って高い値付けは自分のモットーに反する。ポケットマネーで相談できる相談所であり続けたい・・・と思うからだ。でも手元にな~んも残らないとちょっと寂しい。プロのプライドとのはざまでいつも揺れ動いている。

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