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SaaSはプラットフォームとマイクロに二極化するのか (クラウドエコノミーの5つの予測)

Bessemer Venture PartnersというアメリカのVCが、クラウドエコノミーに関する現状と今後についてのレポートを出していたので読んでみました。

へー、と思った点を5つに分けてピックアップしてみました。


(1)上場してるSaaS企業上位5社の時価総額の合計値が2008年から2020年の12年間で44.07倍増加

2008年 ($13.98 Billion)
Salesforce, Netsuite, Concur, Blackbaud, Dealertrack

2015年 ($114.98 Billion)
LinkedIn, ServiceNow, Salesforce, Netsuite, Workday

2020年 ($616.1 Billion)
Adobe, Salesforce, Paypal, ServiceNow, Shopify

という感じで推移してるようで、
2008年から2015年の7年間で8.22倍
2015年から2020年の5年間で5.35倍
2008年から2020年の12年間で44.07倍
だそうです。

へー!

(2)IaaSはAWSが依然として強いがAzureがその差を縮めつつある

やっぱAWS強いよねー、と共に別記事の紹介とともにAzureがその差を縮めてきてるよ!といった紹介がされています。

AWSがIaaSを占める割合は32.4%
Azureが占める割合は17.6%
でその差は14.8%(bvp.comより)
(bvp.comの図では、差が14.8%ですが、上記記事のCanalysの調査では、2019年のその差は15.4%、2018年は18.5%だそうです)

へーっ!

(3)クラウドは2032年までにエンタープライズソフトウェアを99%食い尽くす

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人によっては吐きそうな図ですが、エンタープライズサービスを、クラウドとソフトウェアに分けた時

2020年現在
クラウド 30%
2025年
クラウド 50%
2030年
クラウド 75%
2032年
クラウド 99%

といった推移をするそうです。2030年から2年間なにあったん、って思いますけど。

確かに、オービックさんの奉行シリーズとかをソフトウェアで使用していて、DX推進する際にそれが結構ネックみたいなことよくあります。
「え、どうしよ。とりあえずRPAでなんとかします?」
みたいなことたまに思ったりします。

データインテグレーションの必要性高まれば高まるほど、ソフトウェア鬱陶しくなるんだろうなあ、と思うので、クラウドの侵食というのはごもっともで、むしろまだ30%なんだと驚きました。

へっ!

(4)クラウドエコノミーの必勝はスケール、つまりゴリラゲーム

ゴ リ ラ ゲ ー ム!!!!!

マーケットの50%以上取ってうほうぜ、ってことですね。

そっからさらにTAMぶち上げるためにSecond Actsが大切だよ!ってあったんですが、まずは先にGTMしてから考えます。

うほっ!

(5)B2Bのトランザクションはオンライン化する & APIがクラウドのイノベーションを加速させる

このエントリの本題はここで、

この記事にもあるようにAPI市場は2018年で2.2兆ドルあり、さらに2,3年でAPIを開放する企業は150%にまで増加するそうです、多分母数書かれてるだろうレポートが404でした。。。。

APIに関しては、国内でもZapierなどのiPaaSの認知度も上がってきてくるなど、APIの用途に関する想像期待値爆上がりなんではないでしょうか。

API連携でスケールするSaaSたち

Slack、Airtable、dashdash、RetoolといったSaaSは、API同士をつなぎ合わせて一連のワークフローを作り上げるというPaaSの設計をフル活用しており、ひと昔前でいうアドオンやプラグインといった概念に近いかもしれません。

こうしたプラグイン的な設計が良いところは、Baseのプラグインプラットフォームなんかがわかりやすいと思うんですが、
「必要な機能を必要な分だけ外部から調達してきて追加する」
という使い方が出来、最初から機能マシマシしてサイト全体のUI/UXが複雑になりすぎる、という問題を回避して、高機能を謳えます。


スマホゲームでもそうですが、最初から出来ることが多すぎるとユーザーが混乱するので、レベルアップ等でユーザーの習熟度に合わせて遊べるパターンを増やすってのがオンボーディングさせる際の鉄則かなと思います。

Micro ServicesとしてのAPI

こういった、APIを組み合わせて1つのサービスとして開発することをマイクロサービスアーキテクチャとか言うと思います。

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stripで決済できるし
AirtableでDBできるし
webflowでフロントエンドできるし
hunterでメーリス集まるし
sendgridでメール送信しまくてるし
さらにSalesforce使わんでも、AirtableかSpreadsheet上でMA、SFA、CRMできるやん
という「コード最小限API最大限」という発想でサービスを作るというものです(あ、この言葉うちの会社のポリシーでもあります)。


SaaSはプラットフォームとマイクロの2つに分かれる

というわけで、
・APIがクラウドのイノベーションを加速させる
・マイクロサービスの認知度がさらに広がる

という状況がくる、と考えると

Slackやwebflowといった、マイクロサービスのUI的な基盤になるプラットフォーム型のSaaSと、
その部品となる単一機能のマイクロ型SaaS
に二極化し、中途半端なオールインワンは、クラウドがオンプレミスを淘汰するのとよろしく衰退していく未来ありえるよなあ、と思っています。

ジャンルごとにプラットフォームを分類するとすればこんな感じ??
・workflow → Zapier
・LP → webflow, STUDIO
・web service → bubble,Adalo
・App → AppSheet, GRID
・Dashboard → Retool
・SFA → Salesforce??,Mulesoft??
・Accountinng → snaplogic??

オールインワンSaaSは「バーベルの中間」?

Zapierを使っていたり、API使ってて思うのが、
iPaaSという視点で考えた時、
低価格で単一機能なSaaSのほうが絶対使用頻度高くなるし、

"そのSaaS"の"特定のその機能"だけ使いたいのに月額49,800円な上に契約するまでに営業マンとの打ち合わせ挟まないといけないって考えたら個人的にはゾッとします。

APIリストなどを眺めていると、わりと各社プラットフォーム目指したいのか、マイクロ目指したいのかハッキリしたサービスが増えたと思います。

ひと昔前にwebメディア論で話題になったバーベル効果に少し話が似ているのかなあとも思います。

うほっ!




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