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現実写真

久しぶりの撮影会だった。カイロを肌着に二枚貼って、寒空の下お気に入りのワンピースにボリュームのあるペチコートを合わせて。撮影会が始まる前から街のガラスに映るワンピースを見て、『今日はなんだかデートにでも行く日みたいだな』と思った。それくらい昨日の私の格好はドレッシーだったと思う。

撮影会が始まって、ファインダー越しの世界を見せてもらう度、感嘆の声が出た。あぁこの人の世界はこんな感じなんだ、私を写し出してくれるのが有り難いなぁと思うばかりだった。

こういう写真が撮りたい、そんなわがままにも付き合ってくださったり、逆にこういう写真が撮りたいんだというリクエストに応えたり、あまり行かない場所だったので不慣れではあったがとにかく楽しかったのを覚えている。どの方も記憶に残る撮影だった。

写真は私の、全てとまではいかなくともあらゆる細部を写し出す。自撮りとは違う。私の目も、目が片方隠れる髪の毛も、小さなしみも、ほうれい線までも。それらは全て現実だ。加工をしない限り、写真は嘘をつかない。

だからこそ、そんな写真たちを心から美しいと思える。
胸を張ってそう言えることが、私は嬉しい。

お写真:@tomyMH さん

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