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やることなんていくらでもある

去年、都内で引っ越しをした。
新居では、しばしばポルターガイストの様な現象に出くわす。

引っ越して1か月ほど経ったころだろうか。
午前5時前ごろ、尿意で目が覚めた。
明け方は眠りも浅く、11月ともなるとだいぶ朝晩冷え込んでくる。
こんなふうに目が覚めるのはおかしなことではない。だからこそ、普段とは違う光景に気が付いた。

カーテンが開いているのだ。

自宅のカーテンはとてもかわいいので、わたしはそれをファブリックパネルなどのインテリアと同等に扱っている。寝ぼけていても、開けることはない。かわいい柄で壁をいっぱいにしていたいが故に、普段から”開ける動作”を行わないから。

なのに、開いている。
びっくりした。なんで開いてんの?!
へんなの、と思いながらカーテンを閉めた。


勝手に開いてた案件はもう一つある。

わたしの住まいには、窓シャッターがついている。
前述した通り引っ越してから最近にかけては冷え込みがすさまじいので、
基本的に日が暮れる前に窓シャッターは閉めてしまう(少しでも冷気をふせぐために)。
操作棒が室内にあり、つめたい空気を浴びなくて良いのが最高だ。

ありがた~い窓シャッターにも、少しだけ難点がある。
光をさえぎってしまうという点だ。
夜が明けて、太陽がでてきても、家の中は暗いまま。
他の細長い窓から日が差すころには、遅刻確定の時間になっている。
朝起きるための要素として、朝日を頼ることはできない。アラームで起きねばならない。

しかし、冬の初めのある日、私は外の明るさで目を覚ました。
シャッターが開いていたから。
さすがに寝坊したか……とげんなりしながらスマホを見たが、全然寝坊じゃない。
昨夜閉めたはずのシャッターが、開いていたから。

ここまではぎりぎり、「閉め忘れたんだろう」でなんとか腹落ちできないことはない。
しかし、ありえないような、納得感のないような、他の出来事も起こっているのだ。

ぴかぴかに掃除をしたあと拭き上げた洗面台に、ナゾの茶色い液体が落ちていたり、
安定感のあるお風呂場の棚から、小物が落ちたり、
夜中の1時に、メゾネット階段部分の人感センサが反応したり。

とりわけわたしが驚いたのは、この間のお正月、初詣から持ち帰った破魔矢の紐がぷつりと切れていたこと。
鈴とか絵馬とか、タグみたいな紙とかいろいろついているが、そのうちの一本が切れていたのだ。結び目がほどけた様子はなく、切れていた。怖い。

ちょうどいろいろ起こりすぎていて「何かいるのでは?」と思い始めたころだったので、さすがの私もすこしおびえた。でも、大島てるの物件公示サイトを見ても、自宅は燃えていないし。なんなんだ。

まあそれにしても、掃除したての場所を汚されたのは腹が立つ。
霊感がないので何かを感じることなどはとくにないが、生活の邪魔はしないでほしい。
というか、家に居座ってるんだったら家賃を払うとか、シンクにたまってる皿を洗っておくとか、郵便物を仕分けして必要なものだけわかりやすくまとめておいてあげるとか、そういう気づかいはないのか?
そんなんじゃ居候はやっていけないわよ!
ねえ!いたずら好きのだれかさん!

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