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わたしの五日市めぐり「戸倉の水」

戸倉の城山山頂から少し下りたところに、普段は枯れた古井戸があります。雨が降った後、土から水が染み出し、一滴一滴落ち、井戸となることをご存じでしょうか。

戸倉は水に恵まれた里で、城山より湧き出す清水は、古くから地元の人々によって大切に管理されています。その戸倉の湧き水を大切に使い、明治17年(1884年)から日本酒を造っている酒蔵があります。「喜正」の名前でお酒を造っている野崎酒造です。城山の湧き水を引き、酒米「五百万石」などを使い、大事に丁寧な日本酒をつくっておられます。

喜正の味は、沢の水のような飲みやすさがあげられます。本醸造酒をはじめ、個性的な純米酒、料理に合う吟醸酒、完成された純米吟醸酒などがあります。残念ながら、蔵見学はできません。しかし、酒造りをしている醸造所の近くに直売所があります。山から流れた美味しい水は、喜正という名酒にたどりついたのでした。

村井 正己:1965年東京・町田生まれの町田育ち。16歳で五日市と出会い、街の魅力に触れ、第2のふるさと・心のふるさとと自認する。映画・美術・本をこよなく愛する。好きな映画『五日市物語』。五日市ほしぞらシネマの企画チームのメンバーとして活動。

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