ザクセスを立ち上げた経緯や、今後やりたい事など

この度、タミちゃん(シャララ・栗原)と裏方のスタッフさんを誘ってお笑い関連の制作チーム「ザクセス」を立ち上げました。

立ち上げた経緯の前に、まず僕の自己紹介をすると、1991年に青森で産まれ、2001年のM-1をきっかけにお笑い芸人を目指し、2010年にスクールJCAに19期生として入学し、2011年に人力舎所属の芸人としてデビューし、そこから7年間は解散したり別コンビ組んだりライターやったりライブ主催したり…というような活動をして、今はどこにも属さずに活動しています。たまに乳桃みゆというオカマとネタをやったり、企画系のお笑いライブに出ているので僕の事を芸人だと思っている人もいるし、ライブ主催が主なので作家的な何かだと思っている人もいます。そこは全て受け手に委ねています。

上京した当時は当然の事、そこから数年間一切心の灯が消えないぐらい「絶対売れてやるぞ…」と思っていたのですが、転機が2014年でして、23歳にしてめちゃくちゃ体調を崩して倒れたりして、救急車で運ばれる事もあったんですね。その時に「あれ、これ、売れたらどうすんの…?」と思った訳です。更に「いやいや、売れるどころか、こんなんじゃ下積みも無理じゃないか…?」と。

その時に気付いたんです。今売れてる人達は、本当にバケモノである、と。売れてる人達がバケモノ扱いされてるのはてっきり「バケモノ級に面白い」と言われてると理解してたんですけど、そうじゃなくて「バケモノ級に面白い上に、メンタルも体調も良い」って事なんだ、と。

心・技・体と言いますけど、いわば面白さは「技」の部分であり、僕はお笑いにハマってお笑い芸人になりたい!と思ってから14年間「技を磨く事」しか頭に無かったんです。一切、自分のメンタルと体調の事を考えるという事をしてこなくて、しかもメンタルと体調は他人と比べにくい部分なので、中学の頃からすでになんとなく死にたい気持ちはあったけど(今は無い)「みんなも死にたいと思いながら生きてるんだろうな」とか、めちゃくちゃ体が痛いなって日も「みんなもこんぐらい痛いんだろうな」とか思ってそんなに気にしてなかったんです。その蓄積が2014年に来てしまった、という事なんですね。

で、自分がそうなった時に周りを見渡して思ったんですが、芸人ってメンタルと体調が弱ってる人って結構多いなって思ったんです。僕が倒れた時のスケジュールなんて、売れっ子からしたら「は?」みたいなスッカスカのスケジュールですよ。でも、それにすら耐えられなかった。結構そんな人って多いなと。メンタルと体調のケアを自分で出来なかったが故に売れなかった芸人なんかマジで山ほどいるんだろうな、と思う訳です。だから昔より、売れてる人って本当に凄いなと思うようになりました。あんまり寝ないであのパフォーマンス出してるって、やっぱりバケモノですよ。単独ライブの日に普通に仕事してから直前に会場入りになるスケジュールなんて、マジで考えられないですよ。

そんな壁にぶち当たり、「じゃあメンタルと体を強く出来るのか?」と自問自答した際、「それは無理だろう」と結論付けました。となると、このメンタルと体でやれる範囲で生きていくしか無い訳です。みんな、「芸人辞めます!」って言う時はほぼ「社会人になります!」ってのと同義だけど、僕はメンタルと体の面で諦めた訳ですから、社会人になるっていう選択肢も無い訳です。そもそも、メンタルが弱いから高校途中から行けなくなって中退してるから学歴も無いし。

そんな事を思いながらB'z松本に扮してご飯をよそったりしてたのですが、さあ今後どうしようと考えた時に、体調とメンタルにさほど影響が無く、やってて楽しい事で、更にお金が手に入るというものが自分にとってライブを主催する事である、というのが分かったんですね。

今まで磨いてた「技」の部分を、ネタにではなくライブに向ける事によって、圧倒的にライバルもいないし自分が喜ばせられる人の数も増えたな、と思ったんです。メンタル面も、ライブが成功するかどうかも最初は気にしてたんですが最近は気にしてないし、気にしなくなってからの方が遥かに成功率上がっています。

あと、赤字になったらどうしよう系のプレッシャーも、父親が元々スマートボールのプロ、姉が元々プロ雀士で、僕もしばらくジャグラーで生活してたというギャンブラーの血が濃く流れているので多分人よりプレッシャーが無いです。

バティオスは67000円で借りれるんですが、67000円持ってってジャグラー打つより遥かに面白いですよ、このライブ主催というギャンブルは。しかも、「このマイジャグ、BB15 RB22 G数3700だからレギュラーに寄ってんのに合算1/100じゃん」って台とかはマジで落ちてたりするんですけど、それでも1枚20円のレートは変えれない訳ですよ。ほんとは1枚100円で打ちたいところなんですよ、こんな良台。そのレートを、ライブだとチケット代を1000円にしたり1500円にしたり2000円+1ドリンクにしたり、自由自在に変えれるんですよ。言わば、裏スロですよ。昔のスロットは1日100万勝ち出来る事もあったなんて話を聞きますが、座・高円寺でチケット代5000円のライブで満席に出来たら100万勝ちも有り得る訳です。そこまで非現実的じゃない数字なんですよ、これ。めちゃくちゃ技術介入度の高い台が裏スロに置いてるみたいな事ですよ。それを合法的に、しかもそれで喜んでくれる人達がいるという素晴らしさ。ジャグラーで生活しても、誰も幸せにならないですからね。他の人の負け分を僕がぶん取ってるだけですから。しかも、大した額じゃないし。

という事で、あらゆる面で向いてるなと思ったのがライブ主催なので、10年後もやってるだろうけど、となると、ただ個人で10年やるだけじゃかなりもったいなくないか?と思ったんです。自分が頑張ってその分自分の知名度が上がっていくだけって、めちゃくちゃコスパ悪いなと。

例えば、一瞬だけオモコロで記事を書かせて頂いてた時期があって、その時に「このシステムは凄い!」と思ったのが、「オモコロ」という4文字の知名度を数十人、数百人のライターで押し上げて、「オモコロ」という知名度が上がった事により、結果的にオモコロで書くだけで見てくれる人が増える、という凄く良い循環が成り立ってるんだな、と。これが世の中の仕組みなんだ、という事にその時に気付いたんですね。よしもと芸人が全員で「よしもと」という知名度を上げた結果、「よしもと所属です」って名乗るだけで自己紹介がスムーズにいくのも同じシステムじゃないですか。どの会社もそうだし。

だから、そういうのを作るべきだなと思った訳で、それが「ザクセス」だという事です。僕とタミちゃんと裏方さんで「ザクセス」という4文字の知名度を上げる事により、そういう効果を狙っていくという事です。別に、方針とかも特に無いですし、個々のライブに口を挟むとかも無いです。ただただ僕たちのチームに「ザクセス」という名前を付けただけです。それだけで効果がある、と踏んでいるので。

何より、1人より遥かに出来る事増えますよ、やっぱり。1人で月10万稼ぐより、10人で月100万稼いで10万ずつ分配する方が絶対に楽なんですよ。案件の規模も違ってくるし。YouTuber10人が各々のチャンネルで動画投稿するより、10人集まって1つのチャンネルに投稿した方が合計の収益は絶対に増えるじゃないですか。

あと、よしもと芸人ってオファーかなり難しいんですよ、個人だと。昔、芸人オッケーなのにマネージャーNGって事があったんですね。そういう時のためでもあります。

そして、信頼出来る事務所のマネージャーさんに「“そういうの”を作った方が良い、向いてますよ」と言われたのが背中を押してくれる形となり、「ザクセス」を立ち上げたというのが経緯です。

活動についてなんですが、ライブをやっていくのはいくんですが、まずそもそも大前提として「他のライブ制作団体と目を背けあったり、お客さんを奪ってやるぞなんて事は一切しない」というのがあります。子供の頃から思ってたんですが、「なんでテレビは、バラエティ同士で時間帯ぶつけるの?話し合ってズラせばお互い得なのに」と思っていて、日テレTBSテレ朝フジが争ってるのなんか、マジで知らんがなじゃないですか。テレビを盛り上げてくれよ、という。だから、みんなでライブを盛り上げていこうよという気持ちしか無いです。

ライブを盛り上げていきましょう、じゃあ集客の問題があるよね、どうしましょうって芸人同士で話をすると「結局パイの奪い合いに…」って話に割となるんですけど、まだ奪い合う段階に一切いないんですよ、僕らは。11/23、僕はバティオスでグレイモヤをやったんですが、北沢タウンホールではK-PROカーニバルがあって、阿佐ヶ谷ロフトではラ・サプリメント・ビバさんが単独をやってたんですよ。この3つが、全部満員だった訳ですよ。っていう事は、少なくとも同時に500人はお笑いライブを見てた訳じゃないですか。しかも、この3つのライブのターゲットはそこまで離れてない。

となると、ライブのお客さんが20人だった場合、少なくとも積極的にお笑いライブに行ってる層があと480人はいるにも関わらず、「お笑いに興味が無い人にも来てもらうにはどうすれば良いか…」って話になったりするんですよ。そういう事ではないんですよ、という事を周りの芸人にもっと細かく説明して、ザクセスのライブ以外にも全体的に集客を増やしていきたいな、と思っています。

あと、集客以外にも「1500円だと来れない人がいるかもしれないから…」って言ってチケット代を1000円に設定したりする人も多いんですけど、「1500円は無理だけど、1000円ならなんとか…」って人から1000円取るなんて悪魔ですよ。プラス交通費で。お金が無い人にも喜んで欲しいのならインターネットを使うべきだし、そもそも僕たちはお金が無いんだから、お金が無い人をターゲットにしてはいけないんですよ、絶対。

「お金がある人→お金が無い人」がマックや吉野家、「お金がある人→お金がある人」がブランド品や高級車、「お金がない人→お金がある人」がパパ活とか、この3つは成り立っても「お金が無い人→お金が無い人」だけは絶対に成り立たないんです。おそらく個人でやってるんだろうけどめちゃくちゃ太っ腹だな〜、みたいな飲食店とかってマジで軒並み潰れるんですよ。人力舎にいた時に、同期が新宿でカツカレー380円のカレー屋見つけてきて、僕ら腹ペコ貧乏芸人は大騒ぎになって、新宿fu-のベンチでみんなそこのカツカレー弁当食ってたみたいな時もあったんですけど、マジ一瞬で無くなりましたね。それぐらい安い定食屋で潰れてないところは、家族経営でそこに住んでるから家賃掛かってないだけです。カツカレー380円にして潰れるって、67000円でバティオス借りてチケット代500円にして「金無いんで芸人辞めます」って言ってるのと一緒なんです。

みたいな事も周りの芸人にもっと細かく伝えていきたいです。チケット代を1000円から1500円にすれば解決、っていうパターン多いですからね。20人で1万円違うんですよ。逆に言うと、事務所ライブとか金持ちの個人がライブやる分には1000円でも500円でも良いんですよ。事務所も「お金がある人」な訳だから、ターゲットはお金がある人でも無い人でも良い訳です。

そういう事を伝えていって、面白い芸人1人1人が「自分のライブを持っているのが普通」という状態になるのが、お笑いライブ全体で見た時に一番理想的かなと思っています。僕ならグレイモヤ、地元のツレ、喉爆発ライブなどで、タミちゃんならドーナツ伝説ライブ、イッペーライブ、バオウザケルガなど。阿久津さんならバカライブ。寺田さんなら大喜利千景。XXCLUB・大島さんなら喜利ン児や分割百物語…という感じで。客席からバスク見てて思ったんですけど、芸人の良さが一番出るライブってやっぱり芸人主催のライブだと思うんですよ。それが現段階でめちゃくちゃ少ないのが凄くお笑い界としてもったいない。超若手なら尚更で、100人入ってるライブに呼ばれるより、100人入るライブを作ってそこに出る方が圧倒的に簡単ですからね。

そういう、「面白いライブを作っていきたい!」という周りや後輩たちを、後押し出来るような存在になりたいですね。今僕がせっせと貯金してるのも、いわゆる「芸人のためのプール金」みたいな感じです。元々は、「芸人10人で5万円ずつ集めて、50万円を1つの口座に入れてお笑いのために共有すれば、もっとライブや物販を作れるんじゃないか?」と思ったんですけど、問題が3つあって、まず「声掛ける段階では怪しすぎる」、そして「誰が通帳管理するか」、最後に「そもそも5万円持ってる芸人なんかマジで少ない」という実現不可能な案だったんです。

でも、これは案としては良いと思ってて、3万円赤字出してもコツコツ返して50万に戻せば良い訳だし、物販は最初作るときに金が掛かるからここから金出して物販作って、売れたらここに戻せば良いし。まあでもそれが難しいなら、俺が1人で貯金してそういう立場になれば良いかと思ったんです。

これは、芸人の手助けという面もありますけど、長い目で見た時に自分がかなり得するんじゃないかと思っていて、例えばバティオスでライブをやりたいけど手持ちが無い人に67000円をまず貸して、ライブが成功して67000円が戻ってくると、これは「芸人に67000円融資をした」と言えるので、これを15回繰り返すと「若手芸人に100万円以上の融資をした男」になれるんですよ。僕が67000円しか持ってなかったとしても、実績に「100万円」という数字が入る。結局、凄い経歴を持っていない限り数字でしか人を説明出来ないし、世の中のほとんどが数字でしか説明されてないんです。あれだけ面白い千鳥さんでさえ、「めちゃくちゃ面白いコンビ」としてじゃなくて、レギュラー本数や年間テレビ出演数とかで紹介されるんです。

となると、若手芸人としてTwitterのフォロワー数を増やすのも、ザクセス代表としてライブの動員数を増やすのも、それは不可能だろうと判断したので、融資額とかそういう部分を伸ばしていこう、と思っています。

他にも、こういう事をやっていきたいよねみたいな事はザクセス内で話し合ってるんですが、これがほんとにめちゃくちゃ楽しいです。これだけで、立ち上げて良かったなと思います。

とにかく言えるのは、僕はとにかく体調とメンタルを最優先に考えて、無理をせずゆっくりやっていきます、という事です。実際、チーム作りましょうって声掛けたのは去年で、ザクセスって名前に決まったのは今年の1月ですからね。それぐらいゆっくりやってます。

ちなみに今年の1月、デジハリでタミちゃんと2人で名前考えてて、「キンタマプロ」か「MANCOS(マンコス)」に決まりかけたんですが、一回「ザークス」になって、でも「ザーメンセックスみたいじゃない?」ってなってザクセスになりました。今後ともキンタマプロ改めマンコス改めザーメンセックス改めザクセスをよろしくお願い致します。


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シャラ〜ぺ

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