33歳

先週末33歳になった。
高校のとき、尊敬して大好きだった先輩は23歳で亡くなった。
2つしか違わないはずなのにとても大人びて見えた先輩の時間は10年前に止まっていて、私はその止まった先の時間を生きている。毎年歳をとるときは先輩の事を思い出す。10年も経ってしまった。子どもだって産んだ。

人生のパートナーになるはずだった人からは、おめでとうの一言も無し。事前に霧吹きのスプレーボトルをプレゼントという名目で貰ったけど、よくわからない。別に霧吹きなんて要らない。
まあ、私も彼の誕生日を当日の夜まで忘れていたので人の事を言えた義理ではないけれども。

離婚をする。離婚をしたら実家に移り住む。私の経済力ではそれ以外の選択肢はない。そのために今、実家の元子ども部屋を片付けている。
片付けをしているととにかく大量に写真が出てくる。友人を撮ったものが多いけど、このあいだは珍しく自分を撮ってもらったものも発見。おそらく22歳~24歳のころの写真だと思う。

見た瞬間唖然とした。ああ、私って老けたんだと気がついた。
一言では言い表せないんだけど、ツヤというかハリというか、元気というか、勢いというか…。写真の中の私はピカピカしている。毎日の生活の中で少しずつ摩耗してしまった何か光り輝くものを、当時の私は持っている!(しかもその写真を撮ってから、既に10年経過しているという事実にも恐れおののいた。)
それに気づいてしまったのが33歳の誕生日当日の私。落ち着いてきていた咳喘息がその日の部屋の掃除のせいで悪化しさらに苦しむ未来を知らない私。かわいそうで泣けてくる。

こんなこと人生今まで一度もなかった、という不調が巨大な岩のようにゴロゴロと休む暇なく転がってきて、ギリギリで避けるものの擦り傷打ち身だらけで疲労困憊、なんとか毎週生きながらえているといった様相。
風邪は放っておいても治らない!引っ越したら子どもだけでなく、自分のかかりつけ医もしっかり探そうと決めた。年を取るということのおおまかな全容が見えてきた気がする33歳の幕開けだった。

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