ブラック企業に殺されそうになっている新社会人の私へ


やあやあ、どブラック企業に就職してしまって、

「どえらい会社に入ってしまったかも・・・・・・」

と絶望している社会人一年目のわたしちゃん。

10年後のわたしだよ。


安心してほしい、その会社はどえらい会社どころか、

ブラックホールもびびって裸足で逃げ出すほどの深すぎる漆黒の闇しかない会社だよ。

その深い闇の深淵から中を覗こうとすると後ろから突き落とされるから、

覗かないほうがいいよ〜。



しかしとんでもないブラック企業に入っちゃったよね〜。

就職活動を早く終えたすぎて、

「札幌市内から転勤がない会社ならどこでもいい!!!!!」

って思って一番早く内定をくれた会社が、

まさか社長一族しか儲からない仕組みになっていて、

他の社員は全員奴隷扱いの会社だとは、

社会経験がなさすぎた当時の私には、

就職活動時には全然わからなかったよね〜。


仕方がないよ、わからなかったんだもん。

当時はまだそんなにインターネット上に企業の情報とかも書かれてなかったし。



いやあ、思い出すなあ、あの会社にいたときのこと。


振込手数料がもったいない」、

という理由で給料は全額手渡しだったね。


給料日には必ず社長のところへ行って、

「今月もお給料ありがとうございます!!!」

って言わなきゃいけないしきたりがあったのウケたよね。

給料日の社長室にはその「お礼しきたり」を行う人の列が出来ていたね。


ボーナスをもらう時は、社長室にお礼に行くのはもちろん、誓約書を書かされたよね〜。

「今日から3ヶ月以内に退職したらボーナスを全額お返しします」

っていう誓約書だったね。

初めて見たときは笑っちゃったけど、

でもそれがあの会社の中では「普通」で、

何かと誓約書や始末書を書かされたよね。


社員旅行に行くときも、

「今から3ヶ月以内に退職したら社員旅行の金額は返金します」

って誓約書、書かされたね。

そんなに気乗りのしない社員旅行ある??????????


同期の男の子は、

社長の家の引っ越しの手伝いを休日にさせられて、

勿論残業代も出ないし、代休もなく、ただ休日に手伝わされてるだけなのに、

家具を傷つけてしまって、始末書を書かされていたね。

あれ?始末書ってなんだっけ??

社長の家の引っ越しって、業務だったのかな?????

ってなったよね。

不思議だね〜。


有給を取得するのにすら社長まで稟議を通す必要があったよね。

理由もきっちり書かされたしね。

社員のプライベートに土足で踏み込むスタイルのくせに、

社長一族は出張という名の旅行でしょっちゅういなかったよね。


土曜は隔週で休みという決まりなのに、

美人の社長秘書と専務秘書だけは、

毎週必ず土曜日も休みだったよね。

めちゃくちゃ不公平じゃない??????

って思ってたけど、

理由が

秘書は忙しいから

みたいに言われたのをめっちゃ覚えてるんだけど、

営業の私のほうが百億倍忙しいのに何を言ってるんだ????

って思ったし、今も全然納得してないよね。


でも、秘書には秘書なりの苦労があったよね。

社長のお昼ご飯、

会社で作って出してたもんね。

「そばが食べたい」

とか言われたらそばを給湯室で茹でて蕎麦湯や薬味とかと一緒に出してたよね。

なんでかわかんないけど、

社長のシャンプーとか頼まれてネットで買ったりしてたよね?

この会社における秘書って、

「会社での社長の嫁」

て意味なんだな、って思って見てたよ。


ある日秘書の子がトイレで歯を磨きながら泣いてたことがあったなあ。

秘書は社長の夜の相手をさせられる

とかいう噂もあったし、

きっとあの子もあの子で色々大変だったんだろうなあ。

夜のお相手の報酬が「毎週土曜の休み」、

ってことだったのかなあ。

「秘書は忙しい(意味深)」

ということだったのかなあ。

それなら毎週土曜休みもやむなしだね。




当時私は営業で働いていて、

帰社時間が24時を過ぎたりする日も多々あって、

かと思えば会議が朝7時とか8時からとかあったりして、

とにかくびっしり新卒なのに研修もそこそこに営業の仕事や広告を担当して働いて、

新人でも先輩たちと同じだけやることが山のようにあったのにも関わらず、

直属上司は、

「週間予定表と月間予定表と日報と週報と月報を出せ」

とか意味のない書類を山のように出すことを要求してきて、

(チェックしてなにかフォローされるようなことがあれば意味があるけどただただファイリングするだけ)

私がそんな意味のないことは後回しだと思って月報やら週報やら出さないでいると、

「書類を期日通りに出せない人間は仕事で信頼されない」

とか言ってきたりして、

「別にお前に信用されなくてもいいよ」

と思ったけど言わずに「は〜い!出しま〜す!」って言って永遠に出さなかったり、

「会議」というのは社長を入れた一回と社長を入れる前のリハの会議の二回があって、「二回も同じことやるのはクソほど無駄だしそれはもはや会議ではないじゃん」と思っていたり、

お客さんとのアポが普通に終業後や24時以降にあったり、

自分に何か予定があっても社長一族に呼び出されたら「絶対」なので、

自分にどんな仕事があって誰と約束があろうとも断って社長一族を優先しなきゃいけなかったり、

「そのネイルは社長が好きじゃないからやめたほうがいい」

とか謎にネイルまで社長好みにするように秘書から言われたり、

会議の時間変更の報告を私の上司から他の部署へ引き継がれなかったせいで、

死ね

と言われたり・・・・・・・・・・



思い出せるだけでも、かなりの数のブラックメモリアルが、あるなあ。



そして私は入社後たった半年で、

ストレスによって持病の消化器の難病が悪化の一途を辿り、

入院することになってしまうわけなんですが、

入社してすぐの、私ちゃん。


もうすでに、体調が悪いよね。

毎日お腹が痛くて仕方がないよね。


当時の年上の大企業勤務の彼氏に会社のことを話したら

「会社がそんなわけない、ありえない」

って言って信じてもらえないようなことばかりのことが毎日毎日起きる職場で、

ハイパーストレスに晒されながらも辞めようとも思わないのは、

「辞めた後のことが怖くてたまらない」

んだよね。


新卒はブランドで、

新卒で入社してすぐ会社を辞めるような人間を、

このあと採用してくれる会社なんてない、

ましてや難病持ちの女なんて、

ということがわかっているから、

辞めるに辞められないで毎日お腹を痛め続けているんだよね。


わかる、わかるよ。

すごく怖いよね。


でもね。

会社なんて辞めたって、全然大丈夫なんだよ。

会社なんて辞めたって、

やりようで、


なんとか!

生きて!

いけるから!!!!!!!!!





現に10年後の私は、

自営業ネイリストでもう6年ほど生活しているよ。



そのブラック企業を辞めたあとに持病の手術をして、

別の会社に入ったけど、やっぱり

「難病であること」を他の人に理解してもらうのは難しいし、

持病的にもきついから、

結局自営業を選択して、

勉強して資格をとってネイリストになるんだけど、

今の方が会社員の時より、

何倍も何倍も、多分数億倍は、

精神的にも肉体的にも楽だよ。


いやな上司も同僚もいないし、

好きな日時に病院に行けるし、

休みたい時に好きなだけ休める。

仕事中であっても、お客さんさえいなければ、

周りの誰に気兼ねせず、

体調が悪いときは余裕で机に突っ伏して寝れるよ。

近々お店にソファベッドも置く予定だから今よりぐっすり寝られるよ。

最高すぎない?!!???!?



会社員じゃなくなったから、

安定と保障だけは、

確かにない。

毎月の支払日が終えられると安心する生活はず〜っと続いていく。


でも、毎月決まったお給料が入ってくるわけじゃないけれど、

それに代え難い、めちゃくちゃ快適な

「自由」

が、今はあるよ。



めちゃくちゃ病んでる時期に高校の同級生と飲んだ時に、

超ギャルのまっこが言ってた、

「今しか楽しく遊べる時期ないのに、いま働いてるとか意味わかんなくない?

って言葉、衝撃だったじゃん。

あれも実は全然正解だったんじゃないかって、今は思ってるよ。



だからさ、そんなにお腹痛いのにあんまり頑張り過ぎないで。

怖いかもしれないけれど、

努力と行動で自分が食べていくぶんの「仕事」くらいは作れるよ。

会社に雇われるだけが全てじゃないよ。

死ねって言われたら怒っていいし、

言われた時点で辞めたっていいんだよ。


勿論会社にいることだってメリットはたくさんあるから、

会社を辞めても、

自分にあっている会社に入れるまで頑張ったっていいんだよ。


とにかく、

ブラックすぎる環境に身を置き続けたり、

合っていない、つらい仕事を

「怖いから」

という理由で続ける必要はないんだよ。


そんなに怖がらなくてもだいじょうぶ。


学生時代には絶対わからない、

社会に出て色々経験しないとわからない、

「向き不向き」

というのが絶対にあって、

今はそれを模索しはじめたばかりなのだからさ。


とにかくいまは自分の向き不向きを俯瞰して考えて、

自分に向いている、合っている、好きだ、

が何かを見極めよう。


その結果、自分に合ってることが何かわかって、

そんな仕事ができるようになるのも、

何もいますぐじゃなくたって大丈夫だよ。

自分の向き不向きがはっきりとわかるだけでもじゅうぶんすごいのだから。



こんなに希望のない社会の中で、

生きて働いているだけで満点だー!!!!


本当に、心からそうおもっているよ。



少しでも気楽に働いてもらえたらうれしいな。

よほどの仕事人間じゃないかぎり、

仕事なんて人生のほんの一部で、

「人生を豊かにするためにお金が必要で、そのために仕事がある」

だけなのだから。


仕事に生きるのも素晴らしい人生だけど、

仕事に殺される必要だけは、絶対にないのだよ。


本末転倒にならないように、

豊かな人生を送ることを第一にしてね。



10年後のわたしより、

新社会人のわたしへ。


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