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大島取水堰堤(おおしま、島根県雲南市)

●概要
竣功:1942年?(より以前?)  型式:G  
目的:AP(逆調整)
堤高:?m  堤頂長:?m
流域面積:?k㎡  湛水面積:?k㎡
総貯水容量:?万㎥  有効貯水容量:?万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:不可 


●参考リンク・引用


●道中

(地理院地図より。赤▲がダム堰堤、赤■が発電所。)
一級河川斐伊川、中国電力・県営・町営・農協と様々な事業者が大小発電所を。
そしてその本流において、中電管理は上流から北原・川手・湯村・日登と4基。
今回目を付けたのはその更に下流。
(Googleマップより)
下流約300m地点、赤丸部分に堰がある。
(Googleマップより)
それだけだと何て事はないのだが、水路を下って行くと、本流右岸脇に妙な三日月型の貯水池が見える。ただの灌漑堰とは思えない、という事で現地へ。
やってきました日登発電所。
左奥、下流側に小さく見える白いもの、
これぞ今回の目的地。明らかにただの灌漑堰ではない物々しさに期待が高まる。
接近。
真横。
取水口ズーム。
上部には操作盤が見え、
背中を向けた看板。
向こう側に何が描かれているかは察しがつくお馴染みのサイズ感。
別角度。ドッシリした印象のピア。
下流側の様子。
少し下ると何やら水路と余水らしき。
下流側正面に到着。機動性を活かすべきと自転車移動を選択したのが正解だった。
ズーム。奥に日登の変電設備が見える。
更に少し下ると交差点。
下流方向に水路が伸びており、目に見えぬ立体交差である事が分かる。
上流側。小山より水路。
右岸側を遡っていくと、先程上流から見えた設備。やはり中電設備。
取水口は3門。
水路は2本に分岐、左側が先程対岸から見えた水路(多分灌漑)へと続くものと思われる。
右側水路は下流へと伸び、沈砂池を経て先程の小山トンネルに突入する。
この水路には日登発電所のようにタイルでの数字表記が見られた。
元に戻って堰と越流堤の様子。
振り返った所。
右岸、更に接近。
やはり中電看板。逆行に輝くハッピーエンジェル。
そして操作盤に!
何も書かれていない事も多いこの手の設備だが、わざわざ正式名称が書かれていた!
しかも日登関連かと思っていたら、北原!
(地理院地図より)
位置関係をおさらいすると、
斐伊川本流方面の北原発放水 + 支流方面の川手発電所放水

平田堰堤

湯村発電所 & 日登発電所

大島取水堰堤
という具合。
竣功順にすると、湯村(1919)→北原(1942)→川手(1944)→日登(1951)。
現在の位置関係だけ見ればこの大島堰堤は日登用の設備に見えるが、あくまで元々は北原用の逆調整池で、後年日登発電所ができたという事で良いのかな?
にしても、「北原」は理解できても、「取水」堰堤というのが引っ掛かる…。
と腹落ちせぬまま再度下流へ。
先程の交差点に戻、水路接近。ココからは斐伊川に沿って流れる。
程なくすると小屋があり、
水路は再び地中に潜る。
280m程流れると、
例の三日月型貯水池に出る。
振り返った所。先程の小山トンネルより水量が多い。この水路には付近の谷水も流れ込んでいるらしい。
少し引きで上流側を臨む。
下流に進むと何やら設備が見えてくる。
ゲート設備のようだ。
ゲートは全開、左岸側には短径間ながら越流堤も。
下流側より。
こちらでもありがたいことに「北原発電所逆調整池」と明記されている。
(地理院地図より)
という事で、明確な結論には至らなかったが、
大島「取水」堰堤は、逆調整池へと導水する為の「取水」堰堤で、
「放水門」が逆調整池堰堤本体に当たるという事で勝手に納得した。
しかしなぜこうまどろっこしい構造なのだろうか?
下流すぐの用地は何となくつよつよ農地な雰囲気もあったし用地取得絡み?
その辺りは素人には結局分からず仕舞い。
(逆調整池上流より。右が逆調整池、左に斐伊川本流)
ともかく、本流脇に逆調整池という他では見たことが無い設備は終端を迎え、
(放水門下流側より)
斐伊川へと還るのであった…。
以上、山陰屈指の発電河川、斐伊川からお送りしました。


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