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姥ヶ懐池(うばがふところ、香川県観音寺市)

●概要
香川用水西部幹線の末端に位置する調整池。
竣功:少なくとも17世紀中頃?  型式:E  
目的:A
堤高:13.0m  堤頂長:215.1m
流域面積:?k㎡  湛水面積:0.044k㎡
総貯水容量:?万㎥  有効貯水容量:?万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:可 直下:可 


●参考リンク・引用

https://www.water.go.jp/yoshino/kagawa/pdf/panflet02.pdf


●道中

吉野川上流にある早明浦ダム。
少雨となれば話題を集め、かと思えば台風一過で一挙満水となる「四国のいのち」。
その約70km下流にある池田ダム。
池田ダムはFNAWIPを目的とした忙しい多目的ダムだが、その一つが香川用水の取水。
年間約24,700万㎥もの水が、ここから香川県へと供給され、灌漑の他、上水・工業用水として使われる。
ここには「四国は一つ」の碑がある。
元々は早明浦ダムに建てられる予定だったらしい。
どういった経緯でここにあるのかは分からないが、それだけ大きな期待を背負った事業であり、その出発地点である事を示す碑。
そんな香川用水は、北へと流れ、東西分水工により大きく東西へと流れを分ける。
そしてその西部幹線の末端に位置する調整池が、今回紹介する姥ヶ懐池。
右岸に碑文。姥ヶ懐池の名の由来として、天正年間(1573-1592)に、時の領主大平国祐が長宗我部元親の攻撃を受け落城した際、その姥が大平国祐の子を懐に抱いて入水自殺したという伝承が紹介されている。
すぐ近くに揚水機場。
堤体へと向かう。
噂に聞いた通り、見事なラビリンス式越流堤。
ゲート付きというのもポイント高し!
割と最近水位が下がった事が窺える。この日はちょうど満濃池ゆる抜き翌日であったが、後で聞いた話によれば、この姥ヶ懐池の受益地は早稲中心であり、一足先にゆる抜きをしたのだとか。
しかし見事な越流堤。
余水路。
続いて堤体方面へ。広々としており、心落ち着く空間。
朝一という事もあり、少しモヤのかかった気持ち良い初夏の空気。
池は画角に殆ど収まる規模感。
左岸には設備盛り沢山で心拍数が上がる。
下流側に鉄管が2条。手前の太い方が香川用水供給用で、奥の細い方が(多分遠方の)受益地への供給用。
吐水槽とある。設備名が振られている。こういうのは嬉しい。
下流側。
分水工。
確か…左側が池への供給用、右側が(恐らく)すぐ下流受益地への供給用で、ゆる抜きがその先にある樋門で行われる。…というような事を、たまたま出会った現地の管理者様より教えて頂いた。
別角度。奥には斜樋&水位計も見える。
下流側。手前に樋門が見える。その奥に先程見えた鉄管2条。
下流の様子を引きで。
続いて下流側へ。
堤体下流面。
鉄管がよく見える。立体交差は正義!
樋門。
先の鉄管が川を跨いでいた。
川の様子。
そんなこんな、現地で管理者様からお話を頂けた事もあり、充実したひとときだった。
ちなみに件の管理者様より上流にも良い溜池があるよと河内池を教えて頂いた。こちらも整備が行き届いた美しい溜池だったので合わせてオススメしたい。
という事で、どうもお邪魔しました。
※界隈猫が本っ当に多いので、スピード落として通行を。
上の猫も道のど真ん中に転がっていた上に、逃げようともせず…汗


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