【心遣い】

【心遣い】
友人の誘いがあって初めて落語と言うものを見てきました。最近、落語をテーマにしたテレビドラマを見たこともあり、ちょうど興味を持ったところでした。ドラマ同様の所作がとても面白く見えます。終了後に帰る客を噺家が見送り、また客は噺家に手土産を渡していたりと昭和的な雰囲気が、また味があっていいのです。

その雰囲気や所作の中に、心遣いが見られて心がほっとします。例えば開始の合図の囃子太鼓だったり、前座が終わった後に座布団を丁寧に裏返すことだったり。配慮が沁みます。面白い発見だったのは、話は枕と言われる本筋とは関係ない小話から始まりますが、途中に羽織を脱ぐことが本題が始まる合図だったことです。

さて私が一体どのくらいの心遣いを日常的にしているかと言うと、甚だ疑問です。昔のひとは、言葉遣いから手紙の書き方、所作に到るまで大変な心遣いの塊だったように思います。母を見ても、何かあるとすぐ手紙を書くし、その文面も季節の挨拶から締めの言葉まで独特な配慮が見られます。

現代に生きる私たちは、色々なものが便利になり余計な心遣いをしなくてもすむようになったように思います。それはそれで効率的で楽だったりもします。でも改めて考えると少し寂しい感じもします。ひとのことを想い心配るのは日本人に特有の文化のように思います。改めてその文化を意識して生活しようと思いました。

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