暖炉と星空と吹き抜けと

暖炉と星空と吹き抜けと

山の中の一軒家に来ている。
ここのリビングは二階から天井裏まで吹き抜けのスペースになっている。
そして1階から2階まで全面窓の部分がある。
その窓の下にフラットソファが置いてある。

夜も更けて、
暖炉の炎が部屋を暖めている。
かすかに聞こえる風の音しかしない。

件の窓に頭をつけるようにして、足は床に投げ出しソファーに横たわった。
頭上には満点の星空が、ガラス越しに見える。
時折、パチパチと薪の弾ける音が聞こえる。

贅沢な時間。
そこに集うものが皆、言葉も発することなく
星空を眺める。

外は零下だが
部屋は暖かい。わずかに窓ガラスから冷たい空気が降りてくるが、不快感はない。

目線を室内に戻せば吹き抜けの高い天井。
木造りの家ならではの美しい木目と木の温もり。

安全と、静かさと、暖かさ。
ここにはテレビもラジオもない。

普段、どれだけの喧騒にまみれているだろう。
一旦その喧騒から離れてみるのもいい。

必要なもの、不要なものが
明らかになるだろう。

僕らが幸せに生きていくのに
そんなに多くのものはいらないのかもしれない。
そう思わせる夜だった。

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