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「あなたは無力でも馬鹿でもない」

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事例 Eさん(40歳 女性)
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ウチはひどい環境でした。私が何かするたびに父親が何かしら文句をつけて怒鳴り散らすんです。もう、物心ついた頃は何もしないことが使命のようになりました。
ウチの中は足音を立てずに歩くんです。わずかな物音で、父の機嫌を損ねると大変ですから。父の周辺は地雷だらけなので、近寄らないことが大切です。刺激を与えないようにそっと暮らしています。

父にとって子供達は穀潰しなんです。誰が金を稼いでいるんだってよく言っています。父がいるときは100%父の意向に沿うように振る舞いますからテレビのチャンネル権などありません。何が父の刺激でキレるかわからないので、忖度をするようになります。家族のみんながアイコンタクトです。会話はありません。

姉もひどい癇癪もちですからなるべく関わらないようにしています。
この前は自分の楽しみにしていたお菓子が食べられたと怒りちぎっていました。
そして、私が小さいときなんかはクシャミだけでもいじめられていました。
ウチの中ではとにかく透明人間になることを強いられました。

これが大人になっても骨身にしみて身についているから辛い。
職場でもなんだか私だけ怒られたり。何か意見を求められたときに、サッと言葉が出ないんです。
だいたいなんだかいつも損をしているような感じがするんです。
自分が我慢していればいいのかなと思って、最初はそうするんですけど、後からすごく悔しくなったりします。

この誰かに支配されたような感じ、
自分らしさが全く表現できないのもいい加減苦しくなってきました。
何をやっていても、楽しくないんです。遊びに行っても、飲みに行っても誰かが見張っているような気にさえなります。

実家に帰れば未だに父が幅を利かしていますし。
もう80なんですよ。衰えるどころか、ますますわがままな気さえします。
早くいなくなってくれれば、なんてことが頭をよぎりますよ。

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解説
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はい。
Eさんのように、強烈に支配またはコントロールされると、その後の人生に大きく影響を与えます。

長期にわたり自己表現を阻害されてきたため、自分が何をしたいのかがわからなくなったりします。自分の意見を求められてもすぐにでてこないのはそうのせいです。

こうなると、何をしていても楽しいくないのも無理はないかもしれません。
人生にポジティブな感覚や意味合いが持てなくなり、衝動的に死にたくなったりするかもしれません。

誰かに支配される傾向が体に染み込んでいるので、どこにいっても怒られたりいじめられたりする可能性が有ります。
頻繁に遅刻したり、計画が立てられなかったりする悪影響もでたりします。

こういった人生のノリをひっくり返すには、大きなパターンブレイクが必要です。

「自分が我慢すればいい」というパターンをやめるのです。

幼少期、一時的に機能した「自分が遠慮するパターン」が人生を蝕んでいます。
自分からそれをやめる必要があります。
お父さんを代表とする支配側は、当然あなたが「引き下がるもの」として接してくるでしょう。ここを押し返さなければいけません。当然、今までにはなかった摩擦が起こります。

これはあなたが人生を通して避けてきた摩擦です。
この瞬間は全てが終わったような感覚になるでしょう。
しかし違います。ここから、全く新しいあなたの人生がスタートするのです!

今まで捨ててきた自分の尊厳を取り戻し、誇りのために、今までのパターンブレイクに努めましょう。
あなたは馬鹿にされてきたかもしれません。軽く扱われてきたかもしれません。
しかし、これは著しく不当な扱いです。それを許してはいけないのです。
なぜなら、あなたは馬鹿でも軽い存在でもないからです。

今までいろんな圧力に対して耐えてきたというのは、あなたの強さという証拠です。
普通の人にはなかなかできないことです。

パターンブレイクを成し遂げたら、誰よりもこころの痛みの分かるパワフルな人になるでしょう。その時には自分の才能がなんなのか、明らかになっているはずです。
力強く、落ち着いていて、才能のある、信頼できる人になっているはずです。
諦めないで行きましょう。

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