Vol.358「感情は知性である」

「感情は知性である」
EIという言葉は聞いたことがあるだろう。エモーショナル・インテリジェンス、訳すと「感情的知性」だ。1985年にワイン・ペインが唱えた新しい概念と言われている。

感情的知性は自己認識や自己管理、社会的認識や人間関係の構築にまつわる能力とされる。この知性を高めることにより、結果的に個人のパフォーマンスが上がりより良いキャリア設計が出来るという。古くは昭和初期の哲学者、三木清が「主観的な感情は知性的である」とも言っているが、その主張もペインと共通するところがある。

現代の経済活動は、様々な研究を通して知識やデータが集められ徹底的な効率化を推し進めてきたが、経済の行き詰まりは各国の問題となっている。効率化の流れに呼応するように「感情はコントロールするもの」として感情を感じたり表したりすることは疎まれてきた。しかしその方向性も限界にきているということだろう。

そこで昨今、社会の注目が集まっているのが「感情的知性」だ。
昨年は”知識から感情的知性の時代へ”という帯の付いた「共感力」と言う本が出版された。今まで疎まれてきた「感情」が実は知性であり、力になるとは大変面白いではないか。
改めて大切にしたいのは感情であると伝えていきたい。


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