2013年12月15日の日記


 今日は午前中にランニングをできたのでよかった。

 昼はやきそば、おいしかった。


 食後、旨みをテーマとしたNHKのドキュメンタリーの再放送を見てしまう。昆布や鰹節には大変手間がかかっていることを知る。海外でも旨みは5番目の味覚として大変注目されていて、鰹節を参考にデンマークでは鹿節なるものも開発されているらしい。色々なものがあるのだなあと本当に思った。


 図書館に行き、0のことについて書いた本を読む。バビロニア数学には0がなかった。だから(60進法において)61と3601との表記上の区別がつかなかったそうである。実務上は、彼らはそろばんを計算に活用するので問題はなかったということだ。そろばんには桁があるので、それでその表記が61を指し示しているのか3601を指し示しているのか簡単に区別がついたからだ。


 0は確かに不思議な数字だ…


 聖アントワーヌの日記と模範小説集を借りる。

 夜はローストビーフ。肉が柔らかくておいしかった。ローストビーフを見るとどうしても地獄の黙示録を思い出してしまう。あのステーキみたいに分厚いローストビーフを。

 大唐西域伝の、バーナーラシー国の、救命池の伝説として紹介されている逸話が気になって仕方がない。陰士が不老不死の術を完成させるために烈士を探している。ある日城のそばで男に出会った。男は5年身を粉にして働いてきたのにも関わらずちょっとのミスで仕事場を追い出されてしまったとのことだった。人生に完全に絶望しきっている。陰士は彼に金を与え、恩を着せた。すると男は陰士のためなら何でもすると言った。陰士は彼を烈士にすることにした。陰士は男に、自分が術を行っている間、すなわち夜から朝まで一言も口をきいてはいけないといいふくめた。男はお安い御用と請け負った。しかし男の前には様々な幻想が現れてきた。まずは雇い主があらわれ謝る。何も答えないでいると雇い主は怒って男を殺してしまう。男は転生して全く別の男として生まれ変わる。様々なことが男には起きるが決して男は口をきかない。やがて男には妻ができるが、やはり何も口をきかない。子供もできるが嬉しいともなんとも言わない。しかし妻が「あなたは本当は口をきけるのでしょう。口をきいてくれないならこの子を殺します」というと男は思わず声をもらしてしまった。すると陰士が術を行っていた庵は火を噴き、燃え始めた。烈士は陰士を抱きかかえて外に出て池に飛び込んだので2人の命は助かった。陰士は烈士から事の顛末をきくとため息をついてこういった「術式は失敗した」。烈士は陰士に申し訳なく、そのまま倒れて命を落としてしまった。烈士が陰士の命を救ったからそこの池は救命池と呼ばれている…という話である。この話が唐代伝奇の杜氏春伝の元となり、それが芥川龍之介の小説である杜氏春の元ネタとなるのである。しかし私はこの元々の原典の話が一番好きである。

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