2013年10月14日の日記


 三連休は今日で終わってしまった。人間は誰しも死後その骸骨を荒野にさらし、眼窩より草花が生い茂るのをじっと黙って耐えなければいけない運命にある。肉体も精神もいずれは滅びるが、それでも言葉や文字として形を与えられた精神は肉体よりもずっと長生きをする。私は図書館の片隅で、黴だらけの姿でもいいから自分の言葉が残ることを願う。そして自らの心の中の工房でひたすら熱した鉄を槌で打ち続け、人の心の奥深くの悪魔を切り裂くことのできる剣を作り続けるのみだ。いつかはきっと満足いく品ができあがるだろう。いつかはきっと…


 さて、どんな日記を書こうか?…今日も陸奥宗光についての本を読み、幕末のことについて調べ、夕方になるとランニングに出かけて風呂に入って飯を食べるというごく普通の一日を過ごした。朝はパン、昼はそば、夜はさしみ定食であった。


 夕方、ランニングへ出かける前にちょっと元素融合のことについて調べた。まず陽子一個で中性子0個の軽水素が中性子とぶつかって重水素となる。さらにこれに中性子とぶつかって三重水素となる。この三重水素がベータ崩壊し、中性子が陽子に変化することによってヘリウムとなる(ベータ崩壊とは中性子が陰電子と反ニュートリノを失うことによって陽子になることである。ちなみに陽子は陽電子とニュートリノを失うことによってまた中性子になるのだという。崩壊を繰り返すとやがては無になるのだろうか?と疑問に思った)ヘリウムは安定しているのでたくさんできあがる。しかし宇宙の初期状態においては温度が足りなくなるのでこれ以上は反応は進まないのだという。この状態が時間がたつとヘリウム同士が引力で引き合っていくつかの集団になる。そしてそれらの集団がさらに中心に向かって集まると温度が上昇してまた反応が始まる。ヘリウム同士がぶつかるとベリリウムになるがこれは不安定なのですぐに崩壊する。しかし多量にヘリウムが存在していれば崩壊するまでのわずかな間にベリリウムにヘリウムが衝突して炭素になるのだという。この炭素は安定なのだという。またそこにさらにヘリウムがぶつかると酸素になる。これも安定している。

 さらに温度が高くなって炭素と炭素がぶつかったり、酸素と酸素がぶつかったりなどして最終的には鉄までいく…ということらしい。そんなことについていろいろと調べてしまったのだ。なかなか知的好奇心を刺激する話であった。

 マーラーの8番交響曲を聴きながらちょっとだけベルリヒンゲンを英語で読んだ。

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