2013年1月24日「ここ1週間の日記」

 

 先週の金曜日に世阿弥展を見に行ってから

ぐだぐだな毎日を過ごしている。何をする気力も出てこない。

何もしたくない。何も書きたくない。水源が全くといっていいほどに

見当たらない。腹はどんどん飛び出ていって、

肌はかさかさになっていく。何かの魔力が私の体を縛り付けて

いるみたいに私はどこへいくこともできていない。確かに

あの日は結構頑張って、精魂使い果たした感じになったのだが。


・19日土曜日

 

 土曜日には…特に何をしたか覚えていない。

前日の疲れをひたすら癒していた。それとともに

花色地金雲取稲穂群雀鳴子縫箔の美しさを思い出して

その世界の中に魂を浮遊させていた。目をつむると今でも

思い出すことができる。その調和のとれた、明らかに

一つの世界を体現していた着物のことを。


あれは一体いくらぐらいするものなんだろうか?やはり

億とかは普通にするものなんだろうか?

しかしもちろんああいう服や文化を無意味と考える自分も

確実にいる。それは私の思考に相対性をもたらしはするが、

やはり完全に夢に浸りきることができないというのは

寂しいことでもあると思う。まあ仕方ないが。

土曜日に何を食べたかということは全くといっていいほどに

思い出すことができない。


・20日日曜日


 日曜日は何をしたのだったか。

 

 昼にはパンを食べた。

海老クリームコロッケのパンと、「大きなメンチカツ」と、

それからあと一つ何かを食べた。午後に何をしたかは

思い出せない。


 夜が鍋だったのは覚えている。

鶏肉とにらの、あっさりとしただしの鍋。それを食べた。

もやもやさまぁーずでは町田の町を

探索していた。収録日が去年の衆議院総選挙の

日の翌日だったらしく、12ちゃんのアナとして夜通し

仕事をしていたらしい大江真理子が眠そうだった。

来週は川崎らしい。


・21日月曜日


 朝、確か前日の鍋の残りの汁にごはんを

いれて雑炊を作り、それを食べた。コーヒーは

とってあったので飲むことができた。しかし

どうもしぶみがあるような気がした。

 この辺は記憶があいまいだけど、確か午前には

ずっとダウンタウン、というかガキの使い関係の

動画を見ていた。ガキの使いがマイブームだったのだ。


 その流れで松本と高須がトークをする

放送室というラジオも聞いたのだけれど、

その中でまっちゃんが

「コントのうまい芸人は落語をよく勉強してる。」

ということを言っていた。それを聞いて落語に対する

興味がぐんぐんと出てきた。

そこで松本が言っていた運回しの口上も調べた

(先年神泉苑の…というやつ)落語のことを調べていくうちに

私はあるドラマのことを思い出した。

タイガー&ドラゴンである。今回の松本の一言をきっかけと

した落語ブームを第二次落語ブームとするならば、

私の中の第一次落語ブームは、2005年、このタイガー&ドラゴンが

放送されていた時のことだったからである。というか人生で

初めて落語に興味を持ったのはこのドラマがきっかけだったの

だから、落語に再度興味をもった私がこのドラマのことを思い出すのも

また当然ということができるだろう。まるで春の光をうけて

草の上につもった雪が融け、つくしが芽を出すように、

私はそのドラマを見て落語の世界に浸っていたときのことを

思い出したのである。(なんだかたとえが微妙だ。)


 夜にでかけてジャンプを買いにいった。ランニングにも

いこうかとも思ったけれど結局雑誌を買うだけにしておいた。

去年のこの時期にはもうランニングはオフシーズンになって

しまっていた。油断しているとこのようにランニングを

控えてしまうので全く注意が必要である。

 というわけでこの日の夜にタイガー&ドラゴンのドラマを見返した。

最初は要約を見るだけで済まそうと考えていたのだけれど、

それだけではやはり我慢することができなくなって、

やはりドラマそのものを観ることに決めたのであった。

この日は夜遅くまでタイガー&ドラゴンを見てしまったのである。


・22日火曜日


 火曜日にはランニングをした。


 タイガー&ドラゴンを多分この日の午前に全話見てしまった。

茶の湯、猫の皿、三枚起請、芝浜、子別れなどの話とともに

あらためて落語を読んでみるとその面白さ、構成のすばらしさなど

には学ぶべきところがあるなと強く感じることができた。


 飯を食べてからほんのちょっと昼寝をしてから

ランニングに出かけた。しかしどうも

調子が出なかった。全然前に進んでくれない自分の足に

嫌気がさして叫んで暴れだしたいくらいだった。

しかしそんなこともできるわけもなく、あいもかわらず

のろのろとまるで歩くようなスピードで走っているうちに

なぜだか落語の話を考えようという気持ちになってきた。

「茶柱」というものをテーマに何か話を作ることができないか

とあれこれずっと走りながら考えていた。


 で、夜にその考えたことを文章に書いた。

まとめた、というのではなく。とにかく考えたことをひたすらに

書き散らしただけのことである。深夜1時くらいに就寝した。


・23日水曜日


 水曜日は6時15分~20分くらいに目を覚ます。

入れたてのコーヒーにありつくために

6時に目を覚まそうとはしたのだけれどあいにく

二度ねしてしまったのである。

コーヒーは若干冷めていておいしくない…というと

語弊があるが、まあ暖かいコーヒーを飲むときに訪れる

あの感動にひたることはできなかった。


 この日の午前に何をしていたのかという

ことはちょっとよく覚えていない。

「河川争奪」という新しい概念のことについて

調べていたのは覚えている。それというのも

兵庫県の地理について少し調べていたからである。

なぜ兵庫県の地理のことについて調べていたのかというと、

それは浜田、松本、高須などの故郷のことについて

ちょっと調べて想像を膨らませてみたかったからである。

万博のころ、すなわち三島由紀夫が切腹自殺をしたころ、

彼らは尼崎で悪さばっかりしている少年だった…


昼食は少し味の濃いツナのスパゲティとたらこのスパゲティであった。


やはりこの日も昼食後に昼寝をした。もう

完全に習慣化してしまったのである。


水曜日は何かしなくてはいけないと思って

ゲーテと興亡の世界史の本を借りてきた。

そしてそのついでに図書館で村上春樹の短編集を

読んだ。前回ふさぎこんでいたときには

それをきっかけとして復活することができたからである。

「緑の獣(?)」と「氷男」という話が印象に残った。

春樹の短編集ほど具体的な感想をするのが

難しい短編もあるまい。「これは春樹の原点だ」

ということを感じたとでも言っておこうか。

「羊水には氷が浮かんでいた」のくだりは

実にいい。なぜいいのかはわからないけれど実にいい。


持ち帰ってきた本は読む気がしない。

どうしても気力が出てこないのである。この日の夜は

ひたすらにAVを見た。特に3Dの同人エロ動画を

延々と。本当にそれはもう延々と。しかし最近の

3D技術はすごい。何かイノベーションでも

おきたのではないかというくらいに。


・24日木曜日


 そして木曜日。すなわち今日のことである。

前日は2時くらいに就寝したので今日は9時半ぐらいに起きて

パンを食べた。それから新聞を読んだりインターネットをしている

とすぐに昼食の時間になってしまった。天丼を食べて

オナニーして昼寝して起きるともう16時近くになっていた。

今日ほどぐうたらな生活をした日もあまりないと思う。


しかしその贖罪という意味もこめて私はこうしてここ1週間のことを

振り返って文章を書いた。その辺をどうか評価してもらえると

ありがたいものと思う。

花色地金雲取稲穂群雀鳴子縫箔、ガキの使いや

あらへんで、タイガー&ドラゴン、落語、河川争奪

といったあたりがここ1週間を表象するキーワードであろうか。

これらのキーワードが今後の私にどんな影響を与えるのかということは

まあ見てのお楽しみ、ということしか今の私にはできそうにない。


いまだに街の雪は溶けきっていないが、いい加減私の中の

気力は氷の層を打ち破ってでてきてほしいものである。

たとえそれが溶岩の形をとって、地上の町を

あらかた焼き尽くしてしまってもいいから。

どうせ北方の町は全て食人鬼の町なのだから。

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