雑文集
忘れよう。全てを忘れよう。しかし全てを忘れることはどうせできないのだから、何か1つ決めてそれを忘れてしまおう。しかしどれか1つなんて決めることはできない。だから忘れてしまおう。何かを忘れてしまおうと思っていたことを忘れてしまおう。
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巨人は起き上がらない。いくら殴っても、どれだけ蹴っても巨人の瞼は開かない。針で刺しても火で焼いてもほんのちょっとの反応すら見えない。山よりも大きな体を持つ彼は、ひとたび目覚めたら人々を圧倒することは間違いないのに。彼は目覚めないからいつまでも人に知られることはない。にもかかわらず巨人の寝顔がこんなにも安らかなのはなぜだろう?
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