見出し画像

2014年2月9日の日記


 屋根の雪が解けて、地面にしずくがぽたぽたと落ちる。街はその音で満ちていて、私自身も今日はその音で目覚めた。時々どさっとまとまって雪が落ちる音がする。去年の大雪の翌日もこんな感じの音にあふれていたな、と私は思った。

 街は雪でびしょびしょであった。私は一歩一歩踏みしめるように雪道を歩いていった。26センチ積もったとい言っていたが、それでも午後には結構とけてしまっていた。


 道路を走る自動車のいくつかはタイヤにチェーンを巻いているようで、それが走るときにすごい音を立てる。この音が非常にうるさく、しかも人の不安をあおる音で、後ろから近づいてくるその音が怖く、私は何度も後ろを振り返ってしまった。


 川の風景もそこまで綺麗だとはいえなかった。


 今日は朝はさば定食で、昼は餃子定食、夜は刺身定食であった。どれももちろんおいしかった。

 午後に出かけて対岸の本屋へ行った。目に付いたものを片っ端から読んでいった。三軒茶屋星座館とかいう小説、アリス・マンローの小説、ドイツ語の単語集、西洋美術についての本、それから福島良太の復興文化論…。知的刺激にあふれた素晴らしい時間であった。

 夜はさっきまで美について文章を書いていた。2時間ほどぶっつづけで書いていたのでもう疲れてしまった。しかし心地良い疲労感であることは間違いない。何かいい方向に向かっているのであろうか。


 明日には父が帰る。雪は溶け、父は帰る、というのはなかなか詩的な言葉であるように思う。

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?