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怪#11-3(こども)


YouTubeで過去の
放送を見たら
結構な大人が
「噂」や「投稿」に応じて
「ある場所」を深夜
訪れる系の番組があった

俺らも、そんな「こと」を
発見したくて
SNSで地元の
「怪現象ネタ」募集を
拡散したら
結構来たので
いくつか検証結果を
書いておこう

<1>
これは、俺らの学校
特に夏場に
よく見られる現象なんだ

部活とかの朝練で
早朝、登校すると
校庭に正方形の
模様が浮き出てる

場所も決まっていて
裏門から正門にかけて
校庭の大きさの
1/3ぐらいだな

理由は知らず
誰も教えてくれない

これに関して
「情報求む!」・・的な
コメにさ

呼びかけに応じた
ある子が
近所のじじぃに
聞いてくれ
それをラインで教えてくれた

俺らの学校
昔は墓地だったんだって・・

何だって!

だったわ


教えてくれた
爺さんがガキの頃

市街地に近すぎるという
理由から
墓地は、もっと
郊外に移転となる
事となったらしい

同時期に学校の
設立話が持ち上がっており

渡りに船とばかり
だったようだ
用地買収の必要もないし
広面積の土地が
虫食いなしで「ポン」と
そこにあるわけだから
公共機関は速攻決定したのよ

しかし予算は
とことん削りたい

墓の中身はそれぞれの
親族が新しい墓所に
納骨堂を立てて
移転するだろ

行政は、跡地を
学校建設可能な
状態にするべく
墓石を撤去して
ならすだけで
よかったのに
ケチりやがったのさ

どうせ
埋め立てるのだからと

箱モノが建つ部分は
基礎のために
ちゃんとしたけど

校庭はまんま
埋め立てて終わった

要するに
墓石が残ったそのまま
土を入れて
埋めた
だけなんだと

フザケてるよな


昔の墓石は
大理石とかじゃなくて
凄く吸湿性の高い石を
使ってるから
含水力が
半端なくあんのよ

理屈はわからねーが
じじぃが言うには
墓石を真上から見た
正方形が
その含水分だけ
乾いた土に浮き上がってくる

らしい・・・

じじぃが子供の時分から
そうだったんだって

道理で
裏門を出た道路向かいに
個人の墓所がいまだにある

当時、頑として
移転しなかった
一族の墓らしく
裏門を背にして
向って真正面が
墓なんだよ

これも、ひとつの
名残というのか…


<2>
#11-1で
川に流された話をしたけど
その後、大規模な河川の
改修工事があった

学校の手前あたりで分水して
水流を人が立ち入れない
大きな側溝に
落とし込むようにした

巨大な
溜めマスを作り
分岐し
本流へ流れ込む水を
調整できるように
ダムみたいなものを
設けたんだ


真上をバイパスが通っており
こういっちゃなんだが
数年ごとに
飛び降りがあったりする

奥さんに男が出来て
家出された夫が
我が子を道連れに
飛び降りたり


生活苦から
飛び降りたり

実は
心霊スポットとして
Youtubeにも
実在する場所として
紹介されてる


他の場所は山あいだから
飛び降りた後、なかなか
発見されない

そもそも
飛び降りるところを
見られていない限りは

気付かれることなく
獣の餌になるか
良くて白骨化しての発見

反して
この巨大な分水路は
コンクリートで
塗り固められた水路

定期点検もある
おまけに川っぷちは
住宅街と通学路ときてる

何かあったらすぐに
わかる見通しのよさ
なのだが


ある場所
バイパスすぐ下あたりから
山のほうに水路が
穿ってあるため
樹木に遮られ
見えなくなる場所がある

鉄柵を乗り越えて
水面近くまで階段を降りると
歩道のように2m幅の通路が
設けてあり

そこで

人骨が見つかった

との話に
夏の夜
4人で探検に出かけた


先頭をA君が
次をB君とC君が
最後を僕が・・・

1キロぐらい歩いたろうか
これ以上は行けない地点まで
来たところで
先頭のA君が
「いい加減
  暑いんだよー」と
振り返りざま
叫んだ

B君とC君は
二人で話に夢中だったから
気にもしてない

でも
僕には見えたんだ
こちらに向かって
右肩から振り向いた
A君だったけど


彼の左肩に
空中から突然
湧いて出た
女の肘から下の腕


青白い指が
彼の肩にしっかりと
食い込んでた・・・


<3>

冬場になるとクラス対抗の
クラスマッチがある
バレーかバスケの2択

中学ではバスケしてたけど
高校はバス通で
時間が無いから
帰宅部してました


クラスマッチの時は
過去の部活経験を買われて
もちろん、バスケ

女子の声援なんぞ
貰ったりして
満更でもなく張り切った

放課後、準優勝の結果を
ねぎらって終礼おわり

クラスマッチ中は
撮影のためスマホを
返されていたけど
終了後は
戻さなきゃいけなかったから

終礼後の返却まで
見ることができずにいた

人には言って無かったけど
中学から高校まで
同じだったある女子は
少し霊感のある子
(それは俺しか知らない)

みんなが、それぞれの
画像に
キャーキャー言ってるとき
彼女の顔色が変わったのを
たまたま、目にしてしまった

同じ方向のバスに乗ることは
承知していたから
乗り込んでから
さりげなく
彼女の隣に
「ここ、いい?」と
座らせてもらったよ

俺が気づいたこと
彼女もわかってた

目が合ったからさ


バスが走り出してから
周りがガヤガヤ
話し出したのを
確認して
「なんか、あったか?」と
聞くと


「うん。これ」
と言って
スマホの画像を
見せてくれた



俺らがバスケコートで
プレイしている



?????

「これがどうした?」

「よく見てよ」

「うーん
  わかんないけど」

「あのさ」


髪が長くて
目鼻のない
のっぺらな
女の顔が
コートいっぱいに
写りこんでる


「うっ、ホントだ」


透かしみたいに
コートの床全体に
真ん中から髪をわけた
女の顔がある・・・


俺が、固まっていると
スライドして
次のショットへ

流石に
これは俺でもわかる

俺らがパスを回して
攻撃に転じたショットだけど
画面上から

逆さまになり
ザンバラな長い髪が
俺らの上に
覆いかぶさって

目は‥無いが
今度は、
ガサガサにひび割れた唇
きたなく汚れた歯が
のぞいた口

さも嬉しそうに
左右に大きく
裂けたように笑っている

透けていることに
変わりはないけど
さっきより
ハッキリ濃くなってる


毎日の重ねから私なりの 「思い」を綴っております 少しでも「あなたの」琴線に 触れるものがあれば幸いです 読んで下さり、ありがとうございます