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めぐりくる

時に
喜びや楽しさより
悲しみや
人生の過酷さの方が
鮮烈な記憶として
留められる

時を戻したいと
嘆く痛みも
時の徒然にごまかされ
日々の営みに追いやられ

誤魔化しても
ずっと心から消えない

「あの時」が
めぐりくる

人生で一番
接した短い時

風のような
「あの時」

刺さる凍てつきの気

足元に細い茎の
菜の花が咲いて

見上げた空に
伸びる梅に
わずかの花と新芽

春告げの先触れ鳥
鶯のさえずりが
もうすぐだと
教えてくれるが


涙にかまわず
季節は
めぐり

私の春は
菜の花の黄色でも
梅や桜、桃の
薄桃色でもピンクでもない

私の春は別れの色
モノトーンで覆い尽くされ
悲しみと痛みの棘

いつか
平気になるだろうか

涙は枯れるのだろうか

忘れられるのだろうか





毎日の重ねから私なりの 「思い」を綴っております 少しでも「あなたの」琴線に 触れるものがあれば幸いです 読んで下さり、ありがとうございます