見出し画像

上田雑記 #8

事務所でパソコンをカタカタ、時にはマウスを激しくクリックして過ごしていたら、気づけば桜は満開から葉桜に、日中表へくりだしてみると汗ばむ陽気になっていく間、季節のクロスフェードを感じつつ、先日は下北沢はKNOCK OUT RECORDING STUDIOにて録音という苦行に挑んでみました。

レペゼンお洒落MUSICのペトロールズが好きなんですが、このスタジオで作品を作り続けていると知って、ミーハー感まる出し。録音なんて数テイクで終わせて、ミックスやってる間にエリにダビングしてもらったアド街ック天国(天王町編)のDVDを観ながらヘラヘラしようかと思っていたが、ある意味予想通りで全員苦戦。自分たちの曲の異様な難しさに正直引いた次第であります。

リズム録りはエリとイサオは秘密の世界(レコーディングブース)で、私はガイドのギターを弾くため、エンジニアさんとコントロールブースにて、ちょめちょめしていたら、初日が終了。とりあえずイサオのドラムソロの鬼テイク数はこのレコーディングの苦行ハイライトといってもいいでしょう。いいかんじで目が死んでます。

2日目は鬼ギター録り。ラインで録って、あとからアンプで鳴らして音を録る、リアンプで今回音作り。知っている人は分かるだろうけども、Panda Discoという曲の一番最後のくだりで、メタルの世界に入るのですが、このフレーズを録る時、アンプはFenderではなく、ORANGEを使用。爆音で鳴らした結果、ブースで音を直撃していた私はそれだけで気持ち悪くなりました。現在そのORANGEはイエローオーキッドのマスダに貸してます。

左手の筋力の限界まで自分を追い込み、なんとか終了。どうでしょう。この全員の目の死に具合。

その後、ミックス&マスタリングを経て完成。敏腕エンジニアの森永さんのおかげで、うちの母親が松嶋菜々子になったぐらい、化けた。そしてありがとう、プロツールス。

完パケして、イサオと日高屋に向かいながら話してこと。楽器の演奏技術に頼らないでも音楽が作れてしまう昨今、ドラムの技術にフォーカスして作られる音源もそのリスナーも減ってきている、と話していた。なるほど、と思いつつ、ふりかえるとライブハウスで働いていたときも、今も、身近で演奏が上手いと思うプレイヤーが少ないことに気づく。

ライブハウスに行くと、客視点で自分たちがどうみられるか、バンドのブランディングやオリジナリティー、ファッション、勢い、それらを優先的に追及してしまうあまり、「演奏」という本来、音楽活動の根本に重きが置かれなくなっていることを感じてしまう。表現は伝える技術や武器が必要。

King Crimsonがステージから教えてくれたことはステージングや照明、演出がなくても、純粋に「音楽」を追及していれば人に届く、つまりはそういうことだった。

もっと練習して、良い音楽が届けられるように精進、と誓った春。

そんなこんなで出来た5曲入りの音源、リリースとか渡したりできるのはもうちょっと先になりますが、格好よろしい音源になったので、ちびちびお待ちください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?