あなたには、時間がある。
この文章は数年前に自身のSNSで発信したものに修正加筆を加えた文章です。当時新成人になった方が当時のこの発信を見て私のことを知ってくださり、感動されたそうで、そこから実際に私に会いに来てくださったことがあります。文章はご縁を紡ぐ尊いものだと痛感すると共に、今年もこの文章を新成人の日にお送りいたします。新成人のみなさん、本当におめでとうございます。
今から14年前のことです。
当時私は大学に通う2年生。大学のある京王線・井の頭線明大前駅から数駅の街、下北沢のバーでアルバイトをしていました。夕方17時くらいから入ってて終電くらいまで。お店は雑居ビルの3階で、半外になっており壁やカウンターは真っ赤。東南アジアをごっちゃ混ぜにしたようなメニュー構成と店内インテリアで仏像もあったりと雑多カオスな空間でありました。お世辞にもキレイとは言えない場所だったんですけど、なんとも惹かれる赤い空間だったんです。
お店の雰囲気が好きすぎてこちらでアルバイトすることになったんですが、
実にいろんな人たちに出会いました。
常連さんたち。20代後半から30代のアラサー、アラフォーな方々から様々なことを感じ取り本当に多くのことを学びました。
劇団を作る作るといいながら、よく他の常連さんと喧嘩する金髪の男性(結局劇団はできず公演も頓挫)、三島由紀夫のことになるとしゃべりが止まらなくなる小説家志望の土木作業員の男性(書いたものを見せてもらったことはない)、ほぼ毎日飲みにくる四畳半風呂なし物件に住んでいる40歳男性、毎回ベロベロになってしまっていつの間にか男の人と帰っているアパレル派遣の女性(毎回相手が違う)...と、
ほぼ初めてのアルバイトでこんな感じの方々をカウンター越しに相手していた当時19歳の私は、それはそれは彼らから「若いね〜!ピチピチだねぇ!」と言われまくっていました。
が、当時ひねくれが凄まじかった私は
「若いから、なに?」と心の中でモヤモヤしていたのです。
彼らはものすごく、私の若さが羨ましそうでした。
私は週4ペースで飲みにくる彼らを見ながら「ああ、きっとみんな寂しいんだ」と思いました。寂しいからよくわからない量のお酒を飲み、よくわからない話をして帰って行くんだなと。そしてよくわからない人と帰って行く。
それに気がついた時に
「絶対に、私はこんな30代にはなりたくない...」
と思いました。
と同時に
「今19歳。まだ10年強も時間がある。私には、時間がある」
とハッとした。
この文章を読んでくださっている新成人のみんなへ。
あなたには時間があります。
下北沢のあのバーの常連さんたちが、絶対に取り返せない時間があります。
時間と命だけは誰にでも平等です。
だから、今から死ぬ気で何かをやりたくて何かを成したかったらなんでもできます。それがあなたの心からの願いで、誰かから押し付けられた願いでないならば。
頂いたサポートはありがたく頂戴し、今後の占星術の研究や各種創作や勉学に使わせていただきます。いつもありがとうございます。今日も佳き日をお過ごしくださいませ。