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SDGsを身近に感じる一夜 - クラフトサケとシェアハウスの異色コラボイベントの感想

おはようございます。まっすーです。

昨日、アクロス福岡で「クラフトサケとシェアハウスの異色コラボから考えるSDGsとは」というテーマでトークイベントを行いました。

二人の充実したトークに、販売前のコラボSAKEの試飲もあり、結果としてはかなり盛況に終わったのではないかなと感じています。

これを機会に僕自身もSDGsとは何か、自分達に関連するSDGsとは何かについて考えたので、昨日の感想も交えてシェアします。


イベントの概要と目的の再確認


イベントの目的は、なんとなく大事だと思っているSDGs、しかし漠然としている。
ということで、二人の若手起業家の取り組みから具体的にSDGsについて深ぼるということです。

イベントの詳細はこちらに記載しています。

イベントのハイライト

イベントは進行役の僕の挨拶から始まり、LIBROM柳生さんの番。


柳生さんのトークセッション

ICCで活用したプレゼンを用いて、クラフトサケとは何か、なぜ日本酒業界に飛び込み、なぜ日本酒ではなくクラフトサケを造ることにしたのか、そしてなぜ天神から徒歩圏の中心街でお酒造りをすることにしたのかについて、まず話されました。

クラフトサケの認知度はまだまだ低い

僕としては意外だったのですが、クラフトサケというジャンルの会場内での認知度は50%ほどでした。
まだまだ伸び代があるということですね。

そもそもクラフトサケとは

ちなみにクラフトサケとは、日本酒の醸造工程に副原料(ホップやハーブ、フルーツなど)を入れて造るお酒のことです。
この製法だと、「清酒」というジャンルではなく、「その他の醸造酒」というジャンルになり、最近では「クラフトサケ」という名目で世間では認知されるようになりました。

イタリアへの情熱から日本酒業界へ

柳生さんが日本酒業界に飛び込もうと思ったのは、イタリアへの愛があるからです。
元々北九州のサッカー少年で、イタリアへ憧れがあり、いつかはイタリアに行って何か日本の文化を伝えることがしたい!という欲求から、考えついたのが日本酒だったそうです。

なぜイタリアで日本酒なのかというと、ヨーロッパ一の米どころだからだそうです。
そうして、イタリアへの熱い憧れを持って日本酒業界に飛び込むことを決心して、まずは日本で唯一イタリア米でお酒造りをしたことがある山口県の新谷酒造に修行に行きました。
その後、お酒造りの神様の異名を持つ90歳を超える農口尚彦杜氏がいらっしゃる農口尚彦研究所で数年間修行。

立ちはだかる壁:コロナ、新規醸造免許発行されていない法律規制

いざイタリアへと思ったところ、新型コロナウィルスにより、イタリア行きを一時断念。

そこで再び思い立ったのが、日本で小さな醸造所をつくってお酒造りをしようということでした。
しかしながら、日本では新規醸造免許の発行が許されていません。
つまり、今から若い醸造家が日本でお酒造りをしたい!と思っても法律的にできないのです。

そこで、クラフトサケという日本酒の醸造過程に副原料を入れる方法で、マイクロビュリューワリーを造ることを決心しました。

そのときに、クラファンをされてましたが、実は僕もこっそり支援していたので、一番最初のLIBROMのお酒を飲んでいます☺️

しかしながら、結果として当初は全く売れなかったとのこと。

なぜなら、日本酒造りがしたいと思っていたため、副原料を入れたとしても、なるべく日本酒そのものの味を変えないような副原料の特徴があまりでないものを入れて出していたからです。

副原料を入れる、更には少量生産であるが故に、コスト的に日本酒よりもかなり高額になり、太刀打ちできないという現実がありました。

副原料を入れるという特徴を最大化

それからより副原料の良さをガンガン出すスタイルに切り替えて、軌道に乗ったということです。

そして、副原料も地元産にこだわり、毎回農家さんの元に訪れて、時には自分たちも収穫などを行うなどしてるとのことでした。

柳生さんの話で印象的だったこと

印象的だったのは、なぜ志田さんとコラボすることになったのかという質問で、
「元々久留米の精米会社に委託して、余ったお米を安く分けてもらってた。しかし、それでは生産者の顔が見えないので、主原料であるお米の生産者の顔が見えるお酒造りがしたかった。
現在、生産量が50石ぐらいなので、契約農家さんは難しい。そんな折に、志田さんから連絡が来た。」
という話。

やはり”生産者の顔が見える”というのは一つのキーワードになっていそう。
そして、それこそが大手には真似ができないマイクロビュリューワリーならではのストーリーブランディングにつながるのだと思います。

ひいては、それこそが柳生さんのSDGsなのかなと考えました。
生産者の顔が見えるお酒造りはその生産者にもお金が回るいうことであり、地元の生産者にこだわるということはローカルでお金が回るということですから、持続可能性はありますよね。


志田さんのトークセッション

そして、続きましてはいとしまシェアハウス代表の志田さん。

志田さんについては、以前の記事でも書きましたが、バックグラウンドが面白い!!
元々東京出身で、家族と一緒に山梨の山手に引っ越してから田舎暮らし。

そして、大阪の専門学校を出て、東京で料理人の道へ。
東京初のパクチー料理の専門店の店長を任されるほどに。

人生の転機は東日本大震災。

人生の転機になったのは、東日本大震災。

僕が以前少し理解ができていなかったのが、なぜ東京にお住まいだった志田さんが東日本大震災で西の方へ来ることになったのか。

志田さん曰く、
「東日本大震災でいかに東京が外の支援を受けて成り立っていたのかを実感した。それと同時に自分達で何もつくっていないということに恐怖を感じた。
その体験から、自分達で「食」も「エネルギー」も「お金」も作るという自給自足の「暮らしを自らつくる」というコンセプトに思い立った」
とのこと。

その話を聞いて、なるほどな!と合点がいきました。

自給自足ライフスタイルは今後必要になってくるかも

実際、新型コロナウィルスや戦争などで本当に世の中不安定になっている中、自給自足のライフスタイルというのはある意味で最強だと思います。

トークイベントの後に少し食事に行ったのですが、その時に
「コロナの影響からほとんど家の周りから出ない日が3年続いた。でも精神的な問題は全く起こらなかった。
なぜなら、目の前の田んぼ広げたりとか、狩猟に行ったりとか、色々やることあるから。」
と言われてました。
世の中外出自粛、自粛で精神的な病を引き起こした人も数多くいたと思います。

僕も外出自粛で家にずっといる時に頭がおかしくなりそうな思いをしました。

しかし、自然に身を置き、自然の中で暮らす生活をしていればそのようなことは全く起こらないのかなと感じました。

話は少し異なりますが、近頃ショッピングモールなどを歩いていると、スマホをずっと扱っている子供が非常に多いなという気がします。
僕の知り合いの子供たちもずっとスマホでyoutubeばっかり見てる気がします。

いわゆるスマホ病にかかっている人は多くいると思うので、このいとしまシェアハウスで「自然に還る」体験をした方がいいかもしれません。

いとしまシェアハウスについては前回の記事でも紹介してるので、ぜひ見てください。

志田さんの話で印象的だったこと

SDGsの17のゴールの中でどこが自分の取り組みに合致していますかという質問の中で、「12 つくる責任とつかう責任」のところでお話しされていたこと。
(以下、僕が取材時に聞いた話も混じってるかもしれません)

「暮らしを変え、自らつくる。ということが大切。
自らつくることでそのモノのバックグラウンドが身近になる。使う側の立場になった時につくる側の気持ちに寄り添える。
どういう消費をしていくか。どんな人にお金を払いたいか。消費の仕方が全く変わってくる。」

とおっしゃられてました。

まさに!と感じましたね。
都会暮らしに慣れていると、出来上がった食べ物がそこらじゅうに並んでいて便利ですが、その便利さのあまりに作り手への感謝の気持ちを忘れがちです。

いざ自分が作る側に立ってみたら、いかにこれが難しいことなのか、手間がかかることなのかわかるのだと思います。

また本当にきちんとつくっているもの、つくっている人のことが理解ができ、きちんとやっている商品にはきちんとお金を支払おうというマインドになりますね。

日本は30年間デフレ続きと言われますが、作り手側に回るという取り組みが一番デフレ脱却に効くのではないか?と感じました。

「LIBROM×いとしまシェアハウス」コラボSAKE BATON TOUCH


そして、今回の最大の目玉。
LIBROMといとしまシェアハウスがコラボしたSAKE『BATON TOUCH』第二弾のお披露目!

なんと4/28日に搾ったばかりの発売前のお酒を試飲させてもらえました。

BATON TOUCHのコンセプト

このお酒のコンセプトはバトンタッチの名の通り、いとしまシェアハウスの田んぼで自然栽培でつくったお米をLIBROMでクラフトサケにして、その時に出た酒粕を活用して、クラフトビールをつくり、ビールをつくるときにでた残渣(ざんさ)を使って、クラフトジンをつくって、その残渣をまた次のお米の肥料にするというこれ以上ない究極の循環型コラボSAKEなのです!

以下はBATON TOUCHのインスタから抜粋

【BATON TOUCH】

今の時代らしいカルチャーをつくり、育み、次の時代へ繋いでいく。

過去から現在/現在からから未来へ。

その狭間でこの時代だからこそできることを全力で表現している人たちがいます。
そんな人たちと共に素晴らしいカルチャーをそして未来をつくっていきたい。

自然から農家へ、農家からつくり手へ、つくり手からあなたへ、あなたから未来へ。
手から手へバトンタッチしながら繋がっていく。
みんなが加わることでカルチャーが育っていく。

そんな風になればいいなと想いを巡らせています。

https://www.instagram.com/batontouch.jp/

第二弾の反響

第一弾で出たBATON TOUCHはレモングラスを副原料にしてましたが、今回の第二弾は甘夏と和ハッカを副原料に入れてつくったとのこと。

しかも、お米だけでなく甘夏と和ハッカも全ていとしまシェアハウスでつくったというから驚き。「暮らしをつくる」いとしまシェアハウス。伊達ではありません。

僕は車だったので、少しだけ香りを嗅ぎましたが、これからの季節にちょうどいい柑橘系の爽やかな香りと後からくるメントール感が最高でした。
香りだけでも楽しめました。(飲めた人いいなー)

試飲されたお客様からも「これはめっちゃくちゃ美味しい!」と大反響。

実際にLIBROMさんもこのお米や甘夏の収穫を手伝ったということでその時の様子を動画で見ながらの試飲。
なんとも贅沢な体験ですね。

イベント後に感じたこと

今回は、"一人一人ができるSDGs"というテーマで、お二人の取り組みをSDGsの具体例に一人一人がどう行動するのかを考えるきっかけになったのだと思います。

自分自身のビジネスにどう活かすか

今回を機にSDGsについて自分なりにも考えることができ、
「僕がやっていることはSDGsだったんだ!」と気づくことができました。

特に僕の場合は志田さんも話された「12 つくる責任 つかう責任」に関しては、今やっているリアル酒蔵留学がまさにこれにあたると思いました。

リアル酒蔵留学は、実際に酒蔵に修行に行って1日蔵人として本気のお酒作りを行ってもらう体験プログラム。

これを行って一番ある反応は「今まで単純に飲むだけだったのですが、今後はつくり手に感謝しながら飲みます」というもの。

どれだけ手間暇をかけ、どれだけ労力と精神力を使いながら、酒蔵さんがお酒をつくっているのかを自分が蔵人になることで実感できるのだといいます。

まさに僕が感じてもらいたいこともそれで、そう感じてもらう人を一人でも増やすことが一番日本酒業界を救う一歩になる気がするんです。

SDGsを学ぶことで、自分の取り組みの社会的意義に関して、一つの強力な要素が加わりました。

この機会をいただいたアクロスさんに感謝です。

イベントの紹介

お米から育てた「自分たちのお酒」をつくろう!棚田のクラフトサケ計画

今回ご登壇いただいたLIBROMといとしまシェアハウスのコラボイベントでマイ米、マイ酒づくり体験があるそうです!

お米作りからお酒造りまでしっかりと関わることができるそうなので、是非とも行ってみてください!

みんなでつくったお酒は美味い!!!はず!

■イベントの詳細


次回のアクロストークイベント

実は今回のアクロス福岡のトークイベント「よってらっしゃい」は年4回計画なのです。

次回は9月13日(水)19:00-20:00
次回のテーマは「九州サイクリツーリズムとインバウンドの可能性」

次回もプロフェッショナルな方々とクロストークを行いますので、情報更新をお待ちください!

では!

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