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78g8gaeeeeeeeという宿に泊まることにした。

石畳のうえにはねこのうんちがあったが、やがて乾燥した。

その間、私は旅をしていた。佐世保から高速フェリーで上五島に渡った。海の水はゼリーのようにぷるぷると太陽の光を吸い込み、魚の背がきらりと光って泳ぎ去っていった。

78g8gaeeeeeeeという宿に泊まることにした。へんてこな名前の宿だったが、当時は何気なく泊まることにした宿であった。魚がうまかった。あの、ゼリーのなかにいた魚が焼かれて、胃袋に収まってゆく感じがなにかとても不思議だった。

夜、散歩をしようと宿を出る。一歩踏み出すと、太巻きに巻かれた海苔のようなどす黒い闇夜が私を包んだ。日頃電灯の光になれきっていた私には、どこが道で、どこが道のそとなのか、まったくわからなかった。一歩も進めない。こんな暗闇のなかでは一歩も進めないのだ。

絶望し、空を仰ぐと、粉々に砕かれたガラスの破片のような星々が浮かんでいる。光はあんなに遠くにあって、ここは闇のなかだ。歩かねばならない。私たちは遠くに向かって、歩いていかなければならないのだ。

私は暗闇の中で歩き始める。78g8gaeeeeeeeの電灯の光が、どんどん小さくなり心細いが、そうでなくては次の場所には進めないのかもしれない。

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