母が祖母から聞いたむかし話。
母が祖母から聞いたむかし話。
祖母は三重県伊勢の漁港に生まれ、早くに両親をなくした。身寄りがないので菓子屋の丁稚奉公へ行き、そこで菓子作りを手伝って幼少時代を過ごしたとのことだ。
家の周囲の入り組んだ路地にはいつも海藻のむっとした匂いが漂っていた。食事は三食が魚。早朝に菓子屋のおばあさんが犬を一匹つれて漁港に出かける。
そこで魚を一尾買って、犬に咥えさせて家に持って帰る。運搬役の犬には、それが家族全員の食糧だということがわからないので、家に帰ってくると穴を掘って、魚を埋めようとする。
それを家の者が取り上げて、土まみれになった魚を洗い、刺身にして朝晩の食事とする。祖母は大きくなるまで卵焼きというものを見たことがなかったそうだ。
読んで下さりありがとうございます!こんなカオスなブログにお立ち寄り下さったこと感謝してます。SNSにて記事をシェアして頂ければ大変うれしいです!twitterは https://twitter.com/yu_iwashi_z