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三國志…しりそめし頃に…

小学校6年生のとき、クラスにAくん、Hくん、Sくんという3人組がいて、この人達は休み時間もクラスの多数派から外れて、なにやら異質な雰囲気を醸していた。

私はこの3人のことがなぜかとても気になり、ある日、「なにをやっているの?」と勇気を出して尋ねてみた。それが私と三國志が出会うきっかけとなった。そう、彼らは教室の片隅で三國志のマニア話に花を咲かせていたのである。

3人組は休み時間には三國志の話をし、学校が終われば誰かの家に集まってスーパーファミコンの三國志のゲームをして遊ぶ。当時の私には、彼らのことがものすごく知的な集団に思えた。そして、自分もそこに混ぜてもらって、三國志の世界にずぶずぶと足を踏み入れていったのだった。

しかしひとつ問題があった。3人組は、Aくんが劉備の蜀、Hくんが曹操の魏、Sくんが孫権の呉、というふうに、三國志の主役級の3つの国のそれぞれを応援していたのだ。いままで3人で三國志のファン活動をしていたからバランスが取れていたのだが、4人目の私が加わったことで、その均衡が崩れそうになったのだ。

「新メンバーの鰯崎くんには、どこの勢力を担当してもらうか?」ということで、3人の話し合いがはじまった。私といえば、新参者だし、三國志のファン活動をはじめたばかりなので、知識にとぼしく、当事者であるのに話し合いには入れてもらえなかった。

そして、結論が出た。私はこう言われた。

「鰯崎くんには、異民族を担当してもらいます」

三國志は漢民族の争いの物語だが、漢民族と領土を接する他の民族を担当せよとのこと。漢民族ファーストの三國志のなかでは、こういう異民族たちは、文化的に劣った者たちとして描かれる引き立て役で、あまり格好いい存在ではない。

当時の私は、3人の言うことを素直に受け入れて、三國志サロンの異民族担当としてファン活動を始めた。成り行き上ではあるが、小学校を卒業するまで、沙摩柯兀突骨孟獲を応援し続けた。沙摩柯は呉の猛将、甘寧に致命傷を与える活躍をするのだが、兀突骨や孟獲は蜀の軍師、諸葛亮孔明にこてんぱんにされるやられ役である。

兀突骨については、体が鱗で覆われ、生きた獣や蛇を食べている、という、異民族というか人間かどうかもよくわからないヤツである。三國志サロンの3人について、仲間に入れてくれたことはもちろん感謝している。でも、今から思えば、呂布とか馬騰とか、あるいは袁紹、劉表、袁術、公孫瓚とか、そういう選択肢あったよね、と思わないでもない。

※今回のヘッダー画像は山田スイッチさん制作!すてきなイラストをありがとうございます!!

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