調査板はもう古い!?時代はタブレット調査!

今年も書きますアドベントカレンダー!どうもプロマッパーの宮西です。

去年は超高精度GPSについて書きました。で、これが意外と反響あったので続編ということでタブレット端末で地図調査をする方法を紹介します。

今までの調査

タブレット端末を使う前は、調査板というものを使って地図を描いていました。調査板には原図となる地図(航空レーザー測量図とか)を貼って、さらにその上からトレーシングペーパーみたいなものを重ねて、地形や植生などをメモしていたわけです。

一方で、超高精度GPS端末を買ってからはスマホで現在地を見ながらそれを調査板に写していたので二度手間だったんですよね。虚無。虚無すぎる。

だいたい手は二本しかないのに調査板とスマホとシャーペンを持つというのが無理。

てかヨーロッパだとタブレット調査をしている人はいるっぽいですが、なぜか日本だとほとんどいないですよね、なんででしょう。

良いところ

なんといってもタブレットで調査することの魅力はやり直しが簡単なことです。シャーペンで描いてたときは間違えたらいちいち消しゴムで消していましたが、普通にめんどいし、消したくないところも消えるしで最悪です。タブレットなら何度でも描き直せるので、地図調査を覚えたてのひとでも安心ですよね。

他にも作図の手間が省けるのはかなり楽です。今までだったら1日調査したら1~2時間くらいの作図が必要でした。それがほとんど現地でタブレットに描くだけで終わります。まあその分ちょっと調査の進みは遅い気がするけど。

あとは画面が見やすいし、細かい特徴物を描きやすいし、調査板作らなくていいし、、、、最高!

悪いところ

明らかなデメリットは端末の価格が高くて手が出しにくいことでしょう。僕はタブレット+スタイラスペンで7まんえんくらい出しました。超高精度GPSと合わせると13万円くらいかかっていることになります。こんなんプロじゃなきゃ高すぎて買わない。。。

あとはタブレットが水や衝撃に弱くて壊れる可能性がそこそこ高いことと、スタイラスペンをなくしやすいことかな。僕は3日前にスタイラスをなくして森の中を日暮れぎりぎりまで2時間以上探し回りました(見つかった!)。

必要なもの

Android端末:画面は10インチくらいが使いやすいが、作業効率の低さを許容できればスマホでもできるので試してみるのもあり。スタイラスペン対応がベター。画面をかなり明るくできるものだと真夏の開けた場所でも調査できる。僕が使っているのはGMSをごにょごにょするタイプのタブレットなのでここでは紹介しない。

スタイラスペン:汎用のタッチペンだと精度不足なので専用のスタイラスペンが良い。試しにタッチペンでやってみるのは悪くないと思う。

タブレットホルダー:普通に持ってると落として壊しそうなのでホルダーはあったほうがいい。僕はサンワダイレクトのこれを使っている。便利。

液タブ用グローブ:タブレットに手のひらをついた時にタッチパネルが反応するのを防ぐためにグローブがあると便利。僕はエレコムのこれを使ってる。

GPS:超高精度GPSは去年の記事を参照してほしい。もうこれがないと調査したくないと思うくらい便利。

モバイルバッテリー:タブレットの電池はすぐになくなってしまって1日持たないこともあるのであると安心。

画像3

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これだけあれば完璧!

準備すること

去年のGPSと同様、アプリはOpenOrienteering Mapper (OOM)を使います。実は現在地を見るだけじゃなくて地図も描けちゃうんですよね。

単にOOMで描けばいいんですが、トラップがあります。

そう、OCADとの互換性の問題です。

OOMだけで完結するなら問題はないのですが、僕も含めてOCADがメインの人が多いと思います。で、基本的にOOMのほうが機能は少ないのでOCADからOOMに変換すると細かい部分がいろいろ破壊されてしまいます。なので描いた地図はOOM→OCADの一方通行にする必要があるんですよね。(つまり、OCADの地図をOOMに変換してそれをそのままタブレットで加筆修正し、またOCADに戻すのはダメ)

なので、まず必要なファイルは原図ファイル(もともとのO-MAPとか等高線原図とか)に加えて、タブレットで描きこむためのファイル(今回は作図用ファイルと呼びます)も作ります。作図用ファイルはもともとのO-MAPと同一の記号セットでオブジェクトがないものを用意すればOKです。

調査するときは必ずこの作図用ファイルのみに描くことで、OOM→OCADの一方通行にすることができます。これをできるだけ分かりやすくしてみたのが下の図です。

タブレット調査

「既存O-MAP」「等高線原図」「航空写真」は「作図用ファイル」の下絵 (=テンプレート)とします。

調査に行こう

準備ができたらタブレットを持って調査に行きましょう。OOMの基本的な操作方法は公式ページに載っています。読まなくてもだいたいノリと勢いでなんとかなります。

画像2

こんな感じでメモ用の記号があると便利です。

調査が終わったら作図用ファイルをOOMでOCAD形式に変換してOCADにインポートしましょう。

最後に

こんな感じでいろいろ面倒なこともありますが、慣れたらかなり楽なのでタブレット調査は本当におすすめです。

なんかわかんないことあったらHPの問い合わせ@miyanishi_ssに聞いてください。

そういえば学連のRTK基準局は撤去してしまいました。たぶんまた設置しますが、今は使えません。ごめんなさい。

ではまた


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