映画「フリー・ガイ」が最高だった話

(※こちらはネタバレ有りの映画感想です。ご注意ください。)

この映画、情報知った当初から結構楽しみにしていて、映画館で予告が流れる度に、まだかまだかと個人的に待ち望んでいた作品です。
(調べたら知ったのは2019年12月8日の映画秘宝さんのツイートで、相当前で驚きでした。)

当初2020年7月3日全米公開と書かれているので、本来ならもっと前に観られていたはずなんですが、なにしろコロナで延期しまくっていたので、早く観せてくれー!!って感じでずっと待っていました。

そして遂に2021年の8月13日に、やっと、本当に、ようやく公開ということで、次の日に観てきました!
(※8月14日に観に行ったにも拘らず感想が一か月程経って公開されているのは目を瞑ってください)

ゲームのキャラがNPCだと気付いてしまう話ということで、ゲームモチーフだしライアン・レイノルズが主演だし、ストレンジャー・シングスのスティーブ役の人(ジョー・キーリー)も出ているしで予告見た時点で気になる要素満載で、絶対バカバカしいコメディ映画だ!くらいの感じの印象で、軽い気持ちで観に行ったんですが、想像していたよりもはるかに設定が細かく練られていて、話に惹きこまれました。

正直「ゲームの意図しないバグかなんかでNPCがたまたま感情を持ってしまって…」くらいの簡単な設定かと想像していたら、人工知能を使用したコードを組み込んでいたおかげで、NPCでありながら自ら成長し行動を起こし、本当に感情を持って生きているキャラクターが出来上がってしまうという、割と現実でもありえそうなリアルな筋書きで、めちゃめちゃ凝ってる!!と感心してしまいました!

始めの方では「これ、"主人公がゲームのNPC"って設定も、知らなかったほうがより冒頭楽しめたのでは…?」とか思ってたんですが、そんな設定と物語は序の口の序の口で、もっと面白い展開が待ち受けてたので、完全に杞憂でしたね。

主人公ガイの正体が明らかになりつつある中で、ガイの好きなものがコード開発者の一人であるミリーの好みと同じなのは何故?とちょっとした謎や伏線が貼ってあり、最後の最後でその伏線が回収されてハッピーエンドへと繋がる展開も最高でしたし、ガイは感情持ってしまったけれどじゃあ実際の存在では無いことを知ってしまったら…?と彼の事を思うと切ない気持ちになってしまい、その後の展開も悲しいほうに向かうんじゃないかと観ながらハラハラしてしまったり、コメディ映画ながらなかなか心が揺さぶられるような展開で本当に面白かったです。
切ない展開ではなく、明るく希望のあるハッピーエンドで終わってくれたところも良かったと思います。
(ただ、せっかくイイ感じに終わったにも拘らず、どうもディズニーサイドは続編を希望しているらしく、これ以上面白くできるんだろうかと不安が…。でも、やるんであればまた期待して映画館に足を運んでしまうと思います。結果フリー・ガイはKFC2になってしまうということですけれどもw)

また、映画冒頭で「サングラス族はなんだってできる。何故かって?ヒーローだからさ。」と街が酷い有様になっているのに"サングラスをしている者はヒーローである"との皮肉めいた説明が入るんですが、ガイもサングラスをかけて彼自身のやり方でグッド・ガイへ、そしてヒーローとなったことで、最後には自分のやりたいことを好きなようにできる自由な奴、つまり「フリー・ガイ」となって終わるところは、タイトルの意味も最後に繋がり、冒頭の台詞も見事に回収されていて感動しました!お見事!!👏👏👏
観終わった時には「(す、スタンディングオベーションしたいレベルでめちゃめちゃ面白かった…!!!)」と心の中では思っており、立ち上がって拍手したい気持ちでいっぱいになっているくらいでしたw

ストーリーも面白かったですが、今回ゲームモチーフということで、ゲームでありがちなんだろうなーってネタがちらほら見受けられたのも楽しい要素の一つでしたね!
といっても、恐らく元ネタになっているんじゃないかと思われるゲームをやったことがないので、はっきりとコレはアレだ!とは言えないんですけども。(よく見かける「Grand Theft Auto」とか「Fort Nite」かなぁ?とは予想しているんですが…)
結構な暴力が飛び交うゲーム内なのに、可愛らしいウサギの着ぐるみスキンがあったり、煽ったりする為に踊るモーションがあったり、他作品のゲームや映画とコラボしているゲームで人気自体はやっぱりあるんだっていうのが垣間見えたり。

ゲームに限らず、小ネタもちょいちょい仕込まれていて、私がわかった部分だと
・アナ雪のアナの洋服を来た女の子
・パックマンのゴーストの形をしたライト
・「アタリ」と書かれたショルダーバッグ(※リの部分が隠れていたので、定かではないです)
・ロックマンのロックバスター
・デッドプールのステッカー
・アベンジャーズのポスター
・キノピオのフィギュア(amiiboだったかも?)
・ジャック・スケリントンのフィギュア

などなど…映画だったりゲーム関連だったりディズニー作品のものだったりと、他にも色々あったんでしょうけど、ちょっと細かくは見つけられなかったですね…。
だいたい、ネタの宝庫でパンフレットでの解説が必須!って作品なのに、何しろパンフレットが作られていなかったので、本来知ることが出来たであろう情報やネタ解説が無いのが非常に残念です。
映画終わった後に売店に行って発覚した時のガッカリ感たるや…。

そういえば、何気に字幕のゲーム用語監修にファミ通が協力していて、結構気合入れて字幕も制作されたのだなぁというのが見て取れましたね。
「BANする」を「出禁」としていたり、「NPC」のことを「モブキャラ」としたりとわかりやすい言葉になるよう配慮された字幕になっていたと思います。
「スキン」に関しては"肌を脱げと言われていると勘違いする"というギャグが成立しなくなるのでそのままになっていましたが、はスキン=キャラの衣装っていうのは、ゲームしない人でも流れでギリギリわかる範囲だったと思います。

ギャグと言えば終盤にあった、みんなきっとここでめちゃめちゃ笑ったであろうデュードとの戦いのシーンは本当に最高でしたね!!!!
満を持して出してきた感があったので、顔はもう絶対ライアン・レイノルズだろうと予想していたら案の定でしたけど、取ってつけたようなマッチョぶりはなかなか滑稽な姿で笑いましたねw(確認したら、そもそもアントワンが「次回作にガイを入れろ」と指示していて、その次回作用のガイにあたるキャラクターがこの「デュード」だったようなので、顔が同じなのは当たり前でしたねw)
ちなみにこのデュード、宣伝用の映像もあったり↓

未完成のキャラって設定もギャグの要素としてそれはそれは素晴らしくて、台詞が仮のものを設定してあるばっかりに「Catch phrase!(決め台詞)」とドヤ顔決めるところは笑う以外ないでしょう!!?w

そんでもってデュードの必殺ブローが刺さってしまう!!ヤバい!!!ってところでまさかのアベンジャーズBGMと共に突如出してきたキャプテン・アメリカのシールド!からの更にまさかのキャプテン・アメリカ本人のクリス・エヴァンスが登場!!の流れは映画館ながら声出して笑ってしまいましたね!!
その後もまぁハルクの腕出しちゃったり、スター・ウォーズメインテーマと共にライトセーバー出したりと、怒涛のやりたい放題なシーンでずっと笑いっぱなしでしたw

さて、コメディ要素もストーリーも設定も何もかも素晴らしいのですが、実は私がこの映画にめちゃめちゃ惹かれてしまった要素が実は音楽なんです。

それは映画の中盤、ガイとモロトフ・ガールがアイスクリーム食べたりブランコ乗ったりするシーンで聞き覚えのある曲が流れてきたんですね。

しかし、それはとある映画のメインテーマ。

普通別の映画のメインテーマをそのまま使うだろうか…?と混乱しつつ、いやでも、これ…これ…聴けば聴くほど、間違いなく…


「Paperman」だ…!!!


そのシーンでは初めてキスをする所で、「現実からゲームの画面を客観的に見て複雑な気持ちになる」というギャグが挟まれたため、サビ部分ともいえる一番盛り上がるメロディがぶつ切りされてしまうのですが、それは「Paperman」のメインテーマだったんです。

「Paperman」邦題では「紙ひこうき」
実はディズニーアニメーションのショートムービーのタイトルです。
3DCG映像が既に主流になっていた時期に登場した作品で、3DCGながらまるで2Dで描かれたように見えるアニメーションだったので、公開当時はちょっと話題になっていました。


もうね、この作品めちゃめちゃ好きなんです。
手描きアニメーションのように見えるキャラクターや背景に、ストーリー展開に魔法があって希望があって、光の表現も美しくてそしてそして何より物語を彩りまくっていた音楽が素敵すぎて!!

この作品、発表当時はディズニー公式がyoutubeで全編無料公開していたのを良いことに、それはそれは何度もリピートして観ていました。音楽を聴くためにもかなりの回数観ていたと思います。
音楽に関しては、日本でDL販売されていなかったために、わざわざ海外のiTunesアカ作ってダウンロードしてWalkmanに入れているくらい好きなんです!

そんな音楽の一部が「フリー・ガイ」の映画で何故か流れてきたわけですよ。
好きな曲が流れてきたばっかりに、な、なんで使われてるんだ…!!!!!???!?と、正直初見は映画に集中できなくなってしまうくらいに混乱してしまったんですが、疑問がふつふつと沸きつつも忘れたころにやってきた二度目のキスシーン!

”モロトフ・ガールと出会ったこと、一緒に過ごした思い出、好きだった気持ち、その全てを忘れてしまったガイが、記憶を取り戻す”
という、この映画の見所の一つと思われるカラフルで美しくて最高のシーンで、いっっっっちばん盛り上がる「Paperman」のメロディが再度流れてきたもんで、もう物凄く気持ちが高まってしまいまして「はいもうこの映画最高ですめちゃめちゃ好きいいいいいい!!!」ってなってしまったんですよ。
もうねあんな使い方されたらダメですよ。好きになっちゃいますよ。そりゃ。あの曲大好きなんですもん。しかもまさかのアレンジ版ですよ。好きな映画音楽がまさか別の映画で聴けると思わないじゃないですか。最高ですよ。

とまぁ、「この映画好きな一番の理由がそれ!!?」と、突っ込まれそうなところではありますが、もちろん映画自体が面白くなければここまで肩入れしていないです。逆に全然面白くない映画であれば、こんな映画にこの曲使うなんて…!!と憤りを感じていたかもしれません。

ちなみに、何故あの曲が使われていたかと微妙に疑問は晴れなかったのですが、スタッフ・ロールを見ていたところ"MUSIC Christophe Beck"とあり、作曲者は「Paperman」を作った方と一緒でした。
楽曲はSpotifyなんかで配信しているので、聴きたい方は是非に!

ネタバレ有り感想なので、これを読んでいる人はもう鑑賞済みだとは思いますが、観ていないよって方は、上映回数は現在少なくなっているものの、まだやってますので是非映画館へ…!!




※余談ですが、あまりに良い映画だったので8月末に実は2回目を映画館に観に行ってしまいました。
2回観ても最高でした!円盤楽しみにしてます!!!

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