姫路城3

いわきりなおとの国宝漫遊記 第4回「姫路城」の巻

世界も認める美しい白 

姫路城天守  兵庫県姫路市

漫画家いわきりなおとさんが、世界文化遺産でもある兵庫県姫路市の国宝・姫路城天守を紹介します。
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 姫路城は2015年に「平成の大修理」を終えたばかり。白しっくいの美しさを取り戻し、「白鷺城(しらさぎじょう)」の名にふさわしく白く輝いています。
あまりの白さに、修理前の姿を見慣れた人たちの間で「白くしすぎ」「これでは白すぎ城だ」と言う声もありましたが、昔の白さに戻っただけなのです。

 姫路城の白さは、約400年前に戦国大名の池田輝政が、天守を建てるのに白しっくいを採用した時からで、50年ほど前の「昭和の大修理」の時も同じような声が上がったそうです。また50年後くらいに大修理する時も、人々は同じようにびっくりするかもしれませんね。

 戦国時代末期から江戸時代の初めまで、日本にはたくさんのお城がありました。しかし江戸幕府が出した一国一城令や、明治政府の廃城令でたくさんの城が壊されました。さらに天災や太平洋戦争で数が減り、築城当時の姿を残す城は現在では12しかありません
 このうち松本城(長野県松本市)、犬山城(愛知県犬山市)、彦根城(滋賀県彦根市)、姫路城、松江城(松江市)が国宝で「国宝5城」と呼ばれ、他の7城も重要文化財に指定されています。

 さらに姫路城は1993年、奈良の法隆寺とともに、日本初の世界文化遺産になりました。その美しさは世界的にも認められるものなのです。
 昔の人たちが見た美しいお城が、天災や戦火をくぐり抜け、奇跡的にその姿を残しています。このお城を数百年後の未来まで残せるように大事に守り続けるのが、私たち現代人の役目だと思います。
(談 いわきりなおと/記事編集 共同通信 近藤誠) 


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