東京秋川渓流釣り場案内 第四回「南秋川-その1」

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東京都心からもっとも近くで本格渓流釣りが愉しめる秋川。多摩川の最大支流である秋川は東京都檜原村の山々から流れを集め、あきる野市を東へ流れたのち昭島市付近で多摩川へと合流する。秋川の魅力はなんといっても東京都心から近くJR武蔵五日市駅から電車やバスを利用しての釣行が可能だということにある。そして人情味あふれる里山を縫うようにしてつづく流れの中には美しいヤマメやイワナが逞しく泳いでおり、我々渓流釣り師を楽しませてくれるのである。

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いよいよ今回から檜原村役場先の橘橋より上流域へ進み、より一層の渓流釣りの雰囲気が増す南秋川の釣り場について記述していく。ヤマメはもちろんのことイワナまで狙える南秋川の釣りである。「南秋川-その1」では橘狭から支流矢沢出合いまでの約7キロの釣り場を紹介する。
秋川は檜原村役場下の橘狭と呼ばれるゴルジュ区間で北と南に分岐する。檜原村役場先の橘橋交差点を右に進むと北秋川、左へ進むと南秋川であり秋川の本流筋は南秋川といわれている。北秋川との分岐から最上流まで約17kmの流程で以遠は三頭沢とその名を変える。途中でいくつもの支流と合流しており週末アングラーがそのすべてを探釣しようと思えばそれこそワンシーズンがかりの釣りになるかもしれない。これだけ長距離の釣り場なので魚の濃い区間も薄い区間も当然ながら存在しており、限られた時間の中での釣行ならば効率良い入渓場所を選んで釣り上がりたい。当然ながら釣れる区間と釣れない区間は存在している。
尚、三頭沢は禁漁区に指定されているので注意する。そのほかにも立ち入り禁止区間に指定されている区間もあるのでうっかりそういった場所に入渓しないように気をつけなければいけない。

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もちろんベテラン釣り師の方にもお勧めできるというのは論ずるまでもなく、今年手にした尺ヤマメがこの激戦区秋川水系で釣り上げたとなれば長い釣り人生におけるトロフィーになるであろうことは間違いない。なぜならば終戦直後にはすでに激戦区といわれていた川である。

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読者の皆様に願うことは、種沢になっている上流域の魚はリリースをお願いしたいということである。もちろん強制をするわけではないのだが、餌釣りは鉤ごと飲み込んでしまう恐れも多いので上流域の細流では「ちょうちん毛鉤」釣りで楽しんでいただけたらと思う。ルアーの3本鉤で引きづり上げたときの魚に与えるダメージを想像してみて欲しい。元気な状態でリリースするためにはバーブレスフック、シングルフックの使用が好ましいということは筆者の変わらぬ考えである。釣りは難しければ難しいほどに面白くなり、自分の中での一匹に対する満足感が格段に上がるはずである。

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前回同様に、掲載している地図と写真を参照しながら読み進めていただくと釣れるポイントや要所などの全貌が分かる内容になっているので、釣行の際に参考にしていただけたらと思う。
こうした釣り場案内に対して、情報の量、信憑性、秘匿性について様々な意見がある。筆者の考えとしては、自分の足で実際に釣行取材を行い、その川の実際の姿を記述することを第一に考えており、そうでなければいけないと考えている。そしてビギナーさんや渓流釣りに興味をもっている方の参考になれたらと思う。尚、ロープや登山道具を使用する等の高度な遡行技術を要する場所は危険であることから未掲載にしている。注意していただきたいのは、ロープの携帯は必要ないと推奨しているのではないということで、安全に遡行しようと考えれば常に道具を携帯しておくことも必要なのである。
まずはこちらの動画で釣り場の全体像をご覧いただきたい。筆者が実際に釣行取材し記録した内容で「釣りしている様子」だけではなく「釣り場の様子」にも重点を置いて編集しているので、どんな釣り場なのかイメージを掴んでいただけると思う。
ぜひ東京秋川であなたの釣り物語を。

↓動画(収録時間 約20分)
本編/東京秋川渓流釣り場案内 第四回「南秋川-その1」

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