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高校生向けセミナー「簿記と税理士」【 開催レポ 】

 昨日は、非常勤講師を務める専門学校にて、高校生向けのプチ講演をしてきました。

 高校1.2年生に対し、専門学校の先生が「簿記検定講座」を実施するというイベント。

http://www.chuo.ac.jp/cia/☆日商簿記検定2級-集中対策夏季セミナーのお知ら/

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 私は最終日に、「簿記と税理士」というテーマで、講義ではなく「講演」をさせていただきました。

せっかくなので、自分の備忘録も兼ねて、話した概要をまとめておきます。

♦ 税理士は、皆「簿記が大好き」ではない!

 私の登場は、最終日のお昼過ぎ。目の前には、夏休みなのに4日間、ミッチリ簿記の勉強をした高校生たち。

 簿記はもう嫌・・なんて思っているかもしれないので、安心させる第一声から入りました。

「どうも、簿記自体はそんなに好きではない税理士の岩下です。」

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■ 簿記は「言語」という発想

 高校生や簿記の勉強を始めたての人に、必ず話すこと。

 簿記が得意、簿記が好き = 会計業界が向いている・・わけではない、ということです。逆もしかり。

 こんな板書を書きました。(一部省略)

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国数英は、義務教育で全員が、勉強する「言語」。

特に国語力が問われる職業といえば、例えば小説家があります。

では、小説家はなぜなりたいと思ったのでしょうか?

「書くことが好きだったから」
「自分の気持ちを表現できる仕事をしたかったから」

 「国語が好きだったから」「漢字が好きだから」みたいな回答は少数派ではないでしょうか。もし「漢字が好き」のように【 言語そのもの 】に興味がある人は、その言語の学者や、学校の先生が向いているかもしれません。

 研究者も「算数が好きだったから」とは言わないでしょうし、通訳さんも「英単語や文法が好きだったから」ではなく「グローバルな仕事をしたい」というような答えが返ってくるでしょう。

 小説家や記者を目指しているけれど、「国語」が苦手な人もいるかもしれません。通訳の仕事をしている人だって、夢のために頑張れたけれど、文法の勉強は苦手だったかもしれません。

 そして逆に、どんなに「国語」が得意でも、表現力が無ければよい小説家にはなれません。

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■ 仕事は、言語そのものよりも、用いる力(表現力)

 簿記は、会計業界の「言語」です。

 簿記、つまらないな~って思っている人。簿記の延長に、税理士という仕事はありません。逆転の発想が必要です。

 小説家になりたい。じゃあ、本を読もう。国語も頑張ろう。

 税理士やコンサルティングの仕事をしたい。じゃあ、経営の本を読もう。つまらなくても簿記、頑張ろう。

 まだ経営とかよく分からない。それならその時に備えて、簿記と言う言語を磨いておこう。(今回の高校生は全員商業高校の子なので)

 簿記が嫌いでも、苦手でも、税理士に求められることは、簿記のエキスパートではなく、簿記と言う言語を利用して「会話ができる力(コンサルティング能力)」、表現力です。

 私は「簿記」という言語自体にはあまり惹かれませんでしたが、会計業界で「表現すること」は好きです。

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・・と、まあ文章に起こすと若干恥ずかしいですが、高校生向けなので熱血講師な感じで話しました。

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♦ 税理士受験の講師をしていて思う事

 税理士は、「簿記検定」の延長で、受験を始める方が多いです。税理士になりたいという目標ではなく、目の前の目標(簿記3級、2級など)をクリアしていったら辿り着いたという流れ。しかし、税理士試験は、会計科目よりもメインは法律科目。「法律の試験」です。簿記が好き、得意だからと始めても、途中から急に違う勉強が始まります。

 そのギャップで「なんでこの資格を目指しているのか?」「つまらない」と途中で受験をやめてしまう方が多いです。

 ですので、高校生に伝えたかった「逆転の発想」。逆転と言いますが、「なりたい職業だから、受験する」という本来の発想です。

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 ちなみに、税理士になりたいのに「簿記」で苦しんでいる人がいたら・・

 参考までに、私は簿記が苦手でしたので、スマートではなく根性で乗り越えました。もう勉強、溜息、勉強、溜息で (こんな勉強がしたいわけじゃないブーブー)笑。

 その後は、まさかの財務諸表論という会計科目の講師もしましたし、税理士になっています(・・おかげで受験後に得意になってきました。)

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 上記の内容のほか、私なりに感じる税理士や会計業界の魅力的なところも紹介しました。

 高校生に話しながらも、また私自身も「夢」を持とうと思えた時間。にしても、高校生っていいな~(変な意味じゃないです。通報しないでください。)

 さて、休日出勤・・月末の仕事、頑張ろう!

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