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「夜と霧」の類義語「白昼夢」。東京入国管理局より

今日は入国管理局に来ている。

東京入国管理局は、東京拘置所を小さくしたような監視しやすい建築様式「パノプティコン」。
開局前の入国管理局は、80メートル程の長蛇の列。


入国管理局の隣のローソンに入ると、差し入れ用なのか海外のスナック菓子やドリンクがたくさんあった。



そのローソンで、あんドーナツを買って齧っていると、蛍光色の上着を着た入管職員に声をかけられた。
ローソン前に10分以上駐車していると警察を呼ばれるとのこと。



入国管理局の駐車場は21台分。朝8時には全部が埋まり、10台以上が道に並んでた。
入管側の道路は仕方ないとして逆のローソン側は厳しいらしい。
レッカー移動になる車も多いとのこと。

それってつまり、車をちょいとローソンに停車し、入管に入り、不法滞在者とされて戻ってこられない人がいたってこと?


在留の方たちはそれがあるかもとわかっているからか、緊張した雰囲気。

窓口では職員が日本語で書類書式を大声で説明している。威圧感が強い。

待合室の中に今日も何人かがエレベーターで上の収容所に拘束されて戻らない。

ナチスが夜のうちに霧のように人をさらい、強制収容所に連れていくとフランクルは言っていたが、入国管理局はアリジゴクのように待ち受ける。

収容される方は、白昼に悪夢を見るようなものだろう。
「夜と霧」の類義語として、「白昼夢」でいいと思う。
これまで乗っていた車、寝ていた布団、住んでいた部屋に二度と戻れない。

そして、入国管理局に出頭するということは、そのくじ引きのような不確かな可能性を試されるということ。
これまでの住居に戻れない可能性。

不安になる人は多いし、実際に入管に何ヶ月も収容された人達は、強制送還もある。母国では生きるすべがない現状から日本に来たのに、ここでも収容され、まるで死刑囚のような処遇を送る。

私が見てきた入国管理局の経験者は、PTSDを抱えているような人がとても多い。

眠れない。お酒に頼る。フラッシュバックがある。オバードーズする。希死念慮がある。

境界のどちらに転ぶかは運次第。運良く仮放免になったとしても、「本邦での就労禁止」という無理ゲーを強いられる。

生きるために働かなくてはならないのに、働く権利が無い。
 良き支援者の知恵と工夫に引っかかれた人たちは食いつないでいるが、そうでない人は多い。
 
さらにまた入管法、改悪になるらしい。

https://note.com/chidaism/n/n00fc6532d7af


自分の生存権まで危うくなっていきそうな流れにも思える。


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