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出所した時、所持金は1000円だった。 それどころか、約2億円の債務があった。

今朝すごく怖い夢を見た。

自分が追われる夢。

身柄を拘束されるのが時間の問題という焦り。

私は逃げる。

夜露の光る暗闇の中を人の視線をかいくぐる。

過去自分が逮捕される前と同じような焦りだ。

学校か職場か、同僚はたくさんいた。
その同僚達と同じ動きをしては、私を追う者に気付かれてしまうから、私は誰にも見つからないように行動する。

足元からの冷気を防ぐため、雨を通さないズボンを履き、足首の締まったブーツを履いていた。
真っ暗な地面に座り、体温を奪う冷たい地面に座っていた。

夢から覚めて、忘れないうちに古馴染みの仲間に電話した。
今も生きていくのが大変な、
貧困のさなかにいる、
福祉職で働いている大切な仲間。
福祉関係の仕事で詰まると、ここに助言をもらうことも多い。

その人に夢を忘れないうちに、この夢のことを話した。

掛け布団が少し薄く、熟睡するには寒かったのかもしれない。夢でも外気の冷たさを確かに感じた。

罪を犯す人には2種類の人間がいる。

何も大切に出来ず自暴自棄になっている人か、

大切にしたい何かを持っている人。

私はどうだったか?

過去の私は、守りたいものがあった。
守りたい家族がいた。

自分の選択に忠実に動いた。
選択したものに対して責任と制約を持ち、やり遂げるよう努めた。

その結果、15年間刑務所に入ることになったが、それは大切な人を大切にした覚悟と制約だった。


今年1年を振り返り、今年も自分の選択に忠実に動いてきた実感がある。

私には大切にしたい人達がいて、その人達にメガネを届けたいと思う。

私が大切にしたいのは、主に生きることもならままならない、生きていくだけで精一杯のいわゆる低所得者の人達だ。

これまでもそうして大切にしたい人たちにワークショップを提供してきた。刑務所出所者、エッセンシャルワーカー、医療従事者。

私も含めてだが、生きること、生かすことに課題を抱えている人たちだ。

その人たちにメガネを作りたい。

イノチグラスが好きなのかと問うと、
イノチグラスにしかできないものが分からず、はっきりとしない。
イノチグラスは一本6万円はする。

所得の少ない人は、価格で作ることを諦める。多くの人は、これまでなしで済ましてきたものに高い金は払えない。

それは本当だろうか?

私も、これまでなしで済ましてきたものに多くのお金を払ってきた。不便を感じていたし、必要としたからだ。

今年1年、学びに費やしていた。
NLPマスタープラクティショナーと、
ヒプノセラピーと、
眼球を使ったトラウマケアの諸々、
イノチグラスの作り方を学んだ。

多くのトラウマケアを学んだが、それを看板に掲げるつもりはない。
トラウマを扱う怖さを持っている。
だが、クライアントの持つトラウマに触れた時、力になりたいと思ってこれを学んできた。

はっきり言って、学ぶばかりで入ってくものが少ないから、財政状況が焼け石に水。
メガネを始めるにあたり、フレームや機材の仕入れもあったことから、毎月20万ほどのカードの支払いがある。
毎月カードの支払い額ギリギリに通帳口座にお金を用意する自転車操業をしている。

この焦燥感に動かされる。

今年の下半期、イノチグラスの再検定に何度も落ちた。
何度も諦めようとしたが、食費を切り詰めて、融資を受けてここまで来た。

今、新たな恐怖と向き合っている。
イノチグラスを扱い続けるには、株式会社innochiとの年間契約が必要だ。

契約料は今住居としている家賃ぐらいするプランと、新型iPhoneを使う携帯電話ぐらいの月額プランの二択だ。
前者は発注のコストが低い。

もう一つの選択肢は、イノチグラスを作ることをやめること。契約には競業避止義務があり、辞めてから2年間はメガネ作りで生計を立てることはできない。
また、自転車操業の自分だから、破産手続き開始が資格剥奪の理由となることに怯える。

この三つの選択肢、どれにしようか悩んでいた。

私は自分の影を見る。

私のシャドーは、自分の家族を養うことをニーズとしている。それ故に周囲の者達から時間と労力その人の人生の時間を奪う。

私はその人に憧れ、その人を嫌っている。

自分を大切なものを保護するためには、他を虐げていいのか自問する。

また、今年やりたかったことの一つに、去年取得した宅建の資格を活かして住居に困っている人に生活の拠点を見つけること。ハウジングファーストをしたいということ。
残念ながら、とても残念ながら今年これは叶わなかった。
通信制の大学もそうだ、入学はしたが、単位取得に及ばなかった。
こちらにもう少し力を注ぐのもいいのではないか?

さておき、私は選ぶ。
過去との自分との誓約と約束のため。
私が大切にしている人達にメガネを届けるため、契約する。
家賃ぐらいの月額負担をする。毎月10本以上メガネを作るならば、こちらのプラン。

ここ何日か考えてみたが、多くの人にメガネを届けることが出来るこのプランにする。
また、私は近くにいる人を大切にしたい。
自分の手の届く範囲は、自分が庇護したい。
幸せに貪欲だ。

セラピストを始めた理由は、たくさんの人と出会いたいから。
メガネを作る理由は、たくさんの人の目を見たいから。
意味するところは同じ、人が好きだ。

多くの人に、
見え方で世界が変わるメガネを届けたい。

刑務所を出所して、東京に住み着いてから、今年で7年を迎える。

今、自分が大切にしている全てのものは、ここ7年で手に入れたものたちだ。

出所した時、所持金は1000円だった。
それどころか、約2億円の債務があった。
4年ほど前に破産手続きをして、全ての債務を整理した。

お金と共に失うのはお金で手に入れたものだけだ。怯えることはない。
この世は橋。住処を立てずに遠くまで行けるよう、渡っていくよ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。また嫁(つつ)がない話を書いていきます。
今年も1年お世話になりました。

メガネの申し込みホームを作りました。
以下のリンクにアクセスください。

1月7日、夢のワークをします。

https://www.kokuchpro.com/event/076cc0c09fc80cf97f2f9d624924a9c8/


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