「HUMAN PARTY」の後で。

全国9箇所を回る「HUMAN PARTY」ツアーが昨日の恵比寿LIQUIDROOMにて、終演しました。来てくれた皆さん、本当にありがとうございました。この文章は、アーカイブ的な意味もあるけど、基本的には来てくれたみんなに向けて書こうと思います。先ずは、最初に一言。最高にいいツアーだったぜ。ありがとう。

タイトルは「HUMAN PARTY」これどういう意味かっていうと、毎回説明はしてたんだけど、「一人一人の人間がそのままで肯定されるパーティを作りたい」ってことです。人間ってのは(俺もそうだけど)気を抜くと、すぐに「数字」にされちゃったり、「大衆」にされちゃったり、「その他大勢」にされちゃったりする。例えば、ツアーファイナルのLIQUIDROOMで言うと、来てくれたみんな一人一人が、「LIQUIDROOMに押しかけた何百人」だったり、「オーディエンス」だったり、便利な言葉で呼ばれるわけじゃないすか。

で、ある意味ではそれ正解なんだけど、ある意味では違ってて。どんな言葉を使おうが、一人一人違う人生を生きてる訳で、それぞれの生活があると思う。例えば、同じ「LIQUIDROOMにいる人」でも、札幌から来た人もいれば、休日なのに朝から働いてから来た人もいると思う。悩んでる人もいれば、晴れやかな人も。それを、一まとめにするんじゃなくて、一人一人に向き合いたいと。そして、一人一人の明日からの糧になるようなライブをしたいと。そういう思いで9箇所回ってきました。

こりゃあなんだ。偽善か、臭いぞ、何でそんなこと思ってんのか、と俺が文章を読む側だと考えるんで、このツアーで話し続けてきたことを補足させて。面倒臭いと思った人は3マス進む。後半から読んでください。

原体験。俺は商店街で子どもの頃を過ごす訳ですよ。ほんで、賑やかな商店街の近くに、非常に便利なショッピングモールができて。で、人はそっちに流れていくから、商店街がどんどん寂しくなっていって、個人でやってるお店もどんどん閉まっていった。子どもの頃はそれが当たり前だったんだけど、今になって考えるとそれってめちゃめちゃ悲しいことだなって思う。理由はそれだけじゃないんだけど、非常に悔しいんですよ。
ショッピングモールってのは、どこに行っても大体同じ商品が置いてある。そりゃあ、ちょっとずつ違って、そこに対する創意工夫も勿論あると思ってます。が、そういったコピーの建物によって、個性豊かな、もはや人間そのものみたいなお店が沢山集まった商店街がなくなっていくのが、悲しい。その悲しさやら、悔しさが原体験として俺にあって。東京で例えると、下北沢駅だってそうじゃん。いろーんな店あってゴチャゴチャしてたものが、今どこにでもある普通の駅に変わっていってる。ああいうの観ると、俺は悔しいんですよ。
もっとゴチャゴチャしてろよ街!商店街は芸術だぜ馬鹿やろう!って。

だから、俺は本来ならば、それぞれ個性に溢れて別々のものが、何かのコピーになっていくってことにすごく反感を持ってるんです。絶対にバラバラでいい。バラバラ至上主義。「HUMAN PARTY」に話を戻すと、だから「一人一人の人間がそのままで肯定される」ってのをテーマにした訳です。「ショッピングモール コンビニエンス チェーン店みたいな人間じゃなくて」ってのはそういう訳。みんなチェーン店みたいに何人もいる内の一人じゃなくて、一人一人は替えのいない一人一人。1ダース買ったミネラルウォーターと違うんだ。

長くなりつつありますが、こっからが本題。

そういうテーマを掲げて回ったツアー。来てもらった人は分かると思うけど、セットリストの最後、「ロールプレイング」「フカンショウ」「MOMO」「めちゃめちゃ生きてる」と続いてフィナーレする。これは自然とセットリスト組んでく流れでそうなったのもありますが、意図があるんです。

歌詞をしっかり読んでもらえれば分かるけど、「ロールプレイング」と「フカンショウ」は根底では同じことを歌っていたり、「MOMO」で言い表さなかったことを「めちゃめちゃ生きてる」って言葉で言い表したりしてる。
要は、昔の曲と新しい曲を交互にやりながら、そこに繋がる思想を表現できたように思うんですよ。ここが、Twitterにも書いたけど、このツアーの肝だと思います。

こういう表現ができたことに嬉しかったし、何より、来てくれたみんながこの流れの意味をそれぞれ感じとって、昔の曲でも今の曲でも関係なく、盛り上がってくれたことが嬉しかったです。5年バンドを続けて、やっと伝わってきたものがあるんだと感じたし、本当に自分たちにとって宝物とも呼べるフロアができたなとひしひし感じました。浪越がツアー中盤で「めちゃめちゃ生きてるとしか表せないような俺たちにしかできないライブになってきてる」と言っていたけど、まさにその通りだと思う。モッシュもダイブもなくて(否定してない)、でも、その中でみんな一人一人が爆発してて、「めちゃめちゃ生きてる」としか言えないフロアでした。これには、感謝です。ありがとう。

千葉の初日の熱気、仙台の約束、札幌のドリンクバーの埃、福岡の真夜中の虹、広島のアットホームさ、新潟のおにぎりの話、大阪の母性、名古屋の叫び声みたいな歓声、待望の恵比寿。その全てが宝物です。

最初は、ただの言葉だった「めちゃめちゃ生きてる」が、色んな意味を持ちながら、誰かのものになっていく。その奇跡みたいな瞬間に立ち会えました。これだからやめられねえ。

「HUMAN PARTY」ってのは今回のツアーのタイトルだけど、これからの俺たちのライブのテーマでもあると思ってる。し、これからも俺たちはめちゃめちゃ生きるために、俺らだけのライブをやり続けていきます。ずっとマイペースに。LIQUIDROOM埋まらなくて、大変悔しかったのは、まだまだ伝えたりないから。あんな景色見れたからには、まだまだ模索を続けます。

たまたま触れ合った俺らの人生とみんなの人生。これからもそれぞれ、やっていきましょう。バラバラのままで、めちゃめちゃ生きよう。

「HUMAN PARTY」を作ってくれたみんなに最大級の感謝と、
明日からも、頑張れよ!




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