第9回「秋田のセンチメンタリスト」
のんびりと池田修三
池田修三さんの版画を知ったのは何年前になるだろう。藤本智士さんが秋田県のフリー雑誌「のんびり」の編集長に就任され、池田修三さんを特集し、大々的に象潟公会堂で展覧会をしたあたり。2013年頃だろうか。のんびり、というフリー雑誌も、なかなか手に入りにくい中、県庁へ出向きもらいに行った記憶がある。とにかく、のんびりの中で池田修三を知った。冊子のなかのこどもたち、おとこのこ、おんなのこ。子供の持つ美しさ、星の輝き、雪の潔白、そうした日常の機微がみずみずしく描かれているのに感銘を受けた。
藤本智士さんが手掛ける池田修三展は、ほぼ全て行った。池田修三熱に拍車がかかり、我が家では修三さんの作品を購入したことがある。
奇しくも娘が生まれた年の作品で「雷神」。我が家の猫の名前は雷都。つくづく縁を感じる。雷様が、我が家を守るカタチになった。
のんびりが終了し、いつしか象潟は通り過ぎる地になってしまう。世の中が、職場が、めまぐるしいスピードで変化した。そして2023年11月。
池田修三作品集「ものがたり」とそれを彩る花々
昨年、池田修三生誕100年にあたり「作品集」が刊行された。先日は象潟公会堂で作品展が開催され、夫と「あの感動を再び!」と鑑賞してきた。
今回、池田修三展を知ることができたのは友人であり、展覧会の花を手掛けたソルティカフルールさんからの情報であった。ときを同じくして魁新聞での告知。彼女の手掛ける花はセンチメンタルの一言につきる。そして愛らしい。見る人を優しい気持ちにし、穏やかに変身させてしまうのだ。
ソルティカフルールさん
池田修三の作品とソルティカフルールさんのコラボは見事だった。また、こういうコラボがみたいと強く思った。
興奮冷めやらぬまま、今日は休みで朝から、わたしは珍しく花の手入れをしている。秋田のセンチメンタリストふたりをコラボさせて優雅だ。
池田修三展は11/12日曜日まで。ソルティカフルールさんはホームページを参照してください。
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