いわて発 今、地域福祉に携わる私が思うこと

 私は岩手県県南地域の在宅介護支援センターで相談員として勤務し今年で3年目。そんな若輩者の私が、福祉を語るなんぞ恐れ多いが、せっかくの機会。私の目線で感じること、考えることをここに書きたい。

福祉は誰のためにあるの

 私はしばしば、福祉は誰のためにあるのだろうかと考えることがある。それは、地域〇〇会議とか地域と名が付くものは、大体支援者側しか集まっていないことがほとんどで、地域の細かい実情を知らない人たちが机を囲んでも、それは机上の空論としかなり得ないと私は感じているからである。

 私が担当している地域で大体話題に挙がるのは、交通手段の問題である。自らの移動手段を持たない高齢者が増加し、併せて車社会のため、公共交通機関(田舎では主にバスのこと)の利用客が減り、本数が減らされたり廃止になる悪循環がある。ここまでは大体支援者側が皆感じている。

しかし、もっとミクロな所に目を向けると、実は週末息子が来て買い物等に連れて行ってくれたり、隣近所同士で声をかけ、乗せて行ったりとそれぞれが持つ資源を有効活用し生活している現状がある。まあ、皆がそういう人たちばかりではないのだが、ただ実情を知らない人たちだけで声をあげても何も意味がないのである。

私(たち)に出来ること

 そういった現状のなかで私たちに出来ることは、小さな個々の困り事を聞き、それを代弁することだと感じている。また、実際社会福祉協議会が地域に対して地域課題を話し合う会議を行うように支援しており、そこで抽出された個々の課題を地域の課題として取り組む形が現在とられている。しかし、そこから市全体として行政も含め取り組むべき課題へとうまく抽出されておらず、そこにも課題を感じていて、声をあげる必要があると考えている。

 先日、ある方から、制度は後から出来たり変わっていくものだから、私たちが実践研究し、発信していくことを日頃から意識していくことが大切であるとご指導いただいた(もしかしたら、少しニュアンスが違ったかもしれませんがあしからず)。私自身、研究と聞くと食わず嫌いでアレルギー反応が起きそうなのだが、自らの実践と、抱く問いに対して研究する、この両輪こそがソーシャルワーカーとしての資質を高めていくために必要だと感じる今日この頃である。

 最終的に何を言いたいのかよくわからない内容になってしまったが、これが今の私の考えることであり、この場を頂けたことに感謝したい。

あとがき

 昨日、私が所属する社会福祉士会のブロックで、「わかもの会」なるものがスタートした。これは、私が以前福祉を語る会を個人的に別地域で開催した経緯があり、それをブロックのほうで予算化すると声をかけて頂いたのだった。初回は8名が参加し、2ヶ月に1回を目処に定期的に開催する予定である。何かの機会に、また発信することが出来ればと思う。

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