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【求人コラム】ゲーム会社からデザイナーとして内定をもらえる人物像とは?【今昔】

最近、デザイナー志望の方々のポートフォリオを見ていて思うのは、「皆さん、本当にお上手だなあ」ということです。

昔と比べ、随分とレベルが上がったものです。

作品以外にも、昔と今とでは、『求められる人物像』も大きく変わってきているように思います。

私がゲーム業界から、デザイナーとして初めて内定をもらったのは、もう20年以上前ですが、実際に内定をもらったという『実例』として、その当時の私の人物像を紹介したいと思います。参考になりそうでしたら幸いです。


ゲーム会社から内定をもらえるのは、こんな人物だ!【昔】

20年以上前、私がまだデザイン専門学校に通っており、ゲーム会社からデザイナーとして初めて内定をもらった時は、下記のような学生でした。

・PCを触ったことがなく、PCスキルはゼロ
・ゲームは、ほとんど遊ばない
・映画は、ほとんど見ない
・友人は一人もおらず、専門学校でも誰とも会話しない。コミュニケーション力が無い
・無表情で感情を表に出さない
・消極的で寡黙
・定期購読していた漫画雑誌は、『月刊漫画ガロ』と『コミックトム』のみ

いやー…、我ながら、エンタメとはかなり遠い位置にいる学生ですね。
全然、参考にならない人物像ですね。すみません。

よくゲーム業界は、招き入れてくれたなあと思います。

ただ、当時のゲーム会社は、今の時代と違って不健全で殺伐としていたように思います(関西のゲーム会社だけ?)。

開発室の隅に毛布が積み上げられ、泊まり込みや徹夜なんて当たり前の世界で、朝になると、泊まり込みで仕事をしていた女性スタッフが冷たい洗面所の水で髪を洗っていたりしました。
仕事が終わってないのに定時で毎日帰るプロ意識の無い先輩デザイナー、付け爪を付けた指でキーボードを打つビジュアル系先輩デザイナー、むしゃくしゃすると駅前で見知らぬ人にケンカを打って生傷を作って帰ってくる女性デザイナー、仕事のダメ出しを受けて泣いてるデザイナー、課長同士で怒鳴り合ってる会議、セクハラ・パワハラ日常茶飯事でした。

そんな時代のゲーム業界だったから、私のような人間でも何とか入れたわけですね…。

今、そんな職場が有ったら大問題です。
ゲーム業界も随分変わったものです。


参考にならない昔の例を出しても意味が無いので、では、改めて…



ゲーム会社から内定をもらえるのは、こんな人物だ!【今】

今の時代に、ゲーム会社で歓迎される人物像とは、どのような人物像でしょうか?

敢えて書き出す必要も無いくらい、誰もが思い付く当たり前のような人物像だと思いますが、それでも敢えて書き出してみようと思います。


①グラフィック系のアプリケーションソフトを扱える

普段から使い込んでいるような即戦力レベルだとベストですが、何かしらの事情で、まだ不馴れな方もたくさんいると思います。

その場合、すぐに使いこなせそうな素質が感じられ、前向きさがあれば良いと思います。(作品にデジタル作品は必須ですが。)

ただ、PC環境等、普段からCG制作に触れる機会の有る方は、3Dやドット絵等にも「興味が有ります!」というだけでなく、実際にチャレンジしていただけていると良いと思います。

3Dもドット絵も無料でチャレンジできる時代なので、「興味があるのなら、なぜ、やってないの?」と面接で確実に聞かれると思います。


②明朗快活な人柄

はい、最高ですね。

一緒に仕事をするなら、暗くて気難しい人よりも、明るく楽しく一緒にいることが苦にならない人がいいですよね。コミュニケーションも取りやすくなりますので。


③ゲームが好きであること

ゲーム開発を仕事にしようと思っているわけなので、ゲームが好きであることは当然求められます。

何かしらの事情で、あまりゲームに触れる機会が無かったとしても、ゲームを好きになり、理解しようとする前向きな気持ち、時間を割いて遊ぼうという姿勢は必要です。

また、デザイナー職に対しては、『ゲームのグラフィックを作りたいのか?』それとも『自分の絵柄でイラストを描きたいだけなのか?』という観点でも審査されることがあります。

ゲーム開発会社に求められるのは、当然、前者です。(後者の気持ちも当然持っていていいのですが、比重として強すぎると、実際のゲームグラフィック業務にギャップを感じて素直に楽しめないかもしれません。)

ゲームのグラフィックも、上部だけの表現だけでなく、ゲーム性を考えた上で、『必然性のあるグラフィック』を作れる人が望ましいです。


④映画や小説、漫画、アニメ等、人を楽しませようとする作品が大好きであること

この世の中には、たくさんの素晴らしい作品が山のように存在しています。それらをたくさん見て、自分自身の脳内データベースにたくさんインプットしていないと、デザイナーとして、それらを噛み砕き、昇華し、アウトプットすることはできないと思います。

心を奪うほど深く美しいもの、無条件に憧れるような格好いいもの、無駄の無い洗練されたシンプルなデザイン等、とにかくたくさん良いものを見て、が『目』を鍛えておいて欲しいです。

格好いいとか、可愛いとか、綺麗だとか、良いと思う感覚・センスが通じないと、デザイナーとしての会話が成立しなくなり、実際に一緒に仕事をしても、求められることを理解できず、つらいことになるように思います。


⑤コミュニケーション力が高いこと

会社という組織に所属し、開発チームに配属されて、チームメンバーと共に協力しあって納期までにゲームを完成させるわけなので、コミュニケーションを大切にすることは当たり前のことであり、コミュニケーション力を求められるのは当然のことです。

人見知りでどうしてもコミュニケーションを取ることが苦手な人は、コミュニケーション自体を良いゲームを作るために必要な『仕事』だと考えると、少し気持ちが楽になって行動しやすくなると思います。

自分のことだけ考えるような人ではなく、たくさんの人と会話して繋がり、協力し合い、理解し合い、繋がりを持つ多くの人たちのことを大切に思える人であってもらいたいなあと思います。


⑥積極的で行動力があること

何事にも好奇心を持って、積極的に行動できる人物のほうが、より多くの知見を得て、経験値を積み、どんどん成長していきます。

誰よりも先に行動し、誰よりも多くの経験を積めるということは、自分自身の未来への投資でもありますね。
そういう人物は、当然、どんな会社も欲しがります。

学生の方で、受け身気味に日々を過ごしているような方は、周囲の先生を掴まえて、積極的に教えを乞うようにしてください。
受け身の姿勢で、教えてもらえることを待っているのは、もったいないです。

また、デザイナーとして、できるだけデジタルではなく、リアルなものを肉眼で直接見て、様々な体験を積んで欲しいです。
例えば、美味しそうな料理の画像を見るだけでなく、直接、その料理の実物を『見て』『嗅いで』『触って』『味わって』欲しいです。美しい光景は、写真で見るだけでなく、直接、現地に赴いて、空気に触れ、肉眼で様々な距離、角度から、しっかり見てほしいです。

行動力から得られるそのリアル体験が、デザイナーとしての発信力・説得力を引き上げます。


⑦アルバイト経験があること

学生のうちに、できるだけアルバイト経験は積んでおいたほうがいいと思います。
お金をもらって働くという責任性や社会の仕組みに触れることは、とても学びが多いので。

アルバイトであれば、短期で様々な職場や仕事を経験できるので、アルバイトをしないのは、もったいないです。


⑧責任感が強いこと

仕事である以上、当然のことですね。
納期でも、仕事を終わらさずに普通に帰ってしまうような人や、クオリティにこだわりを持てない人は、そもそもプロとして、お迎えしたくないです。

逆に、責任感が強く、与えられた仕事に対して、

・必ず期間内に仕上げる
・商品として十分なクオリティを出す

という点を満たしてくれる人は、どんどん信頼を得て、大きく重要な仕事を任せられるようになります。


⑨負けず嫌いで、努力家であること

例えば、仕事のダメ出しを受けて、そのまま落ち込んで反省して終わりではなく、クリエイターであれば、ダメ出しされた点を理解し、じゃあどうすれば良いのかをしっかり考え、求められていたもの以上をクリエイティブで返してくるような、そういう人は、とても伸びるように思います。

悔しいという思いは、さらなる成長に向けての活力となりますので。

無理せず、自分の歩幅でマイペースに前を向いて歩く形でも良いと思います。成長に向かって、努力を積み重ね、しっかり歩いていけることが大切だと思います。


⑩謙虚で礼儀正しく、人を敬うことができる

新人として新しく組織に受け入れてもらい、多くのことを教わるわけなので、謙虚で礼儀正しくできるのは、当たり前のことですね。


最後に

色々書き出してみましたが、あくまで参考程度にしてください。(ゲーム会社によって、考え方も求める人物像も様々です。)
一番いいのは、入りたい会社で働いている人に、直接会って聞くのが一番ですね。

昔と今とでは、ゲーム業界に受け入れてもらえる人物像が、かなり真っ当になったように思います。

昔のゲーム業界は、一般社会で受け入れてもらえないような人達がたくさん集まり、稀有な才能を発揮していたのですが、ゲーム産業自体がまだ新しかったということもあり、色々と環境が整備されておらず、体を壊したり、鬱になったりして、若くしてゲーム業界を離れる人がとても多かったように思います。

今のゲーム業界は、かなり環境が整備されて、日々過ごしやすく健全になったことで、長く働けるようになりましたが、華やかに見える業界ということもあり、就職希望者も増え、その分、競争率も激しくなって、実力が無いとなかなか入れなくなりました。

どんなに人柄が良く、理想的な人物像だとしても、結局、デザイナーとしての実力が無いと、採用されることはありません。その点は、シビアです。

ただ、多数のゲーム会社から、不採用通知を何度も受けとった場合でも、落ち込み過ぎないで欲しいです。
不採用の理由なんて、実際には些細なものも含めて様々です。

実力不足以外にも、
・その会社がたまたま応募者さんの才能に気付けなかった
・既にいるスタッフと合わない(馴染めなさそう)
・他に比較対象となる応募者がいて僅かな差が有った
・採用タイミングがたまたま合わなかった
・住所が少し遠すぎる
…等、本当に不採用の理由なんて、実際には様々だと思います。

不採用通知ばかり届いたからといって、応募者の方の『人としての価値』が下がるわけではありません。

どんなに不採用となろうと、20年前の私に比べれば、遥かに今の時代の応募者の方々のほうが、スタートポジションとして非常に優位な位置にいるように思います。

私のような人間でも、ゲーム業界に入ってから、誰よりも努力を重ねて、多くのことを学び、デザイナーを名乗ることができるようになりましたので。

これから、どう日々を過ごすかが、大切だと思います。

一度きりの人生なので、本当にゲーム業界で働きたいという強い気持ち・努力を惜しまない強い意志があるのであれば、自分の未来が輝かしいものになるよう、精一杯努力を積み重ねて、自分に合ったゲーム会社をあきらめずに探してみても良いかもしれません。


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森田/イクシール

練馬の小さなゲーム開発会社『イクシール』に勤めるCGデザイナーです。 ドット絵もローポリも大好きですが、最近、靴下の手売りをはじめました。 そんな日々を、こっそり綴っています。 http://www.ixill.net/

求人コラムnoteまとめ

ポートフォリオや応募書類について書いたnoteをまとめています。
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