最後かもしれない

先日、祖父と祖母に会いに行った。

祖父は病院、祖母はリハビリ施設。

2人とももう長くはないと聞いている。特に祖父の方はもう年内かもしれない、なんてことも言われてる。バイトも休みが取れたので会いにいくことにした。

病院に行って祖父の姿を見た時、衝撃を受けた。

自分の知ってる祖父の姿はそこにはなかった。

開いているのかわからないほど小さくなった目

はっきりとした形がない口元

細々とした腕や足

元々小柄な人だったけど、さらに小さく見えた

今にも消えてしまいそうなくらい。

人は弱り果てるとこんなにまで姿が変わるものなのかと。

衝撃を受け止めて、祖父と会話をする。

元気か?仕事はどうだ?音楽は順調か?など自分のことを聞いてきた。 

仕事は仲間に恵まれてるよ、音楽は険しい道のりだからまだまだ全然。でも楽しいよ、と伝えてあげた。

そして世間話をして、最後に握手をした。

手を握ったとき、これが最後かもしれない、なんて思った瞬間、涙が溢れた。

自分でも驚いた。

正直、祖父とは特別仲が良いわけでもないし、たくさんの思い出があるというわけでもない。初めに祖父がもう長くないと聞いても、あまり気にとめていない自分がいたくらいだ。

あの涙はなんだったんだろう。なぜ泣いたんだろう。自分でも知らない自分に出会った気分だった。

消えてしまいそうな命にふれ、色々考えさせられた。健康でいること、好きなことができることは当たり前ではない。大事にしなければ。

もしかしたらいつか母親が、同じような状況になるかもしれない。そしたら自分になにができるだろうか。そのときは精一杯力になろう。

今生きてることを大切にしなきゃ。

じいちゃんありがとう。






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