2020/06/25 Antelope Audio Amari

完全に何かが外れてしまった

Q.これは何? 

A.超高級オーブン

ブルガリア製のAD/DAコンバーター。ブルガリア、全くデバイスのイメージがないけれど。値段も罪深ければ、物自体も罪深い。それがAmari

2020年IYHオブザイヤー

多分今年のIYHの中でいろいろな意味でNo.1です

・2020年最も音質が良かったで賞
2020年の出費の中で最も音質が良い。本当に。2020年はEdition 15で始まってしまったため、上半期は今までで一番オーディオの沼に浸っていた期間だったように思います。DACもいくつかスパイラルしていて、mojo→ACRO L1000→Aurender Flowを経由してからのAmariでした。Amariまでは純粋にオーディオ向けのDACたちなので若干経路は違いますが。Amariをチョイスしたポイントは2つあります。

・DAWで使えるレイテンシー
・デュアルXLR端子でバランス接続できる

1点目ですが、オーディオ用のインターフェースと制作用のインターフェースを分けて使っていたので、普段のリスニングの音と制作時の音を合わせたいと思ったところが大きいです。

2点目はDAWでバランス接続したHD800を使いたいと思ったのが発端です。HD800はバランス接続とアンバランスで大きく音質が変わってくるので(打ち込み時とリスニングでケーブルいちいち変えるのも面倒くさいし)

という上記2点が建前上の理由なのですが、やはり大きな動機としては手持ちのヘッドホンの高級化が激しく進んだためまともなDACが欲しかったというところです。実際のところAmariの音質は20万以下の環境とは大きく剥離しています(キックの輪郭が本当によく見える)。ほぼほぼヘッドホンアウトしか考えずにAmariを買いましたが、実のところヘッドホンアウト自体はおまけ(めちゃくちゃ音質はいい)で、Amariの真価はやはり8DACフルフルに使うスピーカー出力だと思います。スピーカーも変えたい・・・

・2020年最も辛いインターフェースで賞

Amariの困ったところは2020年ベストとワーストを両方持っていけちゃうところなんですね。音質自体はもうケチつけるところがあんまりないんですが、使い勝手というか、UX的なところでは大変よろしくないデバイスかなと思います。9月ごろにあったアップデートがくるまでは本当に酷くて、

・数時間起動していると専用のアプリケーションサーバーがAmariを見失う→端末認識されなくなってコントロールパネルが死ぬ
・スリープから復帰すると高確率でAmariのフロントパネルが死ぬ。ついでに音量などのコントロールの一切を受け付けなくなる
・上記エラー類を解決するために端末の再起動が必要だが、物理スイッチがないため再起動するのにコンセントを抜いて対応しないといけない
etc...

といった不具合と付き合う必要がありましたが、これらは今解消されているので、今本当に回避できないバグはAmari再起動後にバランス出力がぶっ壊れるぐらいです。

ただ、OSのアップデートには本当に慎重になる必要があり、ちょっとしたことでドライバーがロードされなくなります。今まで使ってたインターフェースでは年一のメジャーアップデートしか気にしていなかったのですが、マイナーアップデートでも動作したりしなかったりが発生するので、最初遭遇した時はかなり面を喰らいました。最近の事例だと

macOS 10.15.6では最新のUnified Driver(3.33)が動作する
macOS 10.15.7では最新のUnified Driverは動作せず、古いUnified Driver(3.30)では動作する

と言った状況に遭遇しました。この3.33が動作するか否かに関しては公式ではかなり曖昧な表記になっていて、

macOS 用の最新版は ver 3.33 ですが、Apple 製品のいくつかの環境とデバイスの組み合わせでは ver 3.30 が安定する場合があります。

という風に記載されています。まさにその通りの状況なんですが、3.30だと最新デバイスのZen Tourが動作しないという、同じメーカーのデバイスで1環境で複数動作できないっていう結構辛い状況になっています。Zen Tourをマイクプリ的に使ってAmariでモニターしたいみたいなニーズは普通にあると思うんだけど。。 。現状はZen Tourだけですが、今後発売されてくるデバイスでも同様の状況が発生しうることだと思うので、ちょっとどうなのかなと思う点ではあります。

あと一番不可解だったのは、OSのアップデート起因では無くドライバーがロードされない状態に陥って、再インストールを余儀なくされたことがあります。macだとセキュリティ周りでkextのロードが弾かれたりするのでその辺の問題なんだろうとは思うのですが、流石にいきなり死なれるのはちょっと・・・UADとかではまず遭遇したことないぞそんなの・・・

総括

今年のIYHの中ではかなり判断の難しいものとなってしまいましたが、良くも悪くも噂通りの逸品だったかなと思います。音質はかなり、とても、ものすごくいいものの、どちらかというとリスニング向けなチューニングだとも思います。またウリの一つであるインピーダンスコントロール機能も、あんまりいじりすぎるとサウンドバランスに影響が出る、かつ超高感度なIEMなんかにはあんまり効果無かったり。DTMユーザーで購入考えてる人はUADとかに散財した方が楽しいし、ストレスにはならないと思う。MacじゃなくてWindowsだと安定してるみたいな感じもあったので、同社のインターフェースで購入を迷っている人はThunderbolt搭載じゃないインターフェースならアリかもしれない(ThunderboltはThunderboltでWinだとつらい)
あとAntelope Audio Japanのユーザーサポートページが妙に攻撃的で、敬遠してたところがあったのだけれど、さっき見たらちょっとマイルドになっていた。流石に怒られたのかな。。。

最後に音だけはいい。本当に

追記(2021/1/30)
サポートみにいったらやっぱりまぁ高圧的な感じがひどい。日本法人畳んだ方がいいんじゃない?
故あってDiscrete4を最近導入。Amariの例もあったので身構えていたが初期セットアップでやはりつまづく。

1. 追記時点で最新の本体ファームウェアにアップデートするとヘッドホンアウトがバグる(ms処理でmid成分だけにしたような音質になる)→とりあえずロールバックで治る
2. 色々触ってると突如ヘッドホンアウト(1のみ)が死ぬ。再起動してもうんともすんとも言わない→ファームウェアを最新に戻してみたりするが治らず→Factory Resetで治る

なんだこれ?
なんやかんやで現状は最新ファームウェアで動いてる。何が効いたのかはわかってないが多分Factory Resetが効いてる気がする。であればFactory Resetの手順をファームウェアアップデートのステップに組み込んどけと思うが・・・2.は原因不明。本当に突然死。今後頻発するようなら本当に嫌なんだが・・・

次はもうapolloかSymphony Desktopかなぁ・・・

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